【完結】第三王子、ただいま輸送中。理由は多分、大臣です

ナポ

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11.結婚式の準備


「というわけで、式の衣装は【純白の羽毛ドレス】です!」

「おい、待て。誰が羽毛でドレスなんて着るって」

「王子が天使の化身ってことでテーマは“空からの祝福”です!」

「いや、せめてズボンでお願いしたいんですけど!?」

「だめです! 背中には自作の羽根! つけましょう!!」

「護衛さんは、黒革のタキシードにこの赤い薔薇を……」

「……これは、“首元のリボン”か?」

「はい! 恋人の束縛を象徴する赤です!」

「……王子が縛る側なのか?」

「そこは各自の想像にお任せします♡」

「ここに、“恋愛神ラクス”の像を置きますので、誓いを!」

「俺!? 俺が俺に誓うの!? 意味不明すぎない!?」

「いいえ、すべては神のご加護の下にあるのです!」

「……俺、生きてるんだけど……!?」

 式を明日に控え、村人たちは去り、控え室に残されたのはラクスとカイルだけ。

「……なんか、すごかったな」

「俺、羽根つけられて飛びそうだった」

「……なあ、カイル」

「ん?」

「本当に、俺でいいのか?」

「……何度でも言う。お前じゃなきゃダメだ」

カチャ……(扉が開く音)

「王子さま! お夜食を――」

「――ッ!!!」
(カイルがラクスの上でシャツを直していた最中)

「キャーーーー!! 初夜だったーー!!」

「違う!! 今のは違――」

ばたん!!(扉閉まる)

祭だーーーーー!!

 翌朝。
 式の喧騒の前に、ラクスとカイルはふたりだけの時間を作った。

「こっちが、お前の指のサイズに合わせて削ったやつ」

「……へえ。器用じゃん」

「王子に、似合うと思って」

 互いの指に、静かに指輪を嵌める。
 言葉は少なくても、心は、もう並んでいた。

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