君が届かなくなる前に。

谷山佳与

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第4章 愛は光に眠る宝石のよう

はだしで駆け出せ3。

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溢れ出した淡い光は、次第に大きくなりレティと眠っている闇の精霊王を包み込む。
その光は優しい風をおこしつつ、ふわりふわりとレティーシアの髪をそよがせた。

握っていた手が微かに動いたことを感じて、レティは顔を見上げる。
よく見れば、眉間にシワがより、瞼が動いた。

「フォンセ?」

スヴィエートが、そろりと近寄ると閉じていた瞼がゆっくりと開かれた。
漆黒の瞳はまっすぐにレティを捉えると、その目尻を下げ、髪を撫でた。

「・・・・シル・・。お前は相変わらず泣き虫だね。」

目尻の涙を拭われながらそう言われて初めて、自身が泣いている事に気がついた。

「フォンセ!!」

サイドからスヴィエートが抱きしめる。

「スヴィエートも、私の周りに居るお姫様達は泣き虫で困るじゃないか。」

クスクス笑いながら、スヴィエートを抱きしめる。
それを見ていたレティは、すくっと立ち上がるとくるっと後ろを振り返り、一直線にラズ様に抱きついった。

「レティ?どうしたんだい?」
「ふふ、なんでもまりません。とても今身体が軽くて、とても気分がいいんです。」

スヴィエート様がある程度泣き止むまで、宥めていたフォンセ様は私とラズ様、そして陛下の存在に気がつき、長年座っていた椅子から立ち上がり陛下の前までやってくると、にっこりと笑を浮かべた。

「お初にお目にかかります。闇の精霊王”フォンセ”と、申します。貴方が、現、国王ですね。」
「はい。フレイアス王国第10代目国王、ヘンリー・ウィル・ヴィ・ソーレ・フレイアスと、申します。息子の、ラザルートです。」
「よろしく。それと、シルだけど、シルじゃないお姫様のお名前は?」
「チェム・・・フォンセ様、私の名はレティーシア・フォン・エレノアールですわ。」
「チェムノター兄様でもいいのに。」
「レティーシアが昔の名で呼ぶから驚いちゃったわ。」
「そうそう。魂に刻まれているってそういう事だよね。」

くすくすと笑い合う精霊王達に、そうもいきませんわとレティーシアはチェムノター兄様呼びを拒否した。

「では、レティーシア。スヴィエートと契約をしているお姫様。私とも契約をしてくれる?」
「もちろんですわ。」

フォンセが差し出した手のひらには、つややかな黒いバラが現れた。

「我が名は、闇の精霊王”フォンセ”。
我は望む。
プロフィティア王家の血を引き、我妹であり女神の娘”レティーシア”との縁を。」
「私は承諾し、契約を望む。
私の名はレティーシア・フォン・エレノアール。
プロフィティア王家最後の王、エレノアールの血を引く者。
精霊王”チェムノター”の妹で女神フレイアの娘。この命尽きるまで傍にあらんことを。」

光の精霊王の紋章と対になる様に同じ手の甲に同じ紋章が刻まれる。

「妹と契約するって変な感じがするけれど、これからよろしくな」

くしゃりと頭を撫でられると、傍で見守っていた国王が口を開いた。

「フォンセ殿、レティーシア嬢が妹というのは、どういう事でしょうか?」
「レティーシアの魂は私の妹のシルで、私達は同じ親から生まれた子供だからな。俺たちの親は、初代国王夫妻になる。スヴィエートは、俺が幼い頃に自然から生まれた精霊王だから、兄弟関係はない。つまりは俺の子孫が現在の王家って事。」

と、爆弾発言に陛下とラズ様が固まってしまったのは仕方がないことだと思う。
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