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ディニス編
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時間を戻す魔法を使っている中、ウェスと出会った頃を思い出す。
彼を見つけたのは20年前、戦火に焼かれた街を視察しに行った時だ。この時、同行していたのはソロンだったか。
地面に横たわっていた小さな悪魔は、生まれてすぐ戦火に巻き込まれたようだった。
放っておけば死んでしまうその命を哀れに思い、せめて自分で羽ばたけるようになるまではと思って魔王城へ連れ帰ったのが始まりだった。
掌に乗るほど小さいそれは、語りかけるたびに頭を擦り付けてきて非常に可愛らしかった。
ウェスと名付けてからはますます愛着が湧いた。
ただ公務をこなす日々にウェスの世話が加わり、急に世界が色づいた。
ウェスが喜ぶもの、ウェスの好きなもの、それらを考えているだけで幸せな気持ちになる。不思議な感覚だった。
そして、この子と話ができれば良いのにと願うようになって数年、奇跡が起きた。
「でぃ、に、す、さま?」
ウェスが言葉を喋ったのだ。
「そうだ!ウェス、お前喋れるようになったのか?」
すると、ウェスはそうだと言わんばかりに頭を擦り付けてくる。
「ウェスは凄いな。よく頑張った」
私は純粋にその成長を喜んだ。彼と意思疎通が出来るようになったことが嬉しかった。
ーーそれから更に数年後。
ウェスはなんと半分だが人形に成長してみせた。
下級悪魔など、せいぜい動物に毛が生えた程度のものが多いのに、ウェスはどこか私に似た容姿で手足以外を人の形で保てるようになったのだ。
私の期待に応えようと必死になる姿はいじらしくて、私は成長したウェスのことを大変愛した。
だが、その頃から彼のことをよく思わない高位魔族たちが現れた。
「下級悪魔のくせにディニス様の姿を真似るなど」
「そもそも魔王城にいるのもふさわしくないと言うのに」
「まあまあ、あれはディニス様のペットではないですか。大目に見てあげましょうよ」
そのどれもがウェスを馬鹿にするもので、私は腹が立つと同時に心を痛めた。
あの言葉をウェス本人が聞いたら…
そんな時、ウェスが駆け寄ってきた。
「ディニス様!」
「どうしたウェス」
私は愛おしい子を抱き上げて目線を合わせた。
ええっと…と首を傾げた彼は特に何も考えずに私に話しかけたらしい。必死に用事を探す姿さえ愛おしかった。
そして思い出したように顔を輝かせた彼は、今日授業出なかったという話を私に聞かせてくれる。
「そうか。ウェスは一生懸命学んでいるな」
そう褒めてやると「えへへ。それで…ディニス様は俺のお母さまですか?」と尋ねてきた。
その質問に側近たちは固まった。
そして、私も別の意味で何を言われたのか分からず固まってしまった。
「ふ、あはははは!!それはどうだろうな」
だが、彼の言葉がじわじわと心に染み込んで気づけば笑い出していた。
「ウェスはどっちがいい?私に母になってほしいか?」
キョトンとしているウェスは状況を理解していないようだが、私の問いに嬉しそうに頷いた。
「俺は…ディニス様がお母様というものだったら凄く嬉しいです」
「そうか。なら私はウェスの母になろう」
この子が望むのなら何にだってなってやる。そう思った。
「ディニス様!!たかが下級悪魔を息子となどと言ってはなりません!」
側近どもが慌てたように止めに入るが、私は意に介さなかった。だが、彼らの言葉がウェスへの罵りの言葉に変わってきたので、ウェスに聞かせないよう彼を部屋に戻した。
彼を見つけたのは20年前、戦火に焼かれた街を視察しに行った時だ。この時、同行していたのはソロンだったか。
地面に横たわっていた小さな悪魔は、生まれてすぐ戦火に巻き込まれたようだった。
放っておけば死んでしまうその命を哀れに思い、せめて自分で羽ばたけるようになるまではと思って魔王城へ連れ帰ったのが始まりだった。
掌に乗るほど小さいそれは、語りかけるたびに頭を擦り付けてきて非常に可愛らしかった。
ウェスと名付けてからはますます愛着が湧いた。
ただ公務をこなす日々にウェスの世話が加わり、急に世界が色づいた。
ウェスが喜ぶもの、ウェスの好きなもの、それらを考えているだけで幸せな気持ちになる。不思議な感覚だった。
そして、この子と話ができれば良いのにと願うようになって数年、奇跡が起きた。
「でぃ、に、す、さま?」
ウェスが言葉を喋ったのだ。
「そうだ!ウェス、お前喋れるようになったのか?」
すると、ウェスはそうだと言わんばかりに頭を擦り付けてくる。
「ウェスは凄いな。よく頑張った」
私は純粋にその成長を喜んだ。彼と意思疎通が出来るようになったことが嬉しかった。
ーーそれから更に数年後。
ウェスはなんと半分だが人形に成長してみせた。
下級悪魔など、せいぜい動物に毛が生えた程度のものが多いのに、ウェスはどこか私に似た容姿で手足以外を人の形で保てるようになったのだ。
私の期待に応えようと必死になる姿はいじらしくて、私は成長したウェスのことを大変愛した。
だが、その頃から彼のことをよく思わない高位魔族たちが現れた。
「下級悪魔のくせにディニス様の姿を真似るなど」
「そもそも魔王城にいるのもふさわしくないと言うのに」
「まあまあ、あれはディニス様のペットではないですか。大目に見てあげましょうよ」
そのどれもがウェスを馬鹿にするもので、私は腹が立つと同時に心を痛めた。
あの言葉をウェス本人が聞いたら…
そんな時、ウェスが駆け寄ってきた。
「ディニス様!」
「どうしたウェス」
私は愛おしい子を抱き上げて目線を合わせた。
ええっと…と首を傾げた彼は特に何も考えずに私に話しかけたらしい。必死に用事を探す姿さえ愛おしかった。
そして思い出したように顔を輝かせた彼は、今日授業出なかったという話を私に聞かせてくれる。
「そうか。ウェスは一生懸命学んでいるな」
そう褒めてやると「えへへ。それで…ディニス様は俺のお母さまですか?」と尋ねてきた。
その質問に側近たちは固まった。
そして、私も別の意味で何を言われたのか分からず固まってしまった。
「ふ、あはははは!!それはどうだろうな」
だが、彼の言葉がじわじわと心に染み込んで気づけば笑い出していた。
「ウェスはどっちがいい?私に母になってほしいか?」
キョトンとしているウェスは状況を理解していないようだが、私の問いに嬉しそうに頷いた。
「俺は…ディニス様がお母様というものだったら凄く嬉しいです」
「そうか。なら私はウェスの母になろう」
この子が望むのなら何にだってなってやる。そう思った。
「ディニス様!!たかが下級悪魔を息子となどと言ってはなりません!」
側近どもが慌てたように止めに入るが、私は意に介さなかった。だが、彼らの言葉がウェスへの罵りの言葉に変わってきたので、ウェスに聞かせないよう彼を部屋に戻した。
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