君が届かなくなる前に。

谷山佳与

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終わりのない愛の形。

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フレイアス王国王宮内の地下礼拝堂で眠っていた、闇の精霊王”フォンセ”。
前世の名は、チェムノター・ウィル・ヴィ・ソーレ・フレイアス。
フレイアス王国二代目国王であり、女神フレイアの息子である。半神である彼は、人としての生を終えたあと、神として天界へ戻ってしまった両親の代わりにフレイアス王国を陰ながら守護する事としたらしい。
その辺、王家の歴史にも記されていない。

「何を調べているんだ?」
「昨夜衝撃的事実を突きつけられて、名前探し。これで、夢の理由が解明されれば嬉しいわ。」

王城の図書館で歴代王家の家系図を大きく机に広げ、レティーシアは昨夜聞いた話と、自身の前世が分かるであろう、人物の名前を探したら、ラズ様のお使いで私を呼びに来たライが姿を現した。
フォンセが示したのは、初代国王の一人娘で二代目国王の妹。
シュテルンヒェン・ウィル・ヴィ・プリンセス・フォン・マルグリット。
マルグリット候爵家へ降嫁した、王女の名前だ。
なので、愛称が”シル”らしい。
前世の私の旦那様は・・・・・・。
急に黙り込んだ私を覗き込むようにライが声をかける。

「レティ?」
「あ、うん。大丈夫よ。それよりも、ライの用事はなに?」
「兄貴が、レティを連れ戻してこいって言ってたから呼びにきただけ。」
「ありがとう。ライも戻るんでしょう?」
「そうだな。その本、持ち出しできないのか?」
「大丈夫よ。もう、覚えたから。」
「相変わらずだな。その記憶力。」
「ふふ、絶好調よ。」

分厚い、歴代王族の家系図を記した大きめの本を閉じると、元あった場所へ戻し、ライと共に図書館を出たあと、たどり着いたのは王太子宮の執務室。
室内には、ラズ様と、レオ兄様が待っていた。と言いたげな表情をした。

「お待たせいたしました。ラズ様、ご要件は?」

執務机の前に立つと、連れ戻された理由を問う。

「今日の仕事が終わったら2人揃って執務室へ来るようにと言われていてね。恐らく昨日の事だとは思うのだけれど、私の直感的にはそれ以外にもありそうな気がするよ。」
「2人揃ってお呼び出しって今までなかなか無かったですものね。」
「俺、母上に呼ばれてるから。じゃあな、レティ。」

隣にいたライが、ん?とした表情を一瞬し、くしゃりと頭を撫でると部屋を出ていった。
きっと王妃さまから念話が来たのだろう。
一人納得をしつつ、レオ兄様を見ればいそいそと帰り支度をしていた。
ラズ様も席を立つと上着を羽織ると、そのまま流れるようにエスコートをされ、三人揃って執務室を退出した。
長い廊下を2人で寄り添いながら歩いて、陛下の執務室へと向かっていると、皆立ち止まり深くお辞儀をしながら、「おめでとうございます。」と祝福を告げていく。
首を捻りながら、大きな扉の執務室までたどり着けば、扉の前に立っていた護衛の騎士が扉を開けてっくる得た。

室内には、お父様と、陛下が2人だけだった。

「お待たせいたしました。」
「二人とも、待っていた。実はな、婚儀前ではあるがレティーシア嬢には王城に越して来てもらい王太子の正妃として王太子宮の王太子の隣の部屋に住んでもらうことになった。」
「理由をお伺いしても宜しいでしょうか?」
「理由は、昨日光と闇の精霊王が再会を果たし、二人の契約者がレティーシア嬢となった事だな。
光と闇の精霊王は精霊達にとって最上位の王だ。これが他国に漏れれば非常に、めんどくさいことになる。」
「めんどくさいで片付けないでくれないか?私の娘が不安がるではないか。」
「いや、しかしリカルド、ただ婚約しているだけであれば、他国の王族からの求婚や、精霊王達の隣国流出いや怒りか、それに誘拐、女神の怒りなど色々考えられるが。」

両父親達の会話を聴きながら、何となく事情は察した。
つまり、私は絶対にラズ様と結婚を、今すぐにでもしてしまった方が良いらしいが、何分国内外共に婚姻は一年後と発表している為、婚姻日を変えることは出来ないけれど、婚約者だが王太子妃として王城に住み始め、王城で保護をする。
といった事だろう。
そして、それは既に王城に勤めている人たちには伝達されているのだろう。
で、あればここまで来るまでに何ども聞かされた”祝福”に納得がいく。

「分かりました。今更ラズ様以外の方と結婚するように言われても納得できませんし、ラズ様以外と婚姻となれば、さすがに私もショックです。何より、フレイア様も、フォンセ様もお怒りになりそうですし。」

にっこり微笑めば、父親たちの言い合いは終了した。
それからの展開は早かった。
この、お呼び出しの間に王妃様に呼び出されていたライは、アル兄様とマリーと一緒に私の実家に行き概要だけ記した王妃様からの手紙を母様に渡すと必要最低限の荷物をまずは王城へ運び入れた。
他の荷物については、正式な輿入れの時に考えればいいと言うことだろう。
仕事の速さに脱帽しつつも、ラズ様の隣の部屋、私が泊まっていた部屋は王太子妃の部屋として改装される事なり、工事は急ピッチで進められることとなった。
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