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12年前
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帽子男はコウイチだった。
「は?コウイチ?どうしたの?」
野球帽を目深に被ってメガネを掛けたコウイチに問いかける。前髪、前髪はどこだ?
「コウイチは、君のボディガード。一応ね。安心だろ?」
奥のパソコンに向かっていた男が、椅子ごとクルリとこちらを向き話し出した。…ダレ?
「新田。開発部。」
コウイチが最短で紹介してくれた。
「そうそう、僕この管理人になるかも知れなかったんだよね。そしたら、小野寺君を助けたのは僕だったかも。今日はピンチヒッター。」
丸い銀縁メガネを押し上げながら、くせ毛の新田という人が言った。…遠慮したい。ここの管理人がコウイチで本当に良かった。
「いくぞ。」
コウイチが、今日の荷物であろう小さな段ボールをテーブルから持ち上げ、傍にあったメガネとスマホ(おっ、ガラケーから変わった!)を差し出してきた。何が何だかさっぱりだったが、とにかく2人で過去へ飛ぶらしい。俺はメガネを受け取り、スマホはスーツの内ポケットに入れた。
「じゃあ、行ってきます。新田さん、よろしくお願いします。」
とりあえず笑顔で。窓の左側。壁に手を当てて扉をくぐり抜けた。コウイチもすぐ後に続いた。
「寒いな!」
俺は身震いした。今日は、スーツの上からコートを羽織っているが、冷たい風が容赦なく体温を奪う。隣りのコウイチは何も言わず、後ろを振り返って何か見ている。後ろの和菓子屋は、シャッターを下ろしていた。
「残念。和菓子屋閉まってるな。」
「…。」
どうした?機嫌が悪い?基本無表情のコウイチだが、何だか機嫌が悪そうだ。
「どうしたの?」
「何でもない…。…誰にでも笑顔なんだな。」
こちらに向き直りながら、コウイチが最後の方は聞き取れないほどの小声で呟いた。はっ?…誰にでも…笑顔?…って…。
「そ、それはそうだろ。笑顔は基本!社会人として挨拶も!」
何だかコウイチにやきもちを妬いてもらったみたいで、妙にお腹のあたりがムズムズした。腹の底から胸の辺りまでムズムズが広がってきて、笑い出しそうだ。…嬉しい。俺の勘違いだとしても。
「…けど、俺のボディガードがコウイチで良かったよ。あの新田って人じゃ無くて。」
多分、飛びきりの笑顔になってたと思う。俺も素の自分がモロに出ているのが分かる。コウイチ…大好きだ。
そんな俺を見ていたコウイチは、踵を返して道を渡り始めた。「いくぞ。」と呟いて。瞬間で元に戻ったコウイチだが、帽子のわきから見えた耳はほんのりと赤かった。
「こっちじゃないの?」
後ろから声をかける。…全く足の長さ考慮してくれ!小走りになりながら。
「ああ。今日は巌城の家だ。…今日は何日だと?」
急に立ち止まったコウイチがこちらを振り返った。
「あっ、そうか!大晦日!」
「は?コウイチ?どうしたの?」
野球帽を目深に被ってメガネを掛けたコウイチに問いかける。前髪、前髪はどこだ?
「コウイチは、君のボディガード。一応ね。安心だろ?」
奥のパソコンに向かっていた男が、椅子ごとクルリとこちらを向き話し出した。…ダレ?
「新田。開発部。」
コウイチが最短で紹介してくれた。
「そうそう、僕この管理人になるかも知れなかったんだよね。そしたら、小野寺君を助けたのは僕だったかも。今日はピンチヒッター。」
丸い銀縁メガネを押し上げながら、くせ毛の新田という人が言った。…遠慮したい。ここの管理人がコウイチで本当に良かった。
「いくぞ。」
コウイチが、今日の荷物であろう小さな段ボールをテーブルから持ち上げ、傍にあったメガネとスマホ(おっ、ガラケーから変わった!)を差し出してきた。何が何だかさっぱりだったが、とにかく2人で過去へ飛ぶらしい。俺はメガネを受け取り、スマホはスーツの内ポケットに入れた。
「じゃあ、行ってきます。新田さん、よろしくお願いします。」
とりあえず笑顔で。窓の左側。壁に手を当てて扉をくぐり抜けた。コウイチもすぐ後に続いた。
「寒いな!」
俺は身震いした。今日は、スーツの上からコートを羽織っているが、冷たい風が容赦なく体温を奪う。隣りのコウイチは何も言わず、後ろを振り返って何か見ている。後ろの和菓子屋は、シャッターを下ろしていた。
「残念。和菓子屋閉まってるな。」
「…。」
どうした?機嫌が悪い?基本無表情のコウイチだが、何だか機嫌が悪そうだ。
「どうしたの?」
「何でもない…。…誰にでも笑顔なんだな。」
こちらに向き直りながら、コウイチが最後の方は聞き取れないほどの小声で呟いた。はっ?…誰にでも…笑顔?…って…。
「そ、それはそうだろ。笑顔は基本!社会人として挨拶も!」
何だかコウイチにやきもちを妬いてもらったみたいで、妙にお腹のあたりがムズムズした。腹の底から胸の辺りまでムズムズが広がってきて、笑い出しそうだ。…嬉しい。俺の勘違いだとしても。
「…けど、俺のボディガードがコウイチで良かったよ。あの新田って人じゃ無くて。」
多分、飛びきりの笑顔になってたと思う。俺も素の自分がモロに出ているのが分かる。コウイチ…大好きだ。
そんな俺を見ていたコウイチは、踵を返して道を渡り始めた。「いくぞ。」と呟いて。瞬間で元に戻ったコウイチだが、帽子のわきから見えた耳はほんのりと赤かった。
「こっちじゃないの?」
後ろから声をかける。…全く足の長さ考慮してくれ!小走りになりながら。
「ああ。今日は巌城の家だ。…今日は何日だと?」
急に立ち止まったコウイチがこちらを振り返った。
「あっ、そうか!大晦日!」
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そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
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