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第一章『性なる力に目覚めた勇者!?』

第17話 私のせいで興奮してるの? ★

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 がむしゃらに胸元を開き、パジャマをたくし上げておへそが見える位置で縛る。
 自らの手で叩き落とした銅扇を拾い上げると、起き上がる動作に繋げてステップを踏んだ。

「【魅惑の舞】!」

 滑らかに身体を揺らし、誘うように魔力を込めた色香を放つ。
 
 豊満な身体と煽情的な仕草で異性を惹きつける踊りのスキル。
 もっとも、ヒミカは高位の踊り子ではない。
 で来るミルキィフラワーの客ならともかく、日々鍛錬を積み肉体と精神を磨き上げている騎士相手に通用するとは思えなかった。

(けど、今はとにかく踊るしかない)

 踵を踏みしめ、跳躍した時にふと気づく。

(身体が、軽い?)

 少し跳ねる程度のつもりだったが、騎士の頭を越える程高く空を舞っていた。
 まるで背中に翼が生えたかのように軽やかに旋回してから、ふわりと地面に着地する。

「おお。これは見事ですね」

 目の前の騎士が兜の下で感嘆の息を漏らす。

(もしかして、これが勇者の力なの?)

 確かめるように、今度は右足のつま先で身体を支えてくるくるとその場で回転してみる。
 ひらひらと服がはためき、身体が風車になったようにいくらでも回転できた。
 疲れたり、気持ち悪くなったりもしない。
 
 今度は拍手を送られる。

(すごい。最初はあまり興味無さそうにしてた騎士が、私に釘付けになってる。楽しい!)
 
 ヒミカはいい気になって、開いた胸の谷間や丸いお尻をわざと見せつけ、右へ左へ視線を誘う。
 街灯に誘われる虫のように、騎士の視線が吸い寄せられていく。

(あの騎士、なのかしら。平静を装うとしているけど、バレバレね)

 踊りはさらにヒートアップする。
 全身から魔力が迸り、四肢を循環する。
 扇で空を仰ぐのに合わせて魔力が桃色の波動となって拡散し、みるみると大柄な騎士を包み込んでいく。

「お、おおっ。おおおっ!?」

 何が何やら分からないまま、騎士は思わずよろけて転んでしまった。

「大丈夫ですかっ」

(しまった。調子に乗り過ぎたかも)
 
 踊りを中断して起き上がろうとする騎士に手を差し出す。
 騎士はしばらくの間動かなかった。
 ただ転んだだけに見えたが、当たりどころが悪かったのだろうか。

「どこか痛みますか?」

 俯くままの顔を覗き込もうとした瞬間、ヒミカは腕を強く引っ張られたかと思うと、床に押し倒された。
 何が起きたのか分からないが、すぐさま騎士の様子がおかしいことに気づく。

「ぉ、おおっ。おおオオオッ」

 獣のような唸り声。過呼吸じみた荒い息が兜の隙間から漏れ出る。

「あの、騎士様?」

 呼びかけに反応がない。心ここに在らずという感じだ。

「ぅぅうウウウああァアアッ!」

 再び吠えた騎士はスカートに手をかけ、荒々しく引裂いた。

「きゃああああっ!」

 下着が露になる羞恥心と、豹変した騎士への恐怖心にヒミカはパニックに陥る。

(この感じ、トーマさんの時みたい……!)

 ミルキィフラワーでトーマに突然抱きしめられ、性器を擦りつけられたことを思い出して変に意識してしまう。

「もしかして、私のせい?」

 今となっては原因に明確な心当たりがある。
 トーマも目の前の騎士も、ヒミカの踊りを見てから様子がおかしくなったのだ。

(魅惑の舞の誘惑効果が冗談では済まないくらいに強化されてる。やっぱり私が勇者に目覚めたから……?)

「嫌。やめてくださいっ」

 強引に太ももを割られ、膝を下着にぐりぐりと押し付けられる。
 鍛え上げられた騎士の膂力は並大抵ではなく、ヒミカの抵抗など意味を為さない。

「あんっ!」
 
 鎧の突起が布越しに陰核を抉り、黄色い声が漏れてしまう。

(嘘、濡れてる。乱暴にされてるのに。怖いのに、嫌なのに……私、期待しちゃってるの?)

 ぽたぽたと、水滴がヒミカの頬に垂れる。
 涎だ。あの真面目そうな騎士が涎を垂らしてヒミカを視姦しているのだ。

「……違う。誰か、助け」

 窮地の悲鳴にすら興奮するかのように、騎士は狂気に笑うとブラジャーをパジャマごと剥ぎ取った。
 ぶるんとした豊乳が汗ばんだ甘い匂いをまき散らしてまろびでる。それは砂漠に実った瑞々しい果実の如く、飢えた獣を惑わせる。

「ふぅうウウぁアアアううぅウ!」

 ぎゅむっと音がするかのように柔肌に指がめり込み、収穫とばかりに鷲掴みにされる。

「んあああああっ」

 痛みはない。それどころか、感じている。
 
 揉み心地を堪能した騎士は本能のまま鎧を脱ぎ始める。
 ストライプの下着が露になり、中心は大きく膨らんでいた。
 もどかしいとばかりに自ら引裂き、ぶるんっ! と勢いよく怒張したペニスが涎を垂らしながら牙を剥く。

(嘘、なにあれ……? 大きすぎる)
 
 男性器と言うには、子供の腕程の太さがあった。
 真面目で勤勉な騎士の姿とは対照的な、性的な欲望をどす黒く煮詰めたかのように。
 
 怖いはずなのに。
 頭では嫌だと思っているのに。
 どこか期待している自分がいる。

(怖い。恥ずかしい。でも……目を逸らせない。私、どうしてこんなにおちん×んが気になってるの?)
 
 騎士がぐぐっと腰を沈めて照準を定める。
 ショーツが紙屑のように破り捨てられた。
 下着が栓をしていたのか、どろりと愛液零れだす。
 
 生物的には、雄を受け入れる準備が出来ている。しかし、あのような怪物じみたものはそれ以前の問題だ。

「嘘、やっぱり無理。あんなの絶対入らない!」

 裂ける。処女膜どころか、膣ごと。
 ヒミカは迫る恐怖にきつく目を閉じた。
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