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前世の世界
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目が覚めると冷たい床の上、見慣れた鉄格子が目に入る。
「まだ生きてるのか…」
もうここに来て何日が経ったのだろう。ものすごく長かった気もするし、ほんの少ししか経っていない気もする。
僕ジョシュアは妹のアリスティアが聖女イザベラを毒殺しようとした罪で一緒に投獄された。正確には、アリスティアの断罪に一役買った義弟のテオドア以外の全員が投獄されている。
もう死刑で決まりだろうに、何に時間がかかってここに居続けているのだろう。
「もう疲れたな…」
僕は特段生きたいとも死にたくないとも思わず、そんなことを考えていた。むしろ、やっとこの意味のない人生が終わるのかという安心感さえある。
僕はウッドセン侯爵家に生まれた長男だった。白に近い銀髪にグレーの瞳で生まれたばかりの僕をみて両親は不気味がった。
本来この国の人は自分の魔力の属性によって髪や瞳に色が出る。だが僕はまるで幽霊のように白く、慌てた両親が鑑定させたところ案の定属性を持っていなかった。
属性がなければ魔法は使えない。魔法が使えない貴族は役に立たない。だから、僕は生まれてすぐ役立たずの烙印を押された。
面倒を見てくれるのは乳母だけで、それも必要最低限だった。
両親は僕のせいで社交界で馬鹿にされたらしく、「お前なんか産まなければよかった。」「早く視界から消えろ。」と顔を合わせる度に言ってきた。
僕は幼心に両親が自分を心底嫌っていることを理解した。ほとんど面倒も見てくれたことのない他人にも近い両親だったけれど、それでも深く傷ついたのを覚えている。
そんな中で2歳年下のアリスティアが生まれた。僕は、まだ自分が両親に嫌われる理由をよく理解していなくて、アリスティアが仲間になってくれるんじゃないかと少し期待して生まれたばかりの彼女に会いに行った。
彼女は黒い髪に目の覚めるような赤い瞳を持っていた。隣の部屋で、鑑定士と両親の話し声が聞こえてくる。
「おめでとうございます。お嬢様は火属性と闇属性をお持ちです。」
「よかった、今度はちゃんと属性に持ちだったか。」
「でも闇属性って…」
「そうだな。だが火属性もある。そちらがメインだと言うことにすれば良いだろう。」
「はぁ、なぜ我が家には良い属性を持つ子が生まれないのかしら。」
「本当にな…ジョシュアは全く使えんし、こうなったら他所から養子をもらった方が良いかもしれん。」
「そうね…もう子供を産むのも大変だわ。優秀な養子を探しましょう。」
僕はまだ2歳だったけれど、その言葉の中に自分への失望が多く含まれていることを感じ取った。そしてこの子は自分よりマシなのだと言うことも。
僕は、この子が自分と同じような扱いにはならないとわかって嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになった。そして、せめて両親と顔を合わせないように、これ以上傷つく言葉を投げかけられないようにと部屋へ戻り、閉じこもるようになった。
そうして屋敷の者でさえほとんど姿を見ることがなくなった僕は、いつしかウッドセン家のゴーストと呼ばれるようになった。
「まだ生きてるのか…」
もうここに来て何日が経ったのだろう。ものすごく長かった気もするし、ほんの少ししか経っていない気もする。
僕ジョシュアは妹のアリスティアが聖女イザベラを毒殺しようとした罪で一緒に投獄された。正確には、アリスティアの断罪に一役買った義弟のテオドア以外の全員が投獄されている。
もう死刑で決まりだろうに、何に時間がかかってここに居続けているのだろう。
「もう疲れたな…」
僕は特段生きたいとも死にたくないとも思わず、そんなことを考えていた。むしろ、やっとこの意味のない人生が終わるのかという安心感さえある。
僕はウッドセン侯爵家に生まれた長男だった。白に近い銀髪にグレーの瞳で生まれたばかりの僕をみて両親は不気味がった。
本来この国の人は自分の魔力の属性によって髪や瞳に色が出る。だが僕はまるで幽霊のように白く、慌てた両親が鑑定させたところ案の定属性を持っていなかった。
属性がなければ魔法は使えない。魔法が使えない貴族は役に立たない。だから、僕は生まれてすぐ役立たずの烙印を押された。
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僕は幼心に両親が自分を心底嫌っていることを理解した。ほとんど面倒も見てくれたことのない他人にも近い両親だったけれど、それでも深く傷ついたのを覚えている。
そんな中で2歳年下のアリスティアが生まれた。僕は、まだ自分が両親に嫌われる理由をよく理解していなくて、アリスティアが仲間になってくれるんじゃないかと少し期待して生まれたばかりの彼女に会いに行った。
彼女は黒い髪に目の覚めるような赤い瞳を持っていた。隣の部屋で、鑑定士と両親の話し声が聞こえてくる。
「おめでとうございます。お嬢様は火属性と闇属性をお持ちです。」
「よかった、今度はちゃんと属性に持ちだったか。」
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「そうだな。だが火属性もある。そちらがメインだと言うことにすれば良いだろう。」
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「本当にな…ジョシュアは全く使えんし、こうなったら他所から養子をもらった方が良いかもしれん。」
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僕は、この子が自分と同じような扱いにはならないとわかって嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになった。そして、せめて両親と顔を合わせないように、これ以上傷つく言葉を投げかけられないようにと部屋へ戻り、閉じこもるようになった。
そうして屋敷の者でさえほとんど姿を見ることがなくなった僕は、いつしかウッドセン家のゴーストと呼ばれるようになった。
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