84 / 104
オオカミは1人だけ
8
しおりを挟む
「うあっ……。」
「はぁっ、はっ、はっ、はっ……カズ愛してる。」
トモの分身がずるりと出ていき、身体をひっくり返された。僕の髪の毛を後ろに撫で上げて、額から瞼、頬、唇とキスが落ちてくる。僕の頭の中はぼんやりとしていてまともな思考にはなれなかった。意識が遠のく。
「もう離さない、離せない。カズは俺だけのものだ。」
汗で束になった黒い前髪の向こうからトモの熱い眼差しを感じた。そして熱い想い。
『僕もトモが……好き。』
そう感じた言葉を声に出そうとしながら、いつの間にか僕の意識は白い沼の底へと沈んでいった。
「えっ? あ、あれっ? トモ?」
気がつくと僕はダークブラウンの掛け布団にすっぽりと覆われ、そのままトモに抱き上げられるところだった。
「気がついた? 風呂へ行こう。身体を綺麗にする。」
「ぼ、僕歩けます! 歩くから! 降ろして!」
慌てて抗議してもトモの腕は緩むことがなかった。もう一度キスが降りてくる。
「多分歩くのは無理だろう。それにカズの肌はアイツらに見せたくない。」
トモの言葉に顔がカアっと熱くなる。トモの髪はまだ汗で濡れている。僕が意識を飛ばしていた時間はそれ程長くなかったのかもしれない。
「首に腕を回して? そう、それでいい。いくぞ。」
素直に首に腕を回すと、トモが歩き出し部屋のドアを器用に開けた。階段でコケたらどうなるんだろう? そう思うと俄かに怖くなってトモにしがみついたままじっとしているしかなかった。
『こうだろ?』
『あっ、あっ、ああああっ』
どこからか小さく、ユウの声とリョウの喘ぎ声が聞こえてくる。リョウとユウが何をしているのか明らかだ。何だかますます恥ずかしくなって、顔を見られないように布団越しにトモの胸に顔を押し付けた。
「どうした? また欲しくなった?」
「んなっ!?」
耳元で囁かれたトモの言葉に反射的に顔を上げる。トモがニヤッと笑って額にキスをしてきた。
「今日は初めてだから。……また今度な?」
トモの揶揄うような言葉にもう顔を上げることなどできやしない。そんな気がしてまた布団へと顔を埋めた。
布団ごと洗面所に降ろされ、自分ですると抗議しても受け入れられず、お姫様抱っこで浴室に連れて行かれて、文字通り頭の先から爪先までトモに洗い上げられた。
「少しだけ温まってて。」
湯船に入れられて、トモがシャワーの下に立って体を洗うのを見る。初めてしっかりと見るトモの全裸は、僕より数段体格がよく、程よくついた筋肉に覆われていた。そして……。
『アレが僕の中に……。』
明らかに僕より大きい分身が、まだ硬く上を向いている。目を逸らしたくても逸らすことができなかった。さっきの官能的な体験で、僕の分身と挿れられたばかりの後ろが疼くような気がした。
「どうした? ほら、ちょっと俺も入れて?」
前髪をオールバックに撫でつけたトモの顔に釘付けになる。こうやってみると短髪だった小池の面影が色濃く残っている。
「な、な、何でまた……。」
勃たせてるんだよ? という言葉は後ろから湯船に入り込んできたトモに抱きしめられて消えていった。
「勃ってるかって? カズに見られていると思ったらそれは勃つだろ。でも大丈夫。カズの身体が回復するまでは挿れないから。」
「ん……あああん。」
トモの硬い分身が僕の臀部に当たっている。そして、背後からトモの卑猥な手で僕の分身が扱かれ始め、また自分のモノも硬くなっていくのを感じていた。
「はぁっ、はっ、はっ、はっ……カズ愛してる。」
トモの分身がずるりと出ていき、身体をひっくり返された。僕の髪の毛を後ろに撫で上げて、額から瞼、頬、唇とキスが落ちてくる。僕の頭の中はぼんやりとしていてまともな思考にはなれなかった。意識が遠のく。
「もう離さない、離せない。カズは俺だけのものだ。」
汗で束になった黒い前髪の向こうからトモの熱い眼差しを感じた。そして熱い想い。
『僕もトモが……好き。』
そう感じた言葉を声に出そうとしながら、いつの間にか僕の意識は白い沼の底へと沈んでいった。
「えっ? あ、あれっ? トモ?」
気がつくと僕はダークブラウンの掛け布団にすっぽりと覆われ、そのままトモに抱き上げられるところだった。
「気がついた? 風呂へ行こう。身体を綺麗にする。」
「ぼ、僕歩けます! 歩くから! 降ろして!」
慌てて抗議してもトモの腕は緩むことがなかった。もう一度キスが降りてくる。
「多分歩くのは無理だろう。それにカズの肌はアイツらに見せたくない。」
トモの言葉に顔がカアっと熱くなる。トモの髪はまだ汗で濡れている。僕が意識を飛ばしていた時間はそれ程長くなかったのかもしれない。
「首に腕を回して? そう、それでいい。いくぞ。」
素直に首に腕を回すと、トモが歩き出し部屋のドアを器用に開けた。階段でコケたらどうなるんだろう? そう思うと俄かに怖くなってトモにしがみついたままじっとしているしかなかった。
『こうだろ?』
『あっ、あっ、ああああっ』
どこからか小さく、ユウの声とリョウの喘ぎ声が聞こえてくる。リョウとユウが何をしているのか明らかだ。何だかますます恥ずかしくなって、顔を見られないように布団越しにトモの胸に顔を押し付けた。
「どうした? また欲しくなった?」
「んなっ!?」
耳元で囁かれたトモの言葉に反射的に顔を上げる。トモがニヤッと笑って額にキスをしてきた。
「今日は初めてだから。……また今度な?」
トモの揶揄うような言葉にもう顔を上げることなどできやしない。そんな気がしてまた布団へと顔を埋めた。
布団ごと洗面所に降ろされ、自分ですると抗議しても受け入れられず、お姫様抱っこで浴室に連れて行かれて、文字通り頭の先から爪先までトモに洗い上げられた。
「少しだけ温まってて。」
湯船に入れられて、トモがシャワーの下に立って体を洗うのを見る。初めてしっかりと見るトモの全裸は、僕より数段体格がよく、程よくついた筋肉に覆われていた。そして……。
『アレが僕の中に……。』
明らかに僕より大きい分身が、まだ硬く上を向いている。目を逸らしたくても逸らすことができなかった。さっきの官能的な体験で、僕の分身と挿れられたばかりの後ろが疼くような気がした。
「どうした? ほら、ちょっと俺も入れて?」
前髪をオールバックに撫でつけたトモの顔に釘付けになる。こうやってみると短髪だった小池の面影が色濃く残っている。
「な、な、何でまた……。」
勃たせてるんだよ? という言葉は後ろから湯船に入り込んできたトモに抱きしめられて消えていった。
「勃ってるかって? カズに見られていると思ったらそれは勃つだろ。でも大丈夫。カズの身体が回復するまでは挿れないから。」
「ん……あああん。」
トモの硬い分身が僕の臀部に当たっている。そして、背後からトモの卑猥な手で僕の分身が扱かれ始め、また自分のモノも硬くなっていくのを感じていた。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる