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さて、それじゃあ…
別の場所で待機しているじいやに警備員を呼んできてくれとインカムで呼び掛けた、その時
「理一郎…!」
突然、祖父が雨月に向かってその名を呼んだ。
「え?」
りいちろう?
そういえば、先ほど祖父と通さんの会話の中でも出てきた名前だ。一体誰なのだろうか?
「あの…おれは雨月ですけど…」
「雨月? …そうか、お前が理一郎と彩子さんの…」
「! 母を、知っているんですか?」
雨月の問いかけに、祖父は徐に懐から一枚の写真を取り出した。
「…理一郎はそこにいる馬鹿息子の兄でな。家出して、行方が分からなくなってから十数年経つが…一度だけ結婚したと手紙を送ってきたわい」
これはその時に一緒に同封されていた写真だ、と。
「!! これは…」
そこには、雨月と見間違う程にそっくりな男性と幸せそうに笑っている小柄な女性が並んで写っていた。
この男が、雨月の本当の父親なのか…
「そうか…雨月、お前が理一郎の息子なんじゃな」
「───違う!」
刹那、通の悲鳴のような声が響き渡る。
「違う違う違う!こいつは理一郎の息子なんかじゃない!偽物だ!当主の座はこの俺のものだ!!」
雨月に取り押さえられたまま、通は首だけを伸ばして狂気に満ちた眼を見開く。
「なんせ、理一郎はもうこの世にいないんだからなぁ!」
「何!?それはどういう事だ、通!」
宗一郎が通の胸倉を掴み上げる。
「は、どうもこうも、邪魔だったからちょっと外国に飛んで貰って、そこで死んでもらっただけの話だ」
「! 貴様…っ」
宗一郎が腕を振り上げる。だが、それよりも早く飛んできた拳によって、通の顔面は殴りつけられた。
「…お前の、お前のせいで…!」
2発目、続いて3発目と、拳を通の顔面目掛けて振り下ろす雨月の姿は、紛れもなく怒り狂っていて
「母さんだけじゃ飽き足らず、父さんまでも…っ」
「止めろ、雨月!」
初めて見る姿に、止めに入るのが遅くなる。
「はは、はははっ!そうだ、二人とも俺が殺してやった!目障りだったんだよ! …ああ、でもお前は良い拾いもんだったよ、三門」
良い拾いもの…?
唐突に自分の名を呼ばれ、雨月を押さえる手が緩む。
「お前は顔だけは良かったからなぁ。金を稼ぐ使えるコマだったよ」
「何、だと」
「今頃お前の母親も喜んでるだろ、息子がこーんなに俺の役に立ててるんだからなぁ!」
下卑た声で高笑いする通に、オレは気が付けば一発お見舞いしていた。
その勢いで通の後頭部が床に打ち付けられ、通は気を失った。
そして、タイミング良くやってきた警備員たち。
「…連れて行け」
宗一郎の一言で、通は引きずられて連れて行かれた。
それと同時に遠くから聞こえてくるパトカーのサイレンの音。手筈通り、じいやが呼んだんだろう。
別の場所で待機しているじいやに警備員を呼んできてくれとインカムで呼び掛けた、その時
「理一郎…!」
突然、祖父が雨月に向かってその名を呼んだ。
「え?」
りいちろう?
そういえば、先ほど祖父と通さんの会話の中でも出てきた名前だ。一体誰なのだろうか?
「あの…おれは雨月ですけど…」
「雨月? …そうか、お前が理一郎と彩子さんの…」
「! 母を、知っているんですか?」
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「…理一郎はそこにいる馬鹿息子の兄でな。家出して、行方が分からなくなってから十数年経つが…一度だけ結婚したと手紙を送ってきたわい」
これはその時に一緒に同封されていた写真だ、と。
「!! これは…」
そこには、雨月と見間違う程にそっくりな男性と幸せそうに笑っている小柄な女性が並んで写っていた。
この男が、雨月の本当の父親なのか…
「そうか…雨月、お前が理一郎の息子なんじゃな」
「───違う!」
刹那、通の悲鳴のような声が響き渡る。
「違う違う違う!こいつは理一郎の息子なんかじゃない!偽物だ!当主の座はこの俺のものだ!!」
雨月に取り押さえられたまま、通は首だけを伸ばして狂気に満ちた眼を見開く。
「なんせ、理一郎はもうこの世にいないんだからなぁ!」
「何!?それはどういう事だ、通!」
宗一郎が通の胸倉を掴み上げる。
「は、どうもこうも、邪魔だったからちょっと外国に飛んで貰って、そこで死んでもらっただけの話だ」
「! 貴様…っ」
宗一郎が腕を振り上げる。だが、それよりも早く飛んできた拳によって、通の顔面は殴りつけられた。
「…お前の、お前のせいで…!」
2発目、続いて3発目と、拳を通の顔面目掛けて振り下ろす雨月の姿は、紛れもなく怒り狂っていて
「母さんだけじゃ飽き足らず、父さんまでも…っ」
「止めろ、雨月!」
初めて見る姿に、止めに入るのが遅くなる。
「はは、はははっ!そうだ、二人とも俺が殺してやった!目障りだったんだよ! …ああ、でもお前は良い拾いもんだったよ、三門」
良い拾いもの…?
唐突に自分の名を呼ばれ、雨月を押さえる手が緩む。
「お前は顔だけは良かったからなぁ。金を稼ぐ使えるコマだったよ」
「何、だと」
「今頃お前の母親も喜んでるだろ、息子がこーんなに俺の役に立ててるんだからなぁ!」
下卑た声で高笑いする通に、オレは気が付けば一発お見舞いしていた。
その勢いで通の後頭部が床に打ち付けられ、通は気を失った。
そして、タイミング良くやってきた警備員たち。
「…連れて行け」
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それと同時に遠くから聞こえてくるパトカーのサイレンの音。手筈通り、じいやが呼んだんだろう。
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