僕とオオカミどものシェアハウス

もこ

文字の大きさ
104 / 104
バドミントン(おまけのSS)

5

しおりを挟む
「あああ………ん!」
「カズっ! 愛してる。」

 後ろから熱い体が覆い被さってきて、ギュッと抱きしめられた。トモの熱が内側からも外側からも感じる。僕の、僕だけの……トモ。

「動いてもいい?」
 肩甲骨にキスされて吐息がかかる。トモは強引なくせに変なところで弱気になるんだ。あの「小池基治」だったと感じる瞬間。

「トモ、トモっ、動いて? 知ってるでしょ? 僕のいいと……うあああっ……ん!」

 突然激しくなったトモの動きで頭の中が真っ白になっていく。トモの分身が僕のいい所を掠める度に変な声が漏れ出ちゃう。こんな声知らない。知るはずがなかった、僕の声。

 胸の先端から痺れが広がり、僕の分身もトモの動きに合わせて前後に揺れる。さっき刺激されたばかりの胸の先端……。女の子でもないのに、ここでこんなに感じるなんで知らなかった。

「あっ、んんん、トモ、胸! もっと強くしてっ!」

 バックからは激しい動きで、ガッチリ掴まれた両脇からの指は掠めるように先端を刺激する。もう限界だった。イク……!

「ん……ああああっん……。」

 僕が、布団に白いモノを飛ばしても、トモの律動は止むことがなかった。トモはたぶん2回。僕は数えられなかった。トモの攻めに、初めて僕は意識を手放した。


…………………

「おーーい!」
「わー先生!」
「わー先生、顔出してーー!」

 外から賑やかな声が聞こえる……。ふと目を開けると、トモの右手が僕の額に掛かった前髪を優しくかき上げていた。

「トモ……。どのくらい寝てた?」
「30分ぐらいかな? 時計は見てないけど。カズごめん、止められなかった。」

 気がつけば布団の中でトモの左腕を枕にしていて、トモの体がピッタリと僕に貼りついていた。トモと繋げた後ろには、まだ分身があるような気がする。トモの優しいキスが落ちてきて、唇で受け止める。僕の……男。

「わー先生! 顔出してーー!」

「! リョウ!」
 慌てて唇を離し、窓に目をやりホッとした。遮光カーテンは閉めたまま。でもカーテンの隙間から明かりが漏れてる。……まだ夕方?

「顔を出す?」
 トモが僕の上に乗りかかってきて、肩甲骨のあたりにピリッと痛みが走った。

「う……ん。どうしよう。」
 顔を出したい気持ちもあるけど、この状況。身体もシーツも僕の放ったモノでグシャグシャだ。まずはシャワーを浴びないと。あ、でも顔を出すだけなら服を着れば何とかなる?

「妬ける。」
 トモの唇が喉元に這い上がり、強く吸いつかれた。

「このままの姿でいいなら、顔を出してもいいよ? 俺も後ろから顔出すけど。」

 本当にトモは意地悪だ。僕は観念して耳元で囁いてきたトモの耳に齧り付いた。

「イテッ!」
「行こ。一緒にシャワー浴びよ? そしてご飯食べよ。お腹がペコペコ。」

 トモの顔が顰めっ面になって溜飲が下がる。でも、僕が齧った後をペロリと舐めると、途端に笑顔になった。

「よし、行こう。身体は大丈夫? 俺が先に降りて受け止める。」

 全裸で弾むようにして梯子を降りようとするトモの姿に笑いが込み上げる。たぶんこの後、トモのケアが待っている。いつも僕には何もやらせてくれないんだ。僕も、後に続こうと体を起こした。




ーおわりー

 
しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

2021.08.19 ユーザー名の登録がありません

退会済ユーザのコメントです

2021.08.19 もこ

ありがとうございます💖
今後ともよろしくお願いします😊

解除
花雨
2021.08.11 花雨

お気に入り登録しときますね(^^)

2021.08.19 もこ

ありがとうございます💖
気がつくのが遅くなって、申し訳ありませんでした‼️

解除

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。