僕とオオカミどものシェアハウス

もこ

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教育実習三週目

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 昼休みに校舎の犬走りに座ってぼうっと子どもたちを眺める。「昼休みは子どもたちと遊んでやれ。」そう佐々木先生に言われていて、今までは毎日サッカーやおしゃべり、体育館が使える時はバスケなんかにも付き合ってきた。でも月曜日の今日は、何か調子が出ない。中3にもなって鬼ごっこをしている男子たちを目で追いながら、考えに耽っていた。


……………………

 土曜日の夕方に帰ってきたリョウとユウは、今まで通り何も変わらなかった。金曜日の晩に見た光景は夢だったのかと思うぐらい。トモもそうだ。

「この毛布はカズのか? ありがとう。」
 僕がうどんを食べ始めたタイミングで起き上がったトモが、毛布を畳んで返してきた。そして、僕が作ったうどんの下地で自分の分も作り、僕が食べ終わる頃にテーブルの向かいに座った。

「このうどんのつゆ、美味いな。」
 うどんの汁を少しだけ啜ってトモが呟いた。僕の得意料理を褒められて嬉しくなる。これだけは母さん直伝。手軽で美味しい我が家の味だ。

「でしょ? トリガラを少し煮込んで出汁を取るんです。それから麺つゆと醤油で味付け。隠し味もあるんですよ。トリガラは煮込めば煮込むほど美味しくなるんですけど、今日は時間がなかったから、少しだけ。」
 僕の言葉に、うどんをごくんと飲み込んでトモが顔を上げた。

「だから冷凍庫にトリガラが入ってたのか。俺はあまり使ったことはないな。鳥の味を出したい時は手羽元やももをそのまま突っ込む。」
「処分してなくて助かりました。初めて皆さんに会った時、相当焦りました。」

 そう言ってトモに笑顔を向ける。少し前に冷凍のトリガラを大量に買って保存していた。一度使っただけなのに処分された? トモたちが引っ越してきた時、あまりにも家の中が変わっていたから心配したけど、僕が買っていた食材は、保存場所は変わっていても全部取ってあったんだ。

 食後のコーヒーを2人で飲んで、その後トモが食材を買いに行くと出て行った。先週ユウと大量の買い物をした僕は、手伝った方がいいかとは思ったけど、何も言い出せないうちにトモは出かけてしまった。

「はーーっ、腹減ったあ。」
「昼にハンバーガー買って食べただろ。」

 トモが出かけてすぐ、キッチンで洗い物をしている最中にリョウとユウが2人で帰ってきた。2人並んでいるのを見てちょっとだけドキドキしたけど、何とか笑顔を作ることができた。

「お帰りなさい。うどん食べますか?」
 お昼のハンバーガーでは足りなかった様子のリョウが「食べる!」と喰い気味に言い、ユウも頷いたのを見て、2人分のうどんを作って提供した。僕の作ったうどんを美味しいと言って食べる2人を見て、大満足だった。

……………………

『あれから、昨日も普通だったよな。』
 何だかリョウとユウの事をつい意識してしまう自分が馬鹿らしく思えてきて、昨日は自分も普通に戻ったと思う。でも、あの2人は大丈夫なのかな?

「先生っ!」
 急に後ろから誰かがおんぶをしてきて、飛び上がるぐらいに驚いた。いや、飛び上がれなかったけど。


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