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──『栽培部』
正直今初めて聞いた部活だが、部活内容は名称から言わずもがなだ。
貼り紙に記載されていた活動場所は、別館校舎裏の花壇とその付近にある部室だそうだ。
つーか、こんな所あったんだな。教えられなければ絶対知らなかっただろうな。
「あ、やっぱり誰もいないっぽいね」
「みたいだな」
あの貼り紙の様子から、今年誰も入らなければ廃部になる、といった具合だろう。
「ふーん…じゃあ俺ここに入ろっかな」
「─え」
今まで見学してきた部活のように、ろくに見てもいないのに
祭月は何故か『栽培部』に入部する事を即決した。
一体ここの何が祭月の基準を満たしたのだろうか?
「那月君も入ろうよ」
「…は? 何で」
「だってさ!いま新しい部員がいないって事は俺達がここで何をしていようが、してなかろうが、誰も文句を言わないんだよ?それって良いと思わない?」
バッと手を広げて、嬉しそうに笑いながら『誰もいない』事を最高のことだと祭月は言った。
「入るだけ入っておいて、後は適当にのんびりすれば良いんじゃないかな?一応、部活には入ってる訳だしね?」
それに植物育てるの嫌いじゃないし、と祭月は付け足した。
…なるほど。
確かにそれは良いかもしれない。
見知らぬ奴らと集団行動を強要させられるでもなく、当然面倒な練習なんてものもしなくていい。
確かにこれは超優良物件かもしれない。
「良いな、それ」
「でしょ?」
得意げにふんぞり返る祭月。
「…お前、結構いい加減だな」
賛同しておいて何だけど。
「うん♪ 結構面倒くさがりだよ俺」
この時、得意げに笑う祭月を見て、1つ分かったような気がした。
祭月が部活に入るための条件として探していたのは
『人がいない事』なんじゃないか、と。
正直今初めて聞いた部活だが、部活内容は名称から言わずもがなだ。
貼り紙に記載されていた活動場所は、別館校舎裏の花壇とその付近にある部室だそうだ。
つーか、こんな所あったんだな。教えられなければ絶対知らなかっただろうな。
「あ、やっぱり誰もいないっぽいね」
「みたいだな」
あの貼り紙の様子から、今年誰も入らなければ廃部になる、といった具合だろう。
「ふーん…じゃあ俺ここに入ろっかな」
「─え」
今まで見学してきた部活のように、ろくに見てもいないのに
祭月は何故か『栽培部』に入部する事を即決した。
一体ここの何が祭月の基準を満たしたのだろうか?
「那月君も入ろうよ」
「…は? 何で」
「だってさ!いま新しい部員がいないって事は俺達がここで何をしていようが、してなかろうが、誰も文句を言わないんだよ?それって良いと思わない?」
バッと手を広げて、嬉しそうに笑いながら『誰もいない』事を最高のことだと祭月は言った。
「入るだけ入っておいて、後は適当にのんびりすれば良いんじゃないかな?一応、部活には入ってる訳だしね?」
それに植物育てるの嫌いじゃないし、と祭月は付け足した。
…なるほど。
確かにそれは良いかもしれない。
見知らぬ奴らと集団行動を強要させられるでもなく、当然面倒な練習なんてものもしなくていい。
確かにこれは超優良物件かもしれない。
「良いな、それ」
「でしょ?」
得意げにふんぞり返る祭月。
「…お前、結構いい加減だな」
賛同しておいて何だけど。
「うん♪ 結構面倒くさがりだよ俺」
この時、得意げに笑う祭月を見て、1つ分かったような気がした。
祭月が部活に入るための条件として探していたのは
『人がいない事』なんじゃないか、と。
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