愚者の聖域

Canaan

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第1章 Tempest Girl

07.懐かしい景色

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 ルルザの街には大きな川が流れている。

 グレンは街外れにあたる場所で、その川べりを歩いていた。
 子供の頃ここで暮らしていた時と、全体的な景色にはそれほど変わりがないように思えた。
 だが……。

 グレンは川の向こう側を見やる。
 だが、両親を喪って姉弟だけになってから半年ほどの間暮らしていた、川の近くの小屋は無くなってしまっていた。



 グレンの両親の子供は三人。グレンと双子の兄のロイド、それから九つ年上の姉ジェーンだ。
 この五人の家族は、はじめは街中で暮らしていた。だが、まずは母が亡くなった。具合が悪くて臥せったと思ったら、あっという間だった。
 次に父親の様子がおかしくなった。子供の頃は「父さんはどうしてしまったのだろう」と、ただただ恐ろしかったが、大人になるにつれてだんだんと分かってきた。
 父は伴侶の死から立ち直れず、酒に逃げた。そのまま精神と身体を病んでしまったのだ。
 彼はいつの間にか仕事を辞めていて、借金を重ねるようになったらしかった。それは自分の酒代と家族の生活費になっていたのだ。

 そして父は酒を断つことが出来ないまま──というか酒が原因で──亡くなり、途端、ガラの悪い男たちが家に乗り込んでくる。貸した金を返せと言って。
 グレンとロイド、ジェーンの姉弟は住処を追われ、なんとか借りることのできたボロボロの小屋で暮らし始めた。
 姉は住み込みの仕事を探そうとしていたようだが、子供──自分と、双子の兄のことだ──が二人もいてはそれも無理で、林や藪に分け入り薬草を採って、それを薬種屋に持ち込むことで生計を立てようとしていた。
 姉は薬草を売ったお金と、なんとか持ち出すことのできた母親の形見の品を売ったお金で二人の弟の面倒を見てくれていたが……それでも、生活は苦しかったように思える。

 この時グレンは十一歳であったが、学校へ通いたいとはとても言い出せなかったし、服や靴が窮屈になっても新しいものを買ってほしいとは、やはり言えなかった。そのくらい貧乏だったのだ。
 姉が薬草を採りに行っている間、グレンはロイドと二人で川に入って鱒をつかまえたり、焚きつけに使う小枝を拾いに行って日々を過ごしていた。

 ある時、グレンとロイドは川に流されていた若い男を助け上げた。彼は上流の方で怪我を負い、気を失った状態でここまで流されてきたのである。
 若い男はランサムという名の騎士で、彼は王都を目指して旅している途中のようだった。怪我が癒えるまで彼は姉弟と一緒に住み、その間グレンたちに勉強を教えてくれた。学校に通いたくても通えないグレンだったから、ランサムが先生になってくれたのは本当に嬉しかった。

 ……が、グレンたちが年若い姉弟だけで暮らしている……そのことに近所の人の目は冷たかった。なんと、姉は妙な薬を作って売り捌いていると噂されていたらしい。
 そこにランサムの登場である。姉は男を連れ込んで身体を売っているという誤解まで受け、グレンたちは大家によって住まいを追い出されてしまったのだ。

 幸運なことに、ほぼ同時に自分たち姉弟には王都に伯父がいると判明した。
 グレンの両親は駆け落ち婚をしていたから、これまで連絡が取れなかったのだ。だが父の死と借金の発覚で、王都にまで取り立てが行ったらしい。
 伯父のレジナルドは弟の死と借金、そして残された子供たちがいることを同時に知り、手紙を書いてくれていた。
 宿なしになっていたグレンたち三姉弟は、伯父を頼るために王都を目指すことにした。ランサムは王都までの旅に同行してくれた。彼は姉のジェーンと結婚し、グレンの義兄となった。

 姉は、この国の北西の外れにあるランサムの領地──彼は伯爵の息子だったのだ──へ嫁いでいったが、グレンとロイドは伯父の家から王都の学校に通わせてもらった。
 伯父はとても良くしてくれたが、伯父の息子のヒューイはグレンたちを厳しく教育しようとした。
 はじめはヒューイを恐ろしい人だと思っていたが……だが、そんなことは全くなかった。ヒューイは超がつくほど真面目で誠実で、グレンたちのことを真剣に考えてくれていたからこそ厳しかったのだ。

 グレンはいつしかヒューイに対し憧れ……いや、崇拝に近い感情を抱くようになった。
 騎士を目指して、彼のような男になりたいと。
 ヒューイはいつも強くて正しくて自信に満ち溢れていた。ヒューイが近くにいるだけで、彼の持つ「オーラ」のようなものがびりびりと空気を伝ってくるのがわかる。それほど力強い存在だったのだ。

 それが。

 ヒューイはヘザーと恋に落ちて彼女と結婚して、自分の子供を持った。
 その頃グレンは伯父の家を出て寄宿学校に入っており、ヒューイと顔を合わせるのは月に数度といった感じであったから、彼の微妙で緩やかな変化に気づくのが遅れた。
 気がついた時にはヒューイは「普通の男」になっていて、さらに「カッコ悪い男」にまでなり果てたのだ。

 エイミーが生まれてしばらく経った頃、グレンは目撃してしまった。
 伯父のレジナルドがエイミーを抱き上げて「エイミーたんは世界一可愛いでちゅね~、チュッチュッ!」と言いながら彼女の頬にキスをしているところを。
 彼はグレンに見られたと気づくや慌てて取り繕っていたが、伯父の行動を意外だとは思わなかった。彼は飼い犬や、上の二人の子供にもそんな感じで接していたから、グレンにとっては想定内だった。
 ただ、グレンはあることに気づいてしまったのだ。
 ヒューイもあれをやっていたらどうしよう。そして、自分がそれを見てしまったらどうしよう、ということに。
 そんなのは堪えられない。「おうまさん」だって堪えられそうもなかったのに「可愛いでちゅね~、チュッチュッ!」は無理過ぎる。
 そんなヒューイを目撃してしまったら、たぶんグレンは奇声を発してその場を飛び出してしまう。ヒューイのことを嫌いになってしまう。そんな気がした。

 だから、王都を……ヒューイの傍を離れるのは、自分にとって必要なことだったのだ。
 グレンの行動を「逃げ」だと思う人もいるかもしれない。そしてそれは正しいのだろう。自分は逃げたのだ。だが、グレンはヒューイを嫌いになりたくなかった。自分の中の「英雄」の姿を、できるだけカッコいいままに保っておきたかった。



 少し強い風が吹いて川べりの草がざわざわと揺れ、グレンはふと我に返る。自分はどれくらいの間、ここでぼんやりしていたのだろうかと。
 川の向こうをいくら見やっても、子供の頃に暮らしていた小屋は跡形もない。
 あの当時ですらかなり古くて脆い建物だった。十年以上経過しているのだから、とっくに取り壊されてしまったのだろう。
「……。」
 グレンは思う。
 十一歳の頃の自分は、姉に守られながら暮らしていた。早く大人になって姉を助けてあげたいと、歯痒い気持ちを常に抱えていた。
 物質的な意味においては全く恵まれていなかったし、楽しい思い出とも言えない。
 だが、あのどん底の半年間があったからこそ、今の自分がいるのだ。

 あの小屋が今どうなっているのかを確認し終えた訳だが、もう一つ、確認したい場所がグレンにはあった。
 というか今日出かけたのは、むしろそちらの確認の方がメインである。


*


「オーナー。ここにある紙、貰って帰ってもいいですか」
「ああ、構わないが……そんなに古くて汚いのでいいのかい」
「はい。家でメモ用紙に使いたいだけなんで、これで充分っす!」

 アンドリュー・メイトランドの勤め先は、小さな印刷屋である。
 両親が亡くなる前は、アンドリューはルルザの町の美術学校に通っていた。いずれは「タグリム商会」を継がなくてはいけないが、アンドリューは小さい頃から絵画や工作に興味があり、三十歳までは好きなことをさせてもらう約束を父としていたのだ。
 しかしその約束も、三年前にルルザを襲った疫病により白紙となってしまった。白紙どころかタグリム商会はメイトランド家の手を離れ、アンドリューは働き口を探さなくてはならなかった。

 この印刷屋の主な仕事はチラシの印刷だ。
 クライアントの持ってきたラフ画や簡単なイメージを手本にして、詳細に描き起こしたり、飾り文字で印象を強めたりするのがアンドリューの仕事であった。
 目指していた芸術家とは違うものになるが、アンドリューは今の仕事を気に入っていた。
 それにクライアントが両親の知り合いだったとしても、アンドリューは美術学校に通っていたのだから「広告デザインに興味が生まれて、ここで修業させてもらうことにしたのだ」という言い訳も立った。

 給金は微々たるものだが、アンドリューはそれなりに仕事を楽しんでいる。
 ただ、家計のために慣れない仕事に就いて料理を覚えてくれた姉に対して、申し訳ない気持ちを抱いていた。姉の払った犠牲は自分に比べて大きかったのではないかと。
 年齢が二つしか離れていないうえに、姉は十二、十三歳くらいで胸以外の身体の成長が止まってしまっており、体格差も無くなった……というか逆転して久しい。身長差が無くなった頃から二人はほぼ対等な関係であった。
 今では外見的には対等どころか、アンドリューと姉が一緒にいると、初対面の人間には「兄と妹」に見えるようだった。
 そして両親が亡くなって姉弟二人だけになった辺りから、アンドリューに「姉を守らなくては」という意識が芽生えた。

 父親がいないというハンディキャップを負った他に、メイトランド姉弟には日記集めという目標がある。いつ達成できるのか、見当もつかない。そのせいで姉の婚期はどんどん遅れている。
 父が生きてさえいれば、姉は女学校を出た後に社交界で結婚相手を探し、今頃はとっくに結婚して家庭を築いていた筈なのだ。
 姉は曾祖母の残した財産を手に入れたら、両親との思い出の詰まった屋敷を買い戻したいと言っている。
 弟としては、好きな男を見つけてその人と幸せになってほしいと思うのだが……姉は宝探しに夢中になっていて、結婚のことはまるで頭に無いらしい。
 このまま二年三年と時が経ってしまえば、姉の貰い手は本格的に少なくなってきてしまうだろう。父親という後ろ盾がないから、姉の結婚相手探しはかなり難航することになると思われる。それに……。
 そこでアンドリューは思い出し笑いをしてしまった。
 それに姉は、弟に向かって「子種を見せろ」と迫るような女である。しかも彼女はとんでもない思い違いをしているようなのだが、面白いので訂正せず生温かい目で見守っておこうと思う。
 そんな姉の個性や性質を受け入れてくれる夫となると、かなり限られてくるのではないだろうか。況してや日記のことが片付いて夫探しを行う頃には、姉は行き遅れと噂される年齢になっているだろう。年増の人騒がせな女性でもいいと言ってくれる男……国中探しても、あんまりいないのでは……。

 そこまで考えると、思い出し笑いも引っ込んだ。
 自分に出来ることは、日記集めをなるべく早く、それも円滑に終わらせることだ。アンドリューはそう考えている。



 仕事を終えたアンドリューはいつものように帰路につく。
 そして、住まいのある通りに出た時、自分たちの家の前に誰かが立っていることに気づいた。
 男の人だ。それも、ひょろりと背が高い。
 彼は通りに立って、ただアンドリューたちの住まいを見つめている。囲いの中に立ち入って扉をノックする様子もなかった。
「……?」
 知り合いではない。うちに用事がある風でもない。メイトランド姉弟の客人ではなさそうだ。
 では、何だろう。道に迷っているのだろうか。それとも、家に人がいるかどうかを確かめているのだろうか。つまり、泥棒の下見。いや、姉目当ての変質者という可能性もある。
 そのことに思い当たると、アンドリューは早足で通りを進み、家の前に立っている男に声をかけた。

「あの。うちに何か用ですか」
 アンドリューの声に、青年はこちらを向いた。
 薄茶色の髪。瞳も茶色の、若い男だ。一般的に「いい男、ハンサム」と言われる容貌だと、同じ男のアンドリューでも思った。
 彼の身に着けている衣服は派手ではないが、質の良いものだとぱっと見で分かる。
 泥棒の下見や変質者の類では無いように思えるが、これは、周囲の目を欺くための装いかもしれない。
 何より、彼は良い男だが、その瞳はどこか冷めていて、世間を斜めに見つめているような……虚ろな感じがした。

「ここは……君の家なの」
 青年は家とアンドリューを交互に見た。
 アンドリューは頷いた。
「いつから住んでいるの」
「え? ええと……三年くらい前からだけど」
「三年……この家は以前『タグリム商会』という不動産屋の持ち物だったらしいけど、それを君が買ったという事かな」
 アンドリューは再び頷いた。頷きつつ、訝しんだ。

 正確に言えば、アンドリューがお金を出して買った訳ではない。というか、中古とはいえこんな若造──家が金持ちではなくなった若造──に一軒家が買える訳がないのだ。もともとこの家は、父の会社が所有している物件だった。
 父が亡くなって会社の借金などが色々発覚した後、右も左も分からない自分たち姉弟のためにジェレマイア叔父が何かと動いてくれて……タグリム商会の持ち物だったこの家に住めるようにしてくれた。
 が、この男はどうしてそんなことを聞くのだろう。
 アンドリューは考えた。ひょっとして、自分の知らない借金がまだあって……この男は取り立てに来た人なのだろうか、とか。
 いずれにせよ、これ以上の情報を与える訳にはいかないと思った。彼は怪しすぎる。どうお引き取り願おうかと考えていると、青年はさらに怪しいことを言いだした。

「この家、いくらで買ったの」
「ぇえ!?」
 驚きのあまりアンドリューの声はひっくり返った。
 青年の身なりは整っているし、所作も綺麗で無駄がなく、上流階級の人間のそれに見えるのだが……今のはちょっと、いや、かなり図々しい質問ではないだろうか。
 口にした後で彼もそう感じたのか、一度咳払いをした。
「あ。失礼。ぼくはグレン・バークレイ。ルルザ聖騎士団のメンバーだ」
「え? は、はあ。騎士様ですか……」
 ならばちゃんとした人の筈だが……騎士を騙っているという事はないだろうか。いやいや、騎士や貴族を騙ったりしたら、ばれた時にえらいことになる。
 アンドリューの考えを読んだかのように青年──グレン・バークレイ──は頷いた。
「ぼくの身分については、聖騎士団に問い合わせてもらっても構わない」
「はあ……」
「それでこの家だけど……ぼくに売ってもらえないだろうか。君がこの家のために支払った金額を、ぼくも支払うよ」
「はあっ!?」

 これには心底驚いた。
 アンドリューは家と青年を見比べる。
 庭の手入れまでする余裕がなく草木は伸び放題となっていて、住み始めた当初よりも見栄えはだいぶ悪くなってきているが、ごく普通の一軒家だ。
 しかし騎士という身分の人間が欲しがるには、ずいぶんと質素なものだと思う。
「いきなりで申し訳ない。でも、ここはぼくが住んでいた家なんだ」
「えっ。貴方が、ですか……?」
「うん。十年以上前だけど」
 アンドリューはもう一度家を見る。彼が子供の頃に住んでいた家という事だろうか。騎士になれるような家柄の人間は、もっとよい屋敷に住むはずなのだが。
 いや、一般市民の家に生まれても、学校での成績が良ければチャンスはある。優秀な生徒だと認められれば、王都の寄宿学校に特待生として招かれることがあるのだ。そこから騎士になる人間もいると聞いている。
 それに身分があっても、借金を重ねていれば裕福とは程遠い生活を送ることになるし……彼も、そういう親の元に生まれてしまったのかもしれない。

「何なら、君の言い値を支払ってもいい」
「えっ、本当に!?」
「一括じゃ無理だけど……必ず払うよ」
 アンドリューは考える。思い出の詰まった家を取り戻したい……グレン・バークレイは自分の姉と同じことを願っているのだ、と。
 それに、言い値で良いなら悪い話ではないのではないか。姉弟二人で住むには少し広い家だから、自分たちはもっと狭い家に引っ越して、浮いたお金で出来ることが増えるのではないか。でも……。
「でも……あの、住んでるのは俺一人じゃないんで。姉と、相談しないと……」
「……お姉さんがいるの」

 青年がそう言った途端、家の扉が開いて姉が顔を出した。
「アンドリュー、もうすぐ夕ご飯よ! いつまで立ち話してるの! その人、お友達なの!?」
「あ。姉さん、この人……」
 姉の方が先に帰宅しており、弟が立ち話している様子は窺えていたらしい。夕飯の支度が整ったというのに弟が立ち話を続けているから、痺れを切らしたのだろう。
 アンドリューはグレン・バークレイの申し出を説明しようとして顔を上げると、グレンも姉の声に顔を上げ……そして少し目を見開いた。
 姉もまたグレンの姿を認め、一瞬だけ固まった。
 だが、すぐに姉の言葉が続いた。

「また貴方なの!?」

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