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三章 「双子の月」
「Ⅲ」
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四日目。私は、原色の異星人たちが住まう繁華街を避け、雨水の香る、深い山奥の森に迷い込んだ。日はとうに暮れ、夜空に浮かぶ白い衛星だけが、周囲を照らしている。
私は、近くの木々に手をかけながら、ぬかるんだ地面を慎重に下りていく。やがて、薬品がこげるような不快な香りとともに、癇(かん)に障る声が聞こえてきた。
茂みの向こうに二人組が見える。若い茶髪の男たちだった。足音を潜め近づいていくと、生え際のむらから、染めているのだとわかり、私は歓喜した。
やはり、生き残りはいたのだ。彼らは、髪の色をあえて原色に染めることで異星人たちに溶け込み、今日まで生きながらえてきたのだろう。
しかし、茂みを払いのけ歩み寄ろうとした私の目に、にわかには信じがたい光景が飛び込んできた。茶髪に染めた若い男たちは、あろうことか、火の噴き出す筒状の武器で、落ち葉や付近の草木に、火をつけて笑っていのだ。
「あぁん? なんだおっさん。文句あんの?」
「……てか、なんで半裸なんだよ」
男たちの使う言語は、母星のものとは似ても似つかないものだった。不用意に身をさらしてから、私はようやくすべてを悟った。
――――彼らもまた、〝異星人〟だ。
私は、近くの木々に手をかけながら、ぬかるんだ地面を慎重に下りていく。やがて、薬品がこげるような不快な香りとともに、癇(かん)に障る声が聞こえてきた。
茂みの向こうに二人組が見える。若い茶髪の男たちだった。足音を潜め近づいていくと、生え際のむらから、染めているのだとわかり、私は歓喜した。
やはり、生き残りはいたのだ。彼らは、髪の色をあえて原色に染めることで異星人たちに溶け込み、今日まで生きながらえてきたのだろう。
しかし、茂みを払いのけ歩み寄ろうとした私の目に、にわかには信じがたい光景が飛び込んできた。茶髪に染めた若い男たちは、あろうことか、火の噴き出す筒状の武器で、落ち葉や付近の草木に、火をつけて笑っていのだ。
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