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教育実習ニ週目
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「おっ! ミニトマト克服!?」
ユウがジャガイモやブロッコリーを取り皿に取りながら爽やかな笑顔を見せた。少し長い茶色の髪を後ろに雑に纏めてお団子にしている。女っぽい髪型なのに、女には見えないのは何故だろう?
「僕は生のままで食べるのが1番いいけどな。」
リョウは襟足は長いけど、ユウより髪が薄い茶色で短い。それなのに相変わらず女の子に見える。今日も白いTシャツを着ているところを見ると、もう風呂は済んだに違いない。トマトが好きだというリョウは、5個も掬って取り皿に乗せてる。他の野菜は食べないの?
僕もアヒージョをもっと食べたい。取り皿を左手に持って箸を取った瞬間に、その皿が空中に浮かんでいった。
「ほら、食べろ。」
色んな野菜をまんべんなく盛った皿。トモが今しがたまで盛り付けていた皿と交換してくれた。
「あ、ありがとうございます……?」
何故、取り分けてくれたのかが分からない。沢山あるし、みんな自分で取ってるだろ?
「ああっ! いいな、ずるいカズばっかり。」
「ほらほら、妬かない妬かない。俺が取ってやるから。」
左手に皿を持って固まっていると、目の前の2人がコントのようにやりとりをしていた。ユウがリョウの赤い皿にブロッコリーやジャガイモを取ってカラフルにしている。リョウは何故か憮然とした表情だ。
『トモも取ってあげればいいのに。』
隣をチラリと見ると、トモは自分のオムレツにトマトケチャップをかけて食べようとしていた。あれ? 「俺にしとけよ。」って熱烈に告白してたんじゃなかったっけ?
『もしかして……振られた?』
リョウに告白をしていたのは確かだ。でも、この感じは……。トモはすぐに感情を隠すことができそうだから、このトモの無表情の下でも色々と思うところがあるのかもしれない。内心、仲の良さそうな2人を見て泣いてるとか?
「トモさん、美味しいですよ。」
遠慮がちに1個だけ乗せてあったトマトを口に入れてトモを見る。うん、さっきも思ったけれど、このミニトマトも甘い。これで僕のトマト嫌いも克服できそう。思わず笑顔になった。ミニトマトってこんな味だったっけ?
「そのトマト、結構選び抜いてたからね。」
「えっ?」
前からユウの声が聞こえて目を向ける。選び抜いてたって何だろう?
「勤務時間中、1時間以上キーボードの音が鳴らずに、webで熱心に選んで届けてもらった奴だから。」
「ユウ! もういい。」
笑顔で話すユウからトモに目を向けると、耳元が薄っすらと赤くなっていた。
『?』
僕は何が何だか分からずに、何の反応も返すことができなかった。
ユウがジャガイモやブロッコリーを取り皿に取りながら爽やかな笑顔を見せた。少し長い茶色の髪を後ろに雑に纏めてお団子にしている。女っぽい髪型なのに、女には見えないのは何故だろう?
「僕は生のままで食べるのが1番いいけどな。」
リョウは襟足は長いけど、ユウより髪が薄い茶色で短い。それなのに相変わらず女の子に見える。今日も白いTシャツを着ているところを見ると、もう風呂は済んだに違いない。トマトが好きだというリョウは、5個も掬って取り皿に乗せてる。他の野菜は食べないの?
僕もアヒージョをもっと食べたい。取り皿を左手に持って箸を取った瞬間に、その皿が空中に浮かんでいった。
「ほら、食べろ。」
色んな野菜をまんべんなく盛った皿。トモが今しがたまで盛り付けていた皿と交換してくれた。
「あ、ありがとうございます……?」
何故、取り分けてくれたのかが分からない。沢山あるし、みんな自分で取ってるだろ?
「ああっ! いいな、ずるいカズばっかり。」
「ほらほら、妬かない妬かない。俺が取ってやるから。」
左手に皿を持って固まっていると、目の前の2人がコントのようにやりとりをしていた。ユウがリョウの赤い皿にブロッコリーやジャガイモを取ってカラフルにしている。リョウは何故か憮然とした表情だ。
『トモも取ってあげればいいのに。』
隣をチラリと見ると、トモは自分のオムレツにトマトケチャップをかけて食べようとしていた。あれ? 「俺にしとけよ。」って熱烈に告白してたんじゃなかったっけ?
『もしかして……振られた?』
リョウに告白をしていたのは確かだ。でも、この感じは……。トモはすぐに感情を隠すことができそうだから、このトモの無表情の下でも色々と思うところがあるのかもしれない。内心、仲の良さそうな2人を見て泣いてるとか?
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遠慮がちに1個だけ乗せてあったトマトを口に入れてトモを見る。うん、さっきも思ったけれど、このミニトマトも甘い。これで僕のトマト嫌いも克服できそう。思わず笑顔になった。ミニトマトってこんな味だったっけ?
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「えっ?」
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「ユウ! もういい。」
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『?』
僕は何が何だか分からずに、何の反応も返すことができなかった。
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