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第一章『復讐H。職場の嫌いな女先輩』
第五話「朝立ちがヤバいんです」
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目が覚めると、そこは病院のベッドだった。
「なにこれすごっ……。背が低くて童顔のクセに、こんな凶悪な…………ごくり」
「……人の股間見つめて何してんの?」
毛布を取り払と、大悪魔シトラスが目をキラキラさせて、僕の股間を凝視していた。
相変わらず、白いツインテールに、際どい黒のローブの姿。
僕が目覚めたことに気づくと、すくっと立ち上がり、腕を組んで真顔になる。
「目が覚めたか、宋真。搾りカスの命を繋ぎとめた気分はどうだ」
「さすがにそのキャラ修正は無理があるんじゃ」
「う、うるさい。それより感謝の一つもないのか? 数秒時間をやるから、現実をちゃんと認識しろ。貴様は今、確実に生きてるんだぞ」
ぷいっとそっぽを向かれてしまった。
僕は起き上がろうとして、激痛に顏をしかめる。
左腕と右足は、ミイラのように包帯が巻かれていて動けない。
右腕と左足は特に目立った外傷はないけれど、衰弱したように力が入らない。
つまり、一歩も動けないし、そもそも起き上がれない。
身じろぎ一つ出来ないのがこんなに辛いことだなんて、考えたこともなかった。
でも、感じる。胸の奥で鼓動している、心臓の温かさを。
「生きている……! あれだけ血まみれだったのに」
「運が良かったな。ま、せっかく拾った命、今度は大事にしたまえ」
「……シトラスが助けてくれたってことなんだよね?」
「さて、どうだか。我は宋真と【契約】しただけである」
知らないという風にそっぽを向くが、どこか嬉しそうに見えた。
指摘するとまた怒りそうだから黙ってる。
「ああ、でも」
買い物を忘れていた、とでも言うような雰囲気で振り返る。
「正確に言うと、半分は死んだままだ」
「え」
「このまま何もしなければ、貴様は衰弱してやはり死ぬ」
「ええええええええええええ!」
「死にたがったり生きたがったり、忙しいヤツだな」
「そんな……っ。せっかく助けてもらったのに、僕はまだ何も返せてない……」
「違うな。そんな綺麗な理由じゃない。悪魔に魂を売ってまでシたいことがある、と言ったのは貴様であるぞ」
「そ、それは……、そう、だけど。でも」
「ん?」
「あの時、シトラスが現れなかったら、僕はただ惨めに死んでいたんだ。だから、これもまた理由の一つって言うのは、本当だよ」
「……フ、優しいのだな」
「で、どうすれば今度こそ助かるの? それと【契約】って一体何なの──」
「慌てるな。これから手取り足取り教えてやる」
そう不敵な笑みを浮かべたシトラスは僕の膝に馬乗りになる。
「ちょっ、シトラス──?」
そして先程から痛いぐらいに張りつめていた僕の股間を、優しく擦り始めた。
「なにこれすごっ……。背が低くて童顔のクセに、こんな凶悪な…………ごくり」
「……人の股間見つめて何してんの?」
毛布を取り払と、大悪魔シトラスが目をキラキラさせて、僕の股間を凝視していた。
相変わらず、白いツインテールに、際どい黒のローブの姿。
僕が目覚めたことに気づくと、すくっと立ち上がり、腕を組んで真顔になる。
「目が覚めたか、宋真。搾りカスの命を繋ぎとめた気分はどうだ」
「さすがにそのキャラ修正は無理があるんじゃ」
「う、うるさい。それより感謝の一つもないのか? 数秒時間をやるから、現実をちゃんと認識しろ。貴様は今、確実に生きてるんだぞ」
ぷいっとそっぽを向かれてしまった。
僕は起き上がろうとして、激痛に顏をしかめる。
左腕と右足は、ミイラのように包帯が巻かれていて動けない。
右腕と左足は特に目立った外傷はないけれど、衰弱したように力が入らない。
つまり、一歩も動けないし、そもそも起き上がれない。
身じろぎ一つ出来ないのがこんなに辛いことだなんて、考えたこともなかった。
でも、感じる。胸の奥で鼓動している、心臓の温かさを。
「生きている……! あれだけ血まみれだったのに」
「運が良かったな。ま、せっかく拾った命、今度は大事にしたまえ」
「……シトラスが助けてくれたってことなんだよね?」
「さて、どうだか。我は宋真と【契約】しただけである」
知らないという風にそっぽを向くが、どこか嬉しそうに見えた。
指摘するとまた怒りそうだから黙ってる。
「ああ、でも」
買い物を忘れていた、とでも言うような雰囲気で振り返る。
「正確に言うと、半分は死んだままだ」
「え」
「このまま何もしなければ、貴様は衰弱してやはり死ぬ」
「ええええええええええええ!」
「死にたがったり生きたがったり、忙しいヤツだな」
「そんな……っ。せっかく助けてもらったのに、僕はまだ何も返せてない……」
「違うな。そんな綺麗な理由じゃない。悪魔に魂を売ってまでシたいことがある、と言ったのは貴様であるぞ」
「そ、それは……、そう、だけど。でも」
「ん?」
「あの時、シトラスが現れなかったら、僕はただ惨めに死んでいたんだ。だから、これもまた理由の一つって言うのは、本当だよ」
「……フ、優しいのだな」
「で、どうすれば今度こそ助かるの? それと【契約】って一体何なの──」
「慌てるな。これから手取り足取り教えてやる」
そう不敵な笑みを浮かべたシトラスは僕の膝に馬乗りになる。
「ちょっ、シトラス──?」
そして先程から痛いぐらいに張りつめていた僕の股間を、優しく擦り始めた。
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