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第三章『魅了H。駆出し淫魔は大悪魔に誘惑され、黒い天使は嫉妬する』
第六十話「絶望する快楽」(★)
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「君が誰か、なんて後回しだ。それより、紫織はどこなの?」
突然目の前に現れた、シトラス以外の悪魔。
混乱しながらも、僕は毅然と問いただす。
さっきまで、クマの着け耳をかぶってはしゃいでいた、彼女が、いない。
いや、正確に言うと、目の前で椅子に腰かける悪魔は、紫織だ。
声や喋り方が違うけど、髪型や背丈といった肉体は、紛れもない本人のものだ。
でも、芥紫織ではない。
まさか、この悪魔に乗っ取られているとか?
「心配するな。彼女は今、裏側に引っ込んでもらっている。ぐっすりと眠っているような状態だよ」
「まさか、【契約】?」
「その上位。【同調契約】さ。悪魔が波長の合う人間の意識と結合し、一体となる。本来は人間の魂も残るはずだが、我は少しばかり強力な悪魔でね。意識の器が大きすぎるんだ」
「【同調契約】……? とにかく、無事なんだね?」
「なんだ、そんなに紫織とセックスしたかったのか? 傷つくなぁ。意識は我だが、肉体は紛れもない紫織のモノなのだぞ」
悪魔が胸元を覆う布を、ペロンとめくる。
モデルのような体型に、張り出る美巨乳。
仕事中はスーツに覆われて、決して見ることが叶わない白い膨らみ。桜色の蕾。
ここがラブホテルという場所と、煽情的な女の肉体。
恥ずかしながらも、僕のペニスはむくむくっと上を向いてしまう。
落ち着け、状況を整理するんだ。
僕は紫織に誘われて、人生初のラブホテルにインした。
その時意識が遠くなって、気づいたら縛られていた。
多分、【魅了魔法】が使われたんだ。
隣で女王様スタイルで座っているのは、シトラスが尊敬する大悪魔、シトリー。
紫織と【同調契約】したという。
あれ、でもどうしてここに? シトラスは一度魔界に戻ったのでは。
「さっき、アホ弟子の教育って言ってたよね。それって、シトラスのこと?」
「ああ。前から出来が悪いヤツだよ」
心底かったるいと言った感じで溜息を吐く。
出来が悪い。
他人事ではない、人格を否定する言葉に、僕はムッとする。
「久しぶりに戻ってきたと思いきや『魅了魔法で、処女を捧げる伴侶を見つけた。これで悪魔と認めてほしい』と抜かしてな。教育を間違えたと反省し、重い腰をあげて、ここまで降りてきたワケだ」
「何がおかしいの……? シトラスは、天使なんでしょ。でも、種族は簡単には変えられないから、恩師である君に、悪魔として認められたいって頑張ってた。そんな言い方──」
「甘いんだよ。アホ弟子も、貴様も」
「ぐあっ」
素足で僕のペニスが蹴飛ばされた。
そこそこ強くされたハズなのに、痛みで萎むどころか、我慢汁が飛び散った。
「アホ弟子が悪魔になれないのは、元が天使だからではない。堕天使という言葉は貴様も知っているだろう。そうではない。貴様らが、悪魔をナメているからだ」
気付いたら、足元にシトリーが移動していた。
僕のペニスを細長い手ですりすりと擦っている。
「く、ああっ」
もどかしい。気持ちいいのに、射精に至らないカリ首だけを刺激される。
いや待て。そもそも、今は感じてる場合じゃない。
「魅了魔法は貴様らがママゴトみたいなセックスをする為のものじゃない。人間共を無理矢理発情させて、最終的に『壊す』為にある」
「壊すって……」
「フム、そうだな。この世界の基準で言うなら、媚薬で強制的に発情させ、童貞共に徹底的に輪姦して妊娠させた後、泡風呂に沈める。首絞めや拷問、犬や豚に姦させるのもいいな。最終的には精液で窒息死ってのも面白い。快楽で死ぬなんて、幸福な死に方だと思わないか」
「くっ……。そんな風に壊して、何がしたいんだ」
「それが悪魔の誇りだ。思うまま狂い、破壊する。天使共が掲げる統制をぶち壊す。人間界は、悪魔と天使の戦場だ。種に恥じるような行為を、我は許容しない」
「あ、あああっ」
人間とは完全に価値観がズレた、悪魔の本懐。
僕は理解できないまま、情けない悲鳴をあげる。
シトリーが僕の一物を咥えると、高速でバキュームしたからだ。
倉林さんやミカエリにシてもらったものとは違う。怖いくらいの快感。
「倉林とミカエリ、か。惜しかったなぁ。倉林は元々狂っていたし、ミカエリはただ丸くなっただけ。つまらない。あぁ、つまらない」
じゅぽぽぽっ。じゅるううううっ! ごきゅごきゅううっ!
「あ、かはぁっ」
心を見透かしているかのように、シトリーが嘆く。
いや、見透かしたのではない。心を、読んでるのだ。
「快感で狂い、壊れるとはどういうことか、自身の身体で味わってもらおうか」
にゅるりと触手が伸び、僕の乳首に噛みついた。
「んはああっ、あっ……?」
乳輪が媚薬で浸され、小さな乳首が吸引される。
じわっとした、ペニスをしごくのとは違う未知の快感。
しかし、そこは紛れもない性感帯。
僕の身体に、休む間もなくに白い電流のような波が駆け巡る。
「まだまだ。とっておきの絶望を見せてやろう」
そう言って、シトリーが指を鳴らす。
瞬間、天井付近空間が歪み、新たな人影が現れた。
「うぅ……。もうやめて、ください。恩師様」
「し、シトラス!?」
僕と同じように触手で両手両足を縛られたシトラスの姿。
涙ぐんだ表情で僕を見下ろしていた。
「貴様と夢の園でデート中、ずっと後をつけてたからな。望み通り鑑賞させてやる。まったく、バレてないと思ったのか。だからアホ弟子なんだ」
シトリーは舌打ちすると、再び高速ストロークを開始する。
僕とシトラスの悲鳴が、ホテルの密室で協奏した。
突然目の前に現れた、シトラス以外の悪魔。
混乱しながらも、僕は毅然と問いただす。
さっきまで、クマの着け耳をかぶってはしゃいでいた、彼女が、いない。
いや、正確に言うと、目の前で椅子に腰かける悪魔は、紫織だ。
声や喋り方が違うけど、髪型や背丈といった肉体は、紛れもない本人のものだ。
でも、芥紫織ではない。
まさか、この悪魔に乗っ取られているとか?
「心配するな。彼女は今、裏側に引っ込んでもらっている。ぐっすりと眠っているような状態だよ」
「まさか、【契約】?」
「その上位。【同調契約】さ。悪魔が波長の合う人間の意識と結合し、一体となる。本来は人間の魂も残るはずだが、我は少しばかり強力な悪魔でね。意識の器が大きすぎるんだ」
「【同調契約】……? とにかく、無事なんだね?」
「なんだ、そんなに紫織とセックスしたかったのか? 傷つくなぁ。意識は我だが、肉体は紛れもない紫織のモノなのだぞ」
悪魔が胸元を覆う布を、ペロンとめくる。
モデルのような体型に、張り出る美巨乳。
仕事中はスーツに覆われて、決して見ることが叶わない白い膨らみ。桜色の蕾。
ここがラブホテルという場所と、煽情的な女の肉体。
恥ずかしながらも、僕のペニスはむくむくっと上を向いてしまう。
落ち着け、状況を整理するんだ。
僕は紫織に誘われて、人生初のラブホテルにインした。
その時意識が遠くなって、気づいたら縛られていた。
多分、【魅了魔法】が使われたんだ。
隣で女王様スタイルで座っているのは、シトラスが尊敬する大悪魔、シトリー。
紫織と【同調契約】したという。
あれ、でもどうしてここに? シトラスは一度魔界に戻ったのでは。
「さっき、アホ弟子の教育って言ってたよね。それって、シトラスのこと?」
「ああ。前から出来が悪いヤツだよ」
心底かったるいと言った感じで溜息を吐く。
出来が悪い。
他人事ではない、人格を否定する言葉に、僕はムッとする。
「久しぶりに戻ってきたと思いきや『魅了魔法で、処女を捧げる伴侶を見つけた。これで悪魔と認めてほしい』と抜かしてな。教育を間違えたと反省し、重い腰をあげて、ここまで降りてきたワケだ」
「何がおかしいの……? シトラスは、天使なんでしょ。でも、種族は簡単には変えられないから、恩師である君に、悪魔として認められたいって頑張ってた。そんな言い方──」
「甘いんだよ。アホ弟子も、貴様も」
「ぐあっ」
素足で僕のペニスが蹴飛ばされた。
そこそこ強くされたハズなのに、痛みで萎むどころか、我慢汁が飛び散った。
「アホ弟子が悪魔になれないのは、元が天使だからではない。堕天使という言葉は貴様も知っているだろう。そうではない。貴様らが、悪魔をナメているからだ」
気付いたら、足元にシトリーが移動していた。
僕のペニスを細長い手ですりすりと擦っている。
「く、ああっ」
もどかしい。気持ちいいのに、射精に至らないカリ首だけを刺激される。
いや待て。そもそも、今は感じてる場合じゃない。
「魅了魔法は貴様らがママゴトみたいなセックスをする為のものじゃない。人間共を無理矢理発情させて、最終的に『壊す』為にある」
「壊すって……」
「フム、そうだな。この世界の基準で言うなら、媚薬で強制的に発情させ、童貞共に徹底的に輪姦して妊娠させた後、泡風呂に沈める。首絞めや拷問、犬や豚に姦させるのもいいな。最終的には精液で窒息死ってのも面白い。快楽で死ぬなんて、幸福な死に方だと思わないか」
「くっ……。そんな風に壊して、何がしたいんだ」
「それが悪魔の誇りだ。思うまま狂い、破壊する。天使共が掲げる統制をぶち壊す。人間界は、悪魔と天使の戦場だ。種に恥じるような行為を、我は許容しない」
「あ、あああっ」
人間とは完全に価値観がズレた、悪魔の本懐。
僕は理解できないまま、情けない悲鳴をあげる。
シトリーが僕の一物を咥えると、高速でバキュームしたからだ。
倉林さんやミカエリにシてもらったものとは違う。怖いくらいの快感。
「倉林とミカエリ、か。惜しかったなぁ。倉林は元々狂っていたし、ミカエリはただ丸くなっただけ。つまらない。あぁ、つまらない」
じゅぽぽぽっ。じゅるううううっ! ごきゅごきゅううっ!
「あ、かはぁっ」
心を見透かしているかのように、シトリーが嘆く。
いや、見透かしたのではない。心を、読んでるのだ。
「快感で狂い、壊れるとはどういうことか、自身の身体で味わってもらおうか」
にゅるりと触手が伸び、僕の乳首に噛みついた。
「んはああっ、あっ……?」
乳輪が媚薬で浸され、小さな乳首が吸引される。
じわっとした、ペニスをしごくのとは違う未知の快感。
しかし、そこは紛れもない性感帯。
僕の身体に、休む間もなくに白い電流のような波が駆け巡る。
「まだまだ。とっておきの絶望を見せてやろう」
そう言って、シトリーが指を鳴らす。
瞬間、天井付近空間が歪み、新たな人影が現れた。
「うぅ……。もうやめて、ください。恩師様」
「し、シトラス!?」
僕と同じように触手で両手両足を縛られたシトラスの姿。
涙ぐんだ表情で僕を見下ろしていた。
「貴様と夢の園でデート中、ずっと後をつけてたからな。望み通り鑑賞させてやる。まったく、バレてないと思ったのか。だからアホ弟子なんだ」
シトリーは舌打ちすると、再び高速ストロークを開始する。
僕とシトラスの悲鳴が、ホテルの密室で協奏した。
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