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第二章
②つまりは錬銀術というやつだな
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スディはその影に見覚えがあった。
臙脂色のショートジャケットを羽織り、結った髪が後ろで長く靡いている。少し前に自宅を荒らしていった者の一人、シエスタと呼ばれていた女性だった。
「折角だし行こうぜそのクラブ!隠し財宝とか発掘出来るかもしれねえしな!」「行きたいならあなた一人で行けば良いんじゃないですか」「カードが無きゃ入れないんだろ?」「だったらコレを使ったらどうです」「貰い物を他人に横流しするなんてサイテーだな」――彼女の言う通りだ。
流石に悪いことをしたと自覚を持ったスディは蚊帳の外の男の顔を伺う。彼は突然現れた彼女に驚いていたようだったが、自身に視線が伸びている事を確認すると、何事もないという顔をした。
「一人でも楽しいけど複数人で行くともっと楽しいからね、クラブは。良かったら彼女さんと行っておいでよ」
勘違いをした男は「また明日」と言い去っていった。
「とりあえず、邪魔者はいなくなった」
シエスタが呟く。お前だって邪魔物だ、と言う勇気をスディは持ち合わせていなかった。
「スデー、こないだは急に来て悪かったな。あれは嵐みてえなもんだと思って流してくれ。それでよ、今日は大事な用があんだ」
――嵐を仕方ないで流せるものだろうか。いや、不可能だ。
「こいつをお前に渡したい」
渡された物は、拳大の、丸いメダル様のオブジェ。それは銀で出来ており、首にかけられそうな長めの紐がついている。人によっては何かの勲章にも見えるだろう。
「えーと、こいつはこの間回収したアイツの残りみたいなものでだな、回収の時に銀が残るもんでよ。つまりは錬銀術というやつだな。まーとにかく回収のついでに回収したんでよ、折角だからオシャレに改修してやったんだ、これがフクセンカイシュウってやつだな」
「何が言いたいのかわからない」
「……あー、まぁ、なんだ。こいつをあの子の形見と思って受け取れ」
そう言われては断る事も出来なかった。
「きっとイイ感じに良くない事から守ってくれる盾になるからよ。サイズが合わないなら調整もしてやるからな、相棒がな」
「……これをわざわざ僕に?」
「そりゃそうだ、他の奴に渡したってしょうがねえ」
貰い物は取り敢えずズボンのポケットにつっこんでおいた。礼の言葉を言える心の余裕は無かった。
「ああそうだ、あともう一つ大事なことがあるんだ。あんときのウチの小芝居だ、あれはユーモアか?イヤミか?」「……はあ?」「結局あの時答え聞けて無かったからよ」「そんなのどうでもいいんですけど」「そうは言わずに頼むぜ」「面白く無かったです。何も」彼女はがっくりと肩を落とした。
そのままうんともすんとも言わなくなったため、彼女のことはそのままにしてその場を去った。
臙脂色のショートジャケットを羽織り、結った髪が後ろで長く靡いている。少し前に自宅を荒らしていった者の一人、シエスタと呼ばれていた女性だった。
「折角だし行こうぜそのクラブ!隠し財宝とか発掘出来るかもしれねえしな!」「行きたいならあなた一人で行けば良いんじゃないですか」「カードが無きゃ入れないんだろ?」「だったらコレを使ったらどうです」「貰い物を他人に横流しするなんてサイテーだな」――彼女の言う通りだ。
流石に悪いことをしたと自覚を持ったスディは蚊帳の外の男の顔を伺う。彼は突然現れた彼女に驚いていたようだったが、自身に視線が伸びている事を確認すると、何事もないという顔をした。
「一人でも楽しいけど複数人で行くともっと楽しいからね、クラブは。良かったら彼女さんと行っておいでよ」
勘違いをした男は「また明日」と言い去っていった。
「とりあえず、邪魔者はいなくなった」
シエスタが呟く。お前だって邪魔物だ、と言う勇気をスディは持ち合わせていなかった。
「スデー、こないだは急に来て悪かったな。あれは嵐みてえなもんだと思って流してくれ。それでよ、今日は大事な用があんだ」
――嵐を仕方ないで流せるものだろうか。いや、不可能だ。
「こいつをお前に渡したい」
渡された物は、拳大の、丸いメダル様のオブジェ。それは銀で出来ており、首にかけられそうな長めの紐がついている。人によっては何かの勲章にも見えるだろう。
「えーと、こいつはこの間回収したアイツの残りみたいなものでだな、回収の時に銀が残るもんでよ。つまりは錬銀術というやつだな。まーとにかく回収のついでに回収したんでよ、折角だからオシャレに改修してやったんだ、これがフクセンカイシュウってやつだな」
「何が言いたいのかわからない」
「……あー、まぁ、なんだ。こいつをあの子の形見と思って受け取れ」
そう言われては断る事も出来なかった。
「きっとイイ感じに良くない事から守ってくれる盾になるからよ。サイズが合わないなら調整もしてやるからな、相棒がな」
「……これをわざわざ僕に?」
「そりゃそうだ、他の奴に渡したってしょうがねえ」
貰い物は取り敢えずズボンのポケットにつっこんでおいた。礼の言葉を言える心の余裕は無かった。
「ああそうだ、あともう一つ大事なことがあるんだ。あんときのウチの小芝居だ、あれはユーモアか?イヤミか?」「……はあ?」「結局あの時答え聞けて無かったからよ」「そんなのどうでもいいんですけど」「そうは言わずに頼むぜ」「面白く無かったです。何も」彼女はがっくりと肩を落とした。
そのままうんともすんとも言わなくなったため、彼女のことはそのままにしてその場を去った。
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