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本編 【5歳】
12.俺、蘇った……!
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──ズダァンっ!!
「あっ、あっ! ちょっとぉ~! このちびっこめ!! 扉壊れる~!」
勢いよく両開きの扉を開いたのは身長120cmほどの男の子──つまり、オズワルド・アークライトだ。
おっぱいココの制止を無視し、オズワルドは花に溢れた広間へズカズカと侵入する。
僕のラルバトスの姿はなく、オズワルド一人で自分の城を歩くように数段上の精霊王の玉座の前まで来た。
毛先にクセのある金髪を揺らし、オズワルドはニヤリと笑う。
「──邪魔するぜ!」
薄笑いで精霊王ファネットはオズワルドを見下ろす。
「相変わらず無礼なやつだね。ここへ来たってことは記憶も戻ったのかな──面倒……帰ってよ」
クリスティーナをぐいと引き寄せ、精霊王は剣呑とした空気を隠しもしない。
対して、オズワルドも5歳児とは思えぬ顔つきをして精霊王を睨みつける。
「おれのものを盗んだヤツが言うんじゃねぇよ、どあほう」
「…………いつお前のものに? これは落とし子だろう? 誰のものでもない」
「迷い子とも言うな。人間どもは無色とかいいやがる。無色透明のそいつに色をつけるのはおれだ。お前がもっていくな」
オズワルドはクリスティーナを指差し所有者宣言をかます。が、精霊王ファネットはにんま~と笑ってクリスティーナの頬に自分の頬を寄せ、逆に挑発モードだ。
「残念、もう色はついた。初染めはわたしのものだよ」
火花を散らして睨み合うというのはこういうことなのかとクリスティーナは精霊王ファネットに抱えられたまま眺めた。
「……あほぅめ、無色透明がただの一色で塗りつぶれるものかよ。ティナ! 来い!!」
オズワルドの頬が苛立ちにひくひくと揺れている。それを確認して、精霊王は満足そうにほくそ笑むばかり。
「行くといいよ。アレを怒らせると面倒だ。──いつでも会いにおいで? ふふふ」
言葉の後半はクリスティーナの耳元にだけ囁いた。
「えっと……」
「ティナッ!!」
オズワルドの額には青筋が浮いている。
(なんで第二王子があんなに怒るの……)
「──は、はいー!」
精霊王に優しく膝からおろされたクリスティーナが駆けてくる間に、オズワルドは自分の影に声を落とす。
「ラルバトス! 帰るぞ」
『──ははっ』
即時、返事は影の中からだ。オズワルドがクリスティーナの手を掴んだ瞬間、影がぐいっと伸び、二人の姿を飲み込む。
いきなり真っ暗になり、驚いたクリスティーナは「──ひぇっ!?」と声をあげていた。
が、次の瞬間にはもう影は消え、視界も明るく開けた。クリスティーナも叫び損に近いほど、一瞬のことだった。
「色気の無い悲鳴だな」
現状確認に忙しいクリスティーナはオズワルドの言葉など──聞こえなかったふりの無視である。
見回せばジメッとした土の匂いの強い外──。どこか深い森の中に放り出されていた。
光は注いでいるが、背の高い木がたくさん並んでいる。
ふっと後ろを見れば、前世三十路が『御神木だ』とつぶやいてしまいそうな幹の太い、大きな木があった。樹齢何千年というレベルの巨木だ。
さらに、巨木には人が雨宿りくらいは出来そうな大きなウロがあいていた。ウロはどこかに続いているということはなく、ただのくぼみだった。
だが──。
(もしかして、これが入り口だったの?)
とっさにファンタジー脳を活性化させていくクリスティーナ。
おっぱい妖精ココはクリスティーナが「ここはどこだ」と聞いた時に「聖樹のウロだ」と答えた。
(なら、これが聖樹……)
ずっと高いところまで伸びた木。首が痛くなるほど見上げる。これが妖精達の住処なのだとクリスティーナは認識した。
「無事のお戻り、何よりでございます」
声にクリスティーナは慌てて振り返れば、オズワルド第二王子がかしづかれていた。彼の足元に黒づくめの男が膝をついていたのだ。
「──ど、どなた?」
「部下」
クリスティーナにさらりと答え、オズワルドは黒づくめのラルバトスに「さっさと帰るぞ」と告げる。
しかし──。
「魔物本隊と討伐本隊が接触、戦闘が始まっております。今うごけば巻き込まれるかと」
「そうか……今回の魔物の親玉は討ってあるのに頑張るな。──ラルバトス、おれはティナと話をする。お前は先に魔族を率いて魔物の数を減らしておけ」
「──はっ」
ラルバトスが地面の影にストンと飲み込まれるように消えた。
「な、ななな、なに!? まっていまのなに!?」
「魔法」
やはり興味が無いとばかりにあっさりと答えるオズワルド。
(ま、まって……待って? いまの、見たことある。てかあの人──黒づくめの青白美人、見たことが……翼……はなかったけど……耳……も長くなかったけど……そうだ──そう! ゲームで見たわ! 確か──……え?……あの、ゲームで……魔宰相ラルバトス……は……部下だよね……魔王の……オズの……部下?)
回想モードのクリスティーナにオズワルドは一気に近寄ると、そのまま腰をぐいと引き寄せた。突然のことに「え!?」と顔を上げるクリスティーナの顔にオズワルドは急接近した。
「──んんっ!? んんんんんんん! んん!!」
(おい!? 顔、顔近い──てか、えぇ!?!? くっついてない!? あれ!? これキスじゃん!?)
「んんんんー!!」
どちらも目をかっぴろげている。
睨みつける目でガッツリ罵倒するクリスティーナに、半笑いで唇を押し付けてくるオズワルド。余裕綽々の笑みで見下ろしてくるのだ。
右手をギリギリと音がするほど握りしめ、クリスティーナはゲンコツでオズワルドの頬をがっつり殴りつける。
振動が伝わってくるが、この際、気にしない。クリスティーナはオズワルドの腕を振り払い、見上げた。
「──ぶはっ! なにすんのよ、いきなり!」
(5歳児のやることか!? いや、幼稚園児ってむしろキスしちゃうのか!? ふぁー!? わからんっ! もうっ! 柔らかすぎよ! 可愛いじゃない! 美少年すぎるのよ! 夢のようなチューでしかない!! むしろ口開けちゃうとこだったわよ! 可愛いすぎるのよ! ずるい! もっとしてもいいのに!! ディープ!! ウェルカム!!)
頭の中もしっちゃかめっちゃかなら、言葉と心も裏腹である。
「いいパンチ、いいパンチ」
オズワルドは殴られた頬を撫でつつにやにや笑っている。
「ティナ、精霊王と縁を結ぼうが、兄上と婚約してようがどうでもいい。けどな、最後はおれを選べよ? おまえはおれのもんだ」
「は~ん?? 私は私のもんよ、勘違いすんなっ!」
いい加減、前世三十路覚醒後もごく普通の子どものように流されまくっていたが、さすがに鬱憤も限界に近かったクリスティーナ。キスには切れて令嬢顔ではなく前世三十路全開となった。キスに驚いた5歳までのクリスティーナの意識と言える部分が完全に引っ込んでしまったとも言えるが──。
「ふふん。それが本性か?」
「──あっ」
しまったと表情を固めたクリスティーナの瞳をじっと覗き込むオズワルド。
「な、なによ?」
「さすがのファネットか、精霊王が相手だと半分しかとれなかったな」
「だから、なにが?」
「おまえの魂の色だよ。今、半分が金色で半分が今おれが染めた黒銀色になってんだよ。じき沈んで馴染むだろうが、一層目は黒銀一色にしたかったのにな」
クリスティーナも自覚症状が無いので魂の色を染めただの、何色だのと言われてもわけがわからない。
「はぁ?? もぅっ! なんなの、人のこと勝手にさぁ! ファンタジーもいい加減にしてよね! で、何の魔法くれちゃったの?」
「おれのところに転移できる魔法だ」
──ぶふぅっー!
クリスティーナ、思わず吹き出した。
「精霊王様と同じですか!? 同レベル! あんたたち同レベルなの!?」
「ぁあ!? あいつも? ムカつくな……ただでさえ先越されて腹立ってんのに」
ブツブツ文句を言うオズワルドをクリスティーナはチラリと盗み見る。
「ね、ねぇ……さっきの部下って人なんだけど──」
ギロリとオズワルドは睨んでくる。
「なんだよ、ティナはあんな弱ぇヤツが気になるのか」
(弱いってあんた……ゲームの魔王前のボスじゃないの……。あの魔宰相にガッツリ削られてアイテム消費しまくって結局、魔王とまともに戦えなくて負ける──が、初見プレイの定番。強かったよ……俊敏な上に多彩すぎる状態異常魔法──回復前に連撃モードと数分おきの大技で……ってゲームはともかく──)
「……えぇと……人間の人なの?」
だらだらだらだら冷や汗を流すクリスティーナ。
(き、聞き方がわからない……魔族、魔宰相ですか、彼は? とか聞けない……)
「…………精霊王に何か聞いたか?」
「え? ううん。とくには何も」
オズワルドはポリポリと首をかいた後、クリスティーナを見た。
「ティナは気付いてんだな? 魔族だって。だから聞くんだろ」
「あ、ははは、魔族っていうか、魔宰相さん?」
「………………………………おまえ…………」
魔宰相の上司など、魔王ひとりしかいないのである。
クリスティーナが確認したいのはオズワルドが何者かという恐ろしい点だ。
オズワルドもまた、クリスティーナの言葉から彼女の意図を読みとっている。
二人とも、外見通りの5歳児ではないのだから──。
長い沈黙の後、オズワルドは「まあ、そうだな……おまえには言っておいてもいいかもな……」と前置きしたあと、クリスティーナの真正面ではっきりと告げた。
「つまり、おれは百年前に死んだ魔王──俺、蘇った……!」
「あっ、あっ! ちょっとぉ~! このちびっこめ!! 扉壊れる~!」
勢いよく両開きの扉を開いたのは身長120cmほどの男の子──つまり、オズワルド・アークライトだ。
おっぱいココの制止を無視し、オズワルドは花に溢れた広間へズカズカと侵入する。
僕のラルバトスの姿はなく、オズワルド一人で自分の城を歩くように数段上の精霊王の玉座の前まで来た。
毛先にクセのある金髪を揺らし、オズワルドはニヤリと笑う。
「──邪魔するぜ!」
薄笑いで精霊王ファネットはオズワルドを見下ろす。
「相変わらず無礼なやつだね。ここへ来たってことは記憶も戻ったのかな──面倒……帰ってよ」
クリスティーナをぐいと引き寄せ、精霊王は剣呑とした空気を隠しもしない。
対して、オズワルドも5歳児とは思えぬ顔つきをして精霊王を睨みつける。
「おれのものを盗んだヤツが言うんじゃねぇよ、どあほう」
「…………いつお前のものに? これは落とし子だろう? 誰のものでもない」
「迷い子とも言うな。人間どもは無色とかいいやがる。無色透明のそいつに色をつけるのはおれだ。お前がもっていくな」
オズワルドはクリスティーナを指差し所有者宣言をかます。が、精霊王ファネットはにんま~と笑ってクリスティーナの頬に自分の頬を寄せ、逆に挑発モードだ。
「残念、もう色はついた。初染めはわたしのものだよ」
火花を散らして睨み合うというのはこういうことなのかとクリスティーナは精霊王ファネットに抱えられたまま眺めた。
「……あほぅめ、無色透明がただの一色で塗りつぶれるものかよ。ティナ! 来い!!」
オズワルドの頬が苛立ちにひくひくと揺れている。それを確認して、精霊王は満足そうにほくそ笑むばかり。
「行くといいよ。アレを怒らせると面倒だ。──いつでも会いにおいで? ふふふ」
言葉の後半はクリスティーナの耳元にだけ囁いた。
「えっと……」
「ティナッ!!」
オズワルドの額には青筋が浮いている。
(なんで第二王子があんなに怒るの……)
「──は、はいー!」
精霊王に優しく膝からおろされたクリスティーナが駆けてくる間に、オズワルドは自分の影に声を落とす。
「ラルバトス! 帰るぞ」
『──ははっ』
即時、返事は影の中からだ。オズワルドがクリスティーナの手を掴んだ瞬間、影がぐいっと伸び、二人の姿を飲み込む。
いきなり真っ暗になり、驚いたクリスティーナは「──ひぇっ!?」と声をあげていた。
が、次の瞬間にはもう影は消え、視界も明るく開けた。クリスティーナも叫び損に近いほど、一瞬のことだった。
「色気の無い悲鳴だな」
現状確認に忙しいクリスティーナはオズワルドの言葉など──聞こえなかったふりの無視である。
見回せばジメッとした土の匂いの強い外──。どこか深い森の中に放り出されていた。
光は注いでいるが、背の高い木がたくさん並んでいる。
ふっと後ろを見れば、前世三十路が『御神木だ』とつぶやいてしまいそうな幹の太い、大きな木があった。樹齢何千年というレベルの巨木だ。
さらに、巨木には人が雨宿りくらいは出来そうな大きなウロがあいていた。ウロはどこかに続いているということはなく、ただのくぼみだった。
だが──。
(もしかして、これが入り口だったの?)
とっさにファンタジー脳を活性化させていくクリスティーナ。
おっぱい妖精ココはクリスティーナが「ここはどこだ」と聞いた時に「聖樹のウロだ」と答えた。
(なら、これが聖樹……)
ずっと高いところまで伸びた木。首が痛くなるほど見上げる。これが妖精達の住処なのだとクリスティーナは認識した。
「無事のお戻り、何よりでございます」
声にクリスティーナは慌てて振り返れば、オズワルド第二王子がかしづかれていた。彼の足元に黒づくめの男が膝をついていたのだ。
「──ど、どなた?」
「部下」
クリスティーナにさらりと答え、オズワルドは黒づくめのラルバトスに「さっさと帰るぞ」と告げる。
しかし──。
「魔物本隊と討伐本隊が接触、戦闘が始まっております。今うごけば巻き込まれるかと」
「そうか……今回の魔物の親玉は討ってあるのに頑張るな。──ラルバトス、おれはティナと話をする。お前は先に魔族を率いて魔物の数を減らしておけ」
「──はっ」
ラルバトスが地面の影にストンと飲み込まれるように消えた。
「な、ななな、なに!? まっていまのなに!?」
「魔法」
やはり興味が無いとばかりにあっさりと答えるオズワルド。
(ま、まって……待って? いまの、見たことある。てかあの人──黒づくめの青白美人、見たことが……翼……はなかったけど……耳……も長くなかったけど……そうだ──そう! ゲームで見たわ! 確か──……え?……あの、ゲームで……魔宰相ラルバトス……は……部下だよね……魔王の……オズの……部下?)
回想モードのクリスティーナにオズワルドは一気に近寄ると、そのまま腰をぐいと引き寄せた。突然のことに「え!?」と顔を上げるクリスティーナの顔にオズワルドは急接近した。
「──んんっ!? んんんんんんん! んん!!」
(おい!? 顔、顔近い──てか、えぇ!?!? くっついてない!? あれ!? これキスじゃん!?)
「んんんんー!!」
どちらも目をかっぴろげている。
睨みつける目でガッツリ罵倒するクリスティーナに、半笑いで唇を押し付けてくるオズワルド。余裕綽々の笑みで見下ろしてくるのだ。
右手をギリギリと音がするほど握りしめ、クリスティーナはゲンコツでオズワルドの頬をがっつり殴りつける。
振動が伝わってくるが、この際、気にしない。クリスティーナはオズワルドの腕を振り払い、見上げた。
「──ぶはっ! なにすんのよ、いきなり!」
(5歳児のやることか!? いや、幼稚園児ってむしろキスしちゃうのか!? ふぁー!? わからんっ! もうっ! 柔らかすぎよ! 可愛いじゃない! 美少年すぎるのよ! 夢のようなチューでしかない!! むしろ口開けちゃうとこだったわよ! 可愛いすぎるのよ! ずるい! もっとしてもいいのに!! ディープ!! ウェルカム!!)
頭の中もしっちゃかめっちゃかなら、言葉と心も裏腹である。
「いいパンチ、いいパンチ」
オズワルドは殴られた頬を撫でつつにやにや笑っている。
「ティナ、精霊王と縁を結ぼうが、兄上と婚約してようがどうでもいい。けどな、最後はおれを選べよ? おまえはおれのもんだ」
「は~ん?? 私は私のもんよ、勘違いすんなっ!」
いい加減、前世三十路覚醒後もごく普通の子どものように流されまくっていたが、さすがに鬱憤も限界に近かったクリスティーナ。キスには切れて令嬢顔ではなく前世三十路全開となった。キスに驚いた5歳までのクリスティーナの意識と言える部分が完全に引っ込んでしまったとも言えるが──。
「ふふん。それが本性か?」
「──あっ」
しまったと表情を固めたクリスティーナの瞳をじっと覗き込むオズワルド。
「な、なによ?」
「さすがのファネットか、精霊王が相手だと半分しかとれなかったな」
「だから、なにが?」
「おまえの魂の色だよ。今、半分が金色で半分が今おれが染めた黒銀色になってんだよ。じき沈んで馴染むだろうが、一層目は黒銀一色にしたかったのにな」
クリスティーナも自覚症状が無いので魂の色を染めただの、何色だのと言われてもわけがわからない。
「はぁ?? もぅっ! なんなの、人のこと勝手にさぁ! ファンタジーもいい加減にしてよね! で、何の魔法くれちゃったの?」
「おれのところに転移できる魔法だ」
──ぶふぅっー!
クリスティーナ、思わず吹き出した。
「精霊王様と同じですか!? 同レベル! あんたたち同レベルなの!?」
「ぁあ!? あいつも? ムカつくな……ただでさえ先越されて腹立ってんのに」
ブツブツ文句を言うオズワルドをクリスティーナはチラリと盗み見る。
「ね、ねぇ……さっきの部下って人なんだけど──」
ギロリとオズワルドは睨んでくる。
「なんだよ、ティナはあんな弱ぇヤツが気になるのか」
(弱いってあんた……ゲームの魔王前のボスじゃないの……。あの魔宰相にガッツリ削られてアイテム消費しまくって結局、魔王とまともに戦えなくて負ける──が、初見プレイの定番。強かったよ……俊敏な上に多彩すぎる状態異常魔法──回復前に連撃モードと数分おきの大技で……ってゲームはともかく──)
「……えぇと……人間の人なの?」
だらだらだらだら冷や汗を流すクリスティーナ。
(き、聞き方がわからない……魔族、魔宰相ですか、彼は? とか聞けない……)
「…………精霊王に何か聞いたか?」
「え? ううん。とくには何も」
オズワルドはポリポリと首をかいた後、クリスティーナを見た。
「ティナは気付いてんだな? 魔族だって。だから聞くんだろ」
「あ、ははは、魔族っていうか、魔宰相さん?」
「………………………………おまえ…………」
魔宰相の上司など、魔王ひとりしかいないのである。
クリスティーナが確認したいのはオズワルドが何者かという恐ろしい点だ。
オズワルドもまた、クリスティーナの言葉から彼女の意図を読みとっている。
二人とも、外見通りの5歳児ではないのだから──。
長い沈黙の後、オズワルドは「まあ、そうだな……おまえには言っておいてもいいかもな……」と前置きしたあと、クリスティーナの真正面ではっきりと告げた。
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