メスお兄さんとセックスしないと出られない部屋に閉じ込められた結果×××[再公開]

空廻ロジカ

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§ メスお兄さんと、セックスしないと出られない部屋【2】

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「そんな……あっ、誰かに連絡!」

 るり花はスマホを取り出し、とりあえず女友達にメッセージを送ろうとした。だが、送信できない。

「どうして……っ」

 混乱するるり花の肩に、あまねが手をかけ首を振った。そして彼はもう片方の手で自らのスマホをかざし、こう言ったのだ。

「るり花さん、圏外だよ。窓のない地下室だからかな」
「……っ」

 絶望的な表情をするるり花の隣で、あまねには余裕があった。

「ねえ、るり花さん。ぼくはここに、きみに呼ばれて来たんだけど……るり花さんは?」
「え、わ、私もあまねさんからのメッセージで……」
「やっぱりそうか」

 あまねがスマホを操作し、メッセージアプリのログを示した。そこには確かに差出人がるり花となった、あまねを地下室へと呼ぶメッセージが表示されていた。

「おかしいなとは思ったんだけどね。たっちゃんがるり花さんにぼくのIDを教えたのかなって」
「たっちゃんって……」
「たつる」
「……」

 黙り込んだるり花をよそに、あまねは情報を整理してゆく。

「ぼくたちにメッセージを送った差出人が、ぼくたちを閉じ込めたんだろう。何の目的もなくこんなことをするとは思えないから、すぐに次の連絡があると思うよ」
「で、でも……圏外じゃ」

 るり花が異を唱えた時だった。
 ピロン、と呑気な音がしてそちらを見ると、壁際の棚にタブレットが置かれていた。
 ふたりの居るドア近くからは読めないが、何やらメッセージが表示されているようだ。

 るり花とあまねはそちらへ近づき、タブレットのディスプレイを覗き込む。

「……」
「ちょ……っと、これって」

 表示された文章を理解し、るり花の心臓がどくんと音をたてた。
 なぜなら、そこに表示されていたのは――……

『この部屋はセックスをしないと出られない部屋です、ご愁傷様。お二人の健闘を祈ります』

 硬直するるり花の隣で、あまねがため息を吐いた。

「……仕方ないね」
「仕方ないって……何がですか」
「だから、セックスするしかないってこと」

 あまねがあまりにも当然のように口にしたので、るり花は反応が遅れた。たっぷり十秒は沈黙したのち、るり花は上擦った声であまねに尋ねた。

「だっ誰がですか!」
「ぼくと、るり花さん」
「……っ。い、いつですか」
「今だよ。今、ここで。……じゃないとこの部屋から出られないみたいだから」

 あまねがいくら何でも落ち着いているものだから、るり花はこれが夢じゃないかと疑った。だが、心臓はどくどくと音をたてているし、熱くなった頬の感覚もリアルだ。

「うーん、ちょっと明るすぎるかな。ぼくはいいけど、るり花さん、恥ずかしいよね。いくつか照明を落とそう」

 あまねは呑気に言って、壁へ近づきスイッチを操作した。天井から下がるいくつかのLED蛍光灯から光が消え、室内が適度に暗くなる。

「るり花さん、好きなプレイとか、これだけはして欲しくないこととかある? あったら先に言って貰えると……」
「ちょ、ちょっと待ってください! なんで、こんなとこでそんなこと……っ」
「え。だってセックスしないと出られないし」

 何を当然のことを、とでもいった風にあまねは答える。るり花は冷や汗を流しながらも、必死に頭を働かせた。

「そうだ! ここ、圏外なんでしょう? このタブレットにメッセージが届くの、おかしいじゃないですか!」
「ああ、それなら……」

 あまねは棚のそばへ戻ってきて、スタンドからタブレットを持ち上げた。その下側からは、ケーブルが延びている。

「この配線、空調ダクトを通って上の部屋へ繋がってるみたいだよ」
「……なんで」
「え?」

 絞り出すようなるり花の声に、あまねが問い返す。

「この状況で、なんでそんなに落ち着いてるんですか!」
「うーん……性格?」

 呑気に答えるあまねから、るり花は後ずさった。
 突然、こんな非日常的な状況におかれて、落ち着いていられるなんておかしい。もしかして。

「るり花さん……ひょっとしてぼくを疑ってる?」
「……その可能性は、あると思ってます」

 るり花が答えると、あまねは哀しそうに眉根を寄せた。

「困ったな。きみと話していられるのは嬉しいけど、ぼくもずっと閉じ込められてるわけにはいかないんだよね。締め切りだってあるし……。るり花さんは、どうしたらぼくとセックスしてくれる?」
「し、しませんってば。だって私たち、初対面なんですよ!?」

 るり花の言葉にあまねは瞳を見開いた。

「ああ……そうか、覚えてないんだ」
「え? あ、ああ……」

 そういえば、子どもの頃に会ったことあるのだと、たつるが言っていた。
 るり花は小学校三年生でこの街から引っ越し、大学入学を機に戻ってきて幼なじみのたつると再会した。あまねとは歳も離れているだろうし、接点があまりなかったのだろう。
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