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二章 「スクール水着の半魚人」
その十
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「「「「はぁ……」」」」
部屋中が四人のため息で満たされる。一斉(いっせい)に床にへたりこんだ。
「なんとかなりましたね」
「今のでどっと疲れましたわ」
「明日筋肉痛かも。……学校休む」
「いつもだろ。いい加減来いよ」
目つきの悪い茶髪の少女はやっとの思いで立ち上がると、おもむろに部屋を見回した。
「でも、だいたい片付いたな」
「はい。なんとかなるものですね」
「……これで、なんとかなってる方なんですの?」
「そこは気にするな」
「じゃあ、後は髪を整えるだけですわね」
「え!? いっ、今なんと?」
怖々と一歩身を引く金髪の少女。しかし行く手にはホコリをかぶった鏡台が立ちふさがっていた。
「……ですから、クシか何かで髪を整えようと」
「生まれてこの方ほとんどそのままのこの髪を!?」
「何をそう嫌がるんですの? 触られたくない気持ちはわかりますが」
「ていうか、お前よく万美に結んでもらってんじゃん。ツインテに」
「い、いや、まぁ、そうですけれども。男子に会うから整えるって、どうなの?」
「普通ですよ」
左側の進路を塞ぎながらにっこりと笑う万美。その手にはすでに二つのヘアバンドが握られていた。
「そうですわよ、恥じらうことなんて何もありません」
正面に立ちふさがる魚々乃女の手の中で、ブランドもののクシが光る。
「……痛いのは最初だけだって」
残る右側に立ち、樹里たちはリオを半円状に囲い込んだ。
「最後のおかしくない!? ねぇ、髪を整えるんだよね、ねぇ!?」
「「「フフフフフ……」」」
怪しく笑う三人に、リオは鏡台に座らされる。
「ツインテールにしましょうねー」
「えっ?」
「いつも思うけど、お前ホントに手入れしてないのかよ。髪痛むぞ」
「それにしては、綺麗な髪ですわね。ん?」
クシで髪をといていた魚々乃女が、ふと、足元に垂れた黒いひも状のものに気づく。意志を持ったようにふらふらと揺れるそれは、先端にプラグがついていた。
力任せにぐんと引っ張ると、なぜか、リオの黄色いミニスカートまで続いていた。
「あっ、それは――――」
カチッと小気味の良い音がして、鏡に映るリオの瞳が淡い黄色に輝き出す。
次の瞬間、リオの両目からビームが放たれ、閃光と轟音が壁もろとも鏡台を吹き飛ばした。
「へ……?」
真っ青になって震え上がる魚々乃女。握っていたプラグがポトリと床に落ちる。
「…………私のせい、ですの?」
部屋中が四人のため息で満たされる。一斉(いっせい)に床にへたりこんだ。
「なんとかなりましたね」
「今のでどっと疲れましたわ」
「明日筋肉痛かも。……学校休む」
「いつもだろ。いい加減来いよ」
目つきの悪い茶髪の少女はやっとの思いで立ち上がると、おもむろに部屋を見回した。
「でも、だいたい片付いたな」
「はい。なんとかなるものですね」
「……これで、なんとかなってる方なんですの?」
「そこは気にするな」
「じゃあ、後は髪を整えるだけですわね」
「え!? いっ、今なんと?」
怖々と一歩身を引く金髪の少女。しかし行く手にはホコリをかぶった鏡台が立ちふさがっていた。
「……ですから、クシか何かで髪を整えようと」
「生まれてこの方ほとんどそのままのこの髪を!?」
「何をそう嫌がるんですの? 触られたくない気持ちはわかりますが」
「ていうか、お前よく万美に結んでもらってんじゃん。ツインテに」
「い、いや、まぁ、そうですけれども。男子に会うから整えるって、どうなの?」
「普通ですよ」
左側の進路を塞ぎながらにっこりと笑う万美。その手にはすでに二つのヘアバンドが握られていた。
「そうですわよ、恥じらうことなんて何もありません」
正面に立ちふさがる魚々乃女の手の中で、ブランドもののクシが光る。
「……痛いのは最初だけだって」
残る右側に立ち、樹里たちはリオを半円状に囲い込んだ。
「最後のおかしくない!? ねぇ、髪を整えるんだよね、ねぇ!?」
「「「フフフフフ……」」」
怪しく笑う三人に、リオは鏡台に座らされる。
「ツインテールにしましょうねー」
「えっ?」
「いつも思うけど、お前ホントに手入れしてないのかよ。髪痛むぞ」
「それにしては、綺麗な髪ですわね。ん?」
クシで髪をといていた魚々乃女が、ふと、足元に垂れた黒いひも状のものに気づく。意志を持ったようにふらふらと揺れるそれは、先端にプラグがついていた。
力任せにぐんと引っ張ると、なぜか、リオの黄色いミニスカートまで続いていた。
「あっ、それは――――」
カチッと小気味の良い音がして、鏡に映るリオの瞳が淡い黄色に輝き出す。
次の瞬間、リオの両目からビームが放たれ、閃光と轟音が壁もろとも鏡台を吹き飛ばした。
「へ……?」
真っ青になって震え上がる魚々乃女。握っていたプラグがポトリと床に落ちる。
「…………私のせい、ですの?」
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