君がずっと好きでした。〜君が届かなくなる前に。〜

谷山佳与

文字の大きさ
25 / 31
本編 東の妖精姫

過去も未来も護るから 2。 〜ライラックsaid〜

しおりを挟む
国王の私室は、王族居住区の最奥にある。
その手前に、俺とレティと兄上の部屋があるのだが、それよりも更に奥へと進むこととなる。
もしかしたら母上も一緒かもしれないと思ったのだが、あの母上のことだ。
きっとレティの母君と一緒におしゃべりしているに違いないと思った。
安易にい想像しできてしまった事で、普通に部屋をノックする。

「父上、夜分遅くにすみません。ライラックです。入っても宜しいでしょうか?」

声を掛ければ、すぐに返事がありドアを開けてくれた。
室内に入れば予想通り、ルイ叔父上の姿もあった。

「どうした?珍しいな、部屋を訪ねてくるなど。」
「はい。実は、父上と叔父上にお願いが有りまして。」

お願いという言葉に二人は顔を見合わせ首をかしげる。
その仕草を見れば、やはり年が離れていてもこの二人は兄弟だなと実感する。
それに、俺も兄上も父上にお願いは基本的にしない。
出来ることは自分で何でもする。出来ないことにも果敢に挑む。
を教育方針の元育てられたのだ。
両親にお願いをするのは、何か許可を貰いに行く時のみ。
ということは、基本的にお願いということ自体が少ないのだ。
だから、両親も叔父上も出来る範囲で叶えてくれる。
いやに緊張がはしるが、深呼吸をして、案内されたソファに座った。

「一つは、叔父上に髪を切っていただきたいです。兄上は儀式に入られるので、婚姻式前に切ってください。もう一つ、メリッサ・ジョセフィーヌ・オステン王女との婚約を許可していただけないでしょうか。」

俺が出したお願いに、反応は返ってこず沈黙が部屋を包む。
予想外のお願いだっただろうか?

「あの、父上?」
「ライラック、メリッサ王女はライラックがレティーシアを好きだったということをご存知なのですか?」
「メリーは、俺がレティを好きだったことも、今でもレティを構い倒している事も全て知っていますし、それに関しては彼女は特に何も言いませんし、何よりレティとメリーは学生時代から仲がいいみたいで最近は一緒に過ごすことが多いみたいです。」
「髪を切る事に関しては構いません。一先ず婚約の話を粗方決めてからがいいでしょう。」
「はい。それで、父上婚約の許可はいただけますでしょうか?」
「・・・メリッサ王女は、お前との婚約を承諾したのか?」
「いえ。正直恥ずかしい話、告白はされましたが、返事はまだしてません。帰国前にレティへの気持ちとメリーへの気持ちの違いに付いて考える時間が欲しいといい、保留にしてもらってます。ただ、ノア王太子殿下とレティからメリーの婚約話しが上がっている事を聞いて、レティの時みたいに祝福する事ができないという結論に至りまして、レティ以上にメリーが好きという事ですから、早々に手を打たないといけないと思って、早急に父上の所に来たわけです。」
「メリッサ王女から承諾の返事を貰えたのであれば、使者を立てオステン国王に婚約の申請をしよう。あの国は我が国の結婚事情に詳しいから、事情は察してくれるだろう。」
「有難うございます。」
「では、ライラック髪を切りましょうか。」
「あ、はい。お願いします。」

話は終わったと、叔父上が声を掛けてくる。

「では兄上、そういうことですので。もう諦めて義姉上の言うとおりにしていたほうが、後々楽だと思いますよ?私は。」

と、俺が来る前に話していたであろう内容に付いて意見をすると、そのまま俺と共に国王の私室を後にした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

【完】出来損ない令嬢は、双子の娘を持つ公爵様と契約結婚する~いつの間にか公爵様と7歳のかわいい双子たちに、めいっぱい溺愛されていました~

夏芽空
恋愛
子爵令嬢のエレナは、常に優秀な妹と比較され家族からひどい扱いを受けてきた。 しかし彼女は7歳の双子の娘を持つ公爵――ジオルトと契約結婚したことで、最低な家族の元を離れることができた。 しかも、条件は最高。公の場で妻を演じる以外は自由に過ごしていい上に、さらには給料までも出してくてれるという。 夢のような生活を手に入れた――と、思ったのもつかの間。 いきなり事件が発生してしまう。 結婚したその翌日に、双子の姉が令嬢教育の教育係をやめさせてしまった。 しかもジオルトは仕事で出かけていて、帰ってくるのはなんと一週間後だ。 (こうなったら、私がなんとかするしかないわ!) 腹をくくったエレナは、おもいきった行動を起こす。 それがきっかけとなり、ちょっと癖のある美少女双子義娘と、彼女たちよりもさらに癖の強いジオルトとの距離が縮まっていくのだった――。

愛する人は、貴方だけ

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
下町で暮らすケイトは母と二人暮らし。ところが母は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。亡くなる直前に母はケイトの父親がアークライト公爵だと告白した。 天涯孤独になったケイトの元にアークライト公爵家から使者がやって来て、ケイトは公爵家に引き取られた。 公爵家には三歳年上のブライアンがいた。跡継ぎがいないため遠縁から引き取られたというブライアン。彼はケイトに冷たい態度を取る。 平民上がりゆえに令嬢たちからは無視されているがケイトは気にしない。最初は冷たかったブライアン、第二王子アーサー、公爵令嬢ミレーヌ、幼馴染カイルとの交友を深めていく。 やがて戦争の足音が聞こえ、若者の青春を奪っていく。ケイトも無関係ではいられなかった……。

どんなあなたでも愛してる。

piyo
恋愛
遠征から戻った夫の姿が変わっていたーー 騎士である夫ディーノが、半年以上の遠征を終えて帰宅した。心躍らせて迎えたシエラだったが、そのあまりの外見の変わりように失神してしまう。 どうやら魔女の呪いでこうなったらしく、努力しなければ元には戻らないらしい。果たして、シエラはそんな夫を再び愛することができるのか? ※全四話+後日談一話。 ※毎日夜9時頃更新(予約投稿済)&日曜日完結です。 ※なろうにも投稿しています。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜

川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。 前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。 恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。 だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。 そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。 「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」 レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。 実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。 女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。 過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。 二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

処理中です...