君がずっと好きでした。〜君が届かなくなる前に。〜

谷山佳与

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「案外にすんなりと許可がおりましたね。」

フレイアスにある王城、国王の執務室でライラックは意外そうな感想をもらした。
彼の前には父親である国王が、先日オステン王国へ早馬を出した婚約の打診への返事が書かれた書面をライラックに手渡しをしていた。

「早いも、両想いの相手にフレイアス王国の人間、特に王族が素直に諦めるという選択肢が無いのは有名だろう?それにオステンの国王は娘の初恋が実って第二王妃共々喜んでいるようだし、メリッサ王女の兄弟達も、末姫も婚約に大賛成だそうだ。」
「そうですか。それで婚約式はするんですか?」
「今更する必要はないだろう。各国へは先日の王太子の婚姻式の時の様子である程度予想はしているだろうから、婚姻式の日程を詰めて各国へ招待状を出せばいい。」
「私はいつでもいいですが、兄上やレティ達の時同様の手順で行くのであれば、一年後の建国祭の後に婚姻式になりそうですか?」
「そうだな。そのあたりが妥当だろう。私の方からオステンの国王へは、日程の予定を詰める話をしておくから、後はライ自身の爵位だが、」
「叔父上と同じで公爵位ですか?」
「それはまだ考えていない。そもそも第二王子が二世代に渡り生まれた事が珍しいからな。しばらくは王子の身分のままで、ラズが王位を継いで落ち着いてでもいいと思っている。」
「しばらく先の話ですね。分かりました一先ず兄上達には伝えておきます。」
「こちらも早めに日程を決めるようにする。」
「分かりました。」

オステン王国より婚約の返事が書かれた手紙を預り、先日結婚したばかりだが今までとさほど変化は見られない兄夫婦の元へと向かい報告をした。

「おめでとう、ライ!婚約式は身内だけでするの?花冠載せるのをするのよね?」
「しても身内だけだと思うし、父上の事だから、俺と兄貴とレティの三人で行ってこいって言いそうだよな。」
「あら、それはそれで楽しそうだから構わないわよ?」
「レティ、国の代表で行くならちゃんとした公務だからね。遊びにいくわけじゃないのだから。それより、ライ、指輪も準備しなくてはね。流行らすのだろう?」


ラズがちょちょいと、左手の薬指にはめている二種類の指輪を指さした。

「そうだった。シニオン商会に行けば準備できるな。」
「なら、私も一緒にと、言いたいけれど今街に下りる事できないのよね~。祝賀ムードがまだ抜けきれてないから。互いの瞳の色の石を使ったらいいのじゃないかしら?でも基本的に好きな相手が一生懸命考えてくれたプレゼントはなんでも嬉しいから、ルキウスと相談しながらきめたらいいんじゃないかしら?ジェニーがセンスあるって言っていたし。」
「じゃあそうするか。」

と、つぶやきながらこれからの段取りを頭の中で考えると、二人に挨拶をして部屋を出ると、そのままメインストリートにあるシニオン商会の本店へ向かうことにした。
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