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第4話 ガチャモンスター達

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 1日を通してスキルガチャで得たスキルを発動させ実証した結果、もの凄く疲れる状態に陥ったため、平原地帯からガチャ王国に戻った俺は玉座の間の寝室にて爆睡していた。

 次の日の朝、平原地帯に放逐されたモンスターの死体を尖がりネイチャンが運んできて料理したものが並べられる訳なのだが、ただ焼いただけだった。

 ちなみに尖がりネイチャンは騎士団長でありコックではなかった。

「どうだ、おいしそうだろう、騎士団飯とはなこういうのをいうのだ」

 尖がりネイチャンは野蛮人のようにドラゴンの肉を食らっていた。
 俺は胸やけがしそうななか、食べてみると、格別に美味であった。

「うんめぇええええ、ドラゴンてこんなに美味しいのか」
「そうだ。ドラゴンはな極上なステーキになる、ちゃんと噛みしめて食べろよ」

「勿論だぜ」

 コックではないが騎士団長の尖がりネイチャンのおかげでお腹が満腹になり、しまいには疲労感も抜け出た。
 
 いつもの日課として城下町や畑など、色々な所を視察した。
 農民カチャスがコロポックル達に適格な指示を出していたり、商人パパスが顎髭を撫でていたり、どこからどう見ても平和そのものだった。

 自動で開く城門の外に出ると、モンスター達がいた。
 それは敵ではなく俺がクエストガチャで手に入れたモンスターだった。
 スライムキングとゴブリンキングと危険なのでカプセルに入ったままのヨルムンガンド。

「では、スライムキングとゴブリンキング自己紹介しろ」

 彼等は城下町にも入らず外で徘徊ではなく偵察してくれていたようだ。

「きゅー」
「がう」

「あのー君達? 言葉が分からないの?」

「きゅきゅ」
「がうがう」

 終わった。
 スライムキングとゴブリンキングはどうやら言葉を理解しないようだ。
 これはどうやって指示を出せばいいのだ。

【おめでとうございます。モンスターガチャが解放されました】

「はい? ガチャ丸さん、突然どうした」

【いえ、モンスターの事で悩んでそうでしたので】

「でもさ、クエストガチャでモンスター出たんよ?」

【いえ、モンスターガチャはモンスター関連しか出ません、クエストガチャはランダムです】

「なるほどなー」

「でもなーモンスターガチャしても言葉を理解できなかったらなー」

【そこで、クエストガチャでビーストマスター関連のレアキャラを引き当てる事をお勧めします】
「ほぼ運だろ」
 
【そうです。この世界は運で成り立ってます】
「なんかひでーな」

【では、クエストガチャを回しましょう】
「せっかっくモンスターガチャ解放されたのに使わないって」

【それが現実です】
「なんか心に響いたぜ、ちとおめーらまってろ」

「きゅー」
「がうがう」

 俺はクエストガチャを発動させる。残りの回数は119回となっている。
 さぁ、俺の運命を決めるガチャを回そう。
 
【★10温泉】
【★5鉱石採集場】
【★5完璧城壁】
【★5完璧城壁】
【★5完璧城壁】
【★3トイレ】
【★2トイレ】
【★20ミラクルレア:ジョブ勇者】
【★12レア:ジョブ農家】
【★6モンスター牧場】
【★6動物牧場】
【★18エクスキャリバー】
【★7牢屋】
【★8ランダム住民セット×30名】
【★10ビーストマスターチャニー】

「はぁはぁ、なんとか出したぞごら」
 
 クエストガチャ15回目にてようやく夢のビーストマスターチャニーが出てきた。
 名前がチャニーて弱そうな感じなのだが、取り合えずカプセルから取り出す事に。
 実体化したチャニーは赤毛の小さい少女であった。
 衣服はぼろぼろのワンピースでもあり、どこかの奴隷だった感じだ。

「ふわぁああああ、ようやく自由になれたは、ああ、なんて眩しい太陽だ事。お、スライムキングちゃんにゴブリンキングちゃんね、なるほど、何をしたらいいのか分からない感じなのね、このチャニー様に任せなさい、で、そこの下民」

「はい?」

「だからあんたよ、下民、頭下げなさい、チャニー王女様が命令してんでしょ」

「あのーここのガチャ王国の王は俺なんですが、あとあなたの主人なんですが」

「嘘おっしゃい、そんなひょろりんちきな男が主人な訳ないでしょ、手の平見せなさい」

「はい!」

「ふむふむ、えー、あー、非常に申し訳ありませんでしたああああああ王様でございましたか」

「分かればよろしい、ではチャニーよこれからモンスターの通訳としてがんばってもらいたい」

「了解であります王様」

「出来ればクシーと呼んでくれ、皆から王様呼ばわりされて寂しいのだ」

「ではクシー様」

「でだ。スライムキングとゴブリンキングに指示を与えたい。ここら一体のスライムとゴブリンをまとめ上げてほしい」

「了解したって言っております」

「よろしい、では困ったらどうしようか」

「わたしは一度認識したモンスターなら念話が可能です、それで連絡出来るようにしましょう」

「そうすると助かる。これから俺はとてつもなく危険なモンスターを出す。チャニー君の力にかかっている」

「は、はい」

「ヨルムンガンドとは聞いた事があるか? この惑星をぐるりと回って自らの尻尾を噛んでしまうくらいの巨大なドラゴンだ」

「それは伝説でしか聞いた事がないですわ」

 ビーストマスターチャニーがびくびくと震えている。

「ああ、俺はそれを引き当ててしまった」

「な、なんと」

「覚悟しろ、これがヨルムンガンドだ」

 カプセルを開いた瞬間、眩い闇の光が発射された。
 どんどんと闇の光が膨れ上がる中で、そいつは地面に座っていた。

「ちっさ」
「ちっさ」

 俺とチャニーは同時に同じ反応をこぼしていた。
 ヨルムンガンドはとてつもなく小さい、いわば幼いドラゴンがそこにはいたわけで。

「この俺様を上から見る不届きものは誰だ」

「お、喋った」

「クシー様、ドラゴンには言葉を解すものもおりますわ」

「なるほどー」

「おい、聞いているのか、お前等人間如き食ってやろうか」

 俺は頭をぽりぽりと掻きながら。

「どちらかというと食われるのはお前のほうだな」
「クシー様に同意です」

「俺様はすげーんだぞ、巨大なドラゴンてなんでおめーらそんなにでけーんだ」

「お前が小さい」
「ちみが小さい」

「なん、だとおおおおおおおおおおおおお、てか俺様ちっさ」

 ようやくヨルムンガンドは自分の大きさを悟ってくれた。
 彼はおどおどしながら、頭をさげて。

「えーとあなた様がご主人様でございますでしょうか、今までの無礼お許しください」

「頭の回転早いわね」

「それはチャニーもな」

「えへへ」

 はぁと俺は溜息をつきながら。

「なんでそんなにヨルムンガンドは小さいんだ?」

 ヨルムンガンドは申し訳なさそうに頭を項垂れさせながら、こちらをちろちろと見ていた。口から蛇のような下がちろちろと出ていた。

「ドラゴンの大戦争があったんじゃ、その後どうなったか分からぬ、全ての力を使い果たしたのは覚えている」

「力を使い果たすとドラゴンは小さくるのか? チャニー」

「聞いた事はありますわね、魔力エネルギーを食べて行けば元の大きさに戻るんじゃないかしら」

「おおお、なんと、それは希望の光だ」

「よし、魔力エネルギー的なものを見つけたらお前に食わせようヨルムンガンド」

「同盟は成立だな、俺様をヨルと呼んでくれ、俺様の体が元に戻ったら。おめーの為に力つかってやんよ」

「よし、では、ちとモンスターガチャをやってみたいんだが」

「わたしもモンスターガチャって奴が気になるわね、どんなモンスターが出てくるのかしら、うふふ」

「どれ、俺様より格下を見極め子分にしてくれよう」

 チャニーは涎を垂らし、ヨルも涎を垂らし。
 どちらかというとこの2人は似た者同士なのではないだろうかと、その時の俺は若干引いていた。
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