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最終章トリフェの街編
かんざし
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獣人の国を出てアファルータ共和国に到着した僕達は、そこからイーザリア王国を目指そうとしたけど、残念ながら直行便がなかった。
そこでアファルータからミヅホを中継してイーザリアに向かうことにした。
ミヅホの国には何回も寄っているから、宿の手配から船の予約までかなりスムーズに終わらせることができた。思い返すと兄さんといろんな国を旅したなと感慨深い気分になる。
足りない食材を買い足したりしていたら、あっというまに日が過ぎた。出航日は明日だから、ミヅホで自由に行動できるのは今日が最後だ。昼は特にすることもないので、僕達はのんびりとお店を回ることにした。
「あー、醤油とか味噌を見ると買いたくなるなぁ」
「すでに十分あるだろう」
「もし保管分がなくなったらと思うと恐怖で……つい」
「そんなにか?」
「兄さんも一年くらい味噌汁飲めなくなったらわかるよ」
「……なんとなくわかった。えーっと」
「そんな意地悪なことしないよ。ちゃんと作るから安心して」
兄さんがあからさまにほっとした顔をした。僕も味噌汁の話で前世が日本人だと思い出すくらいには好きなので、兄さんが味噌汁好きになってくれて嬉しい。
そんな話をしながら歩いている間に、食材や調味料を扱う店が少なくなり、宝飾品や被服品を扱う店が並ぶエリアにたどり着いた。
「暑くなってきたね。イーザリア王国に着く頃には夏になってるかな」
「そうだな。夏になったらルカは十八才か。月日が経つのは早いな」
前世だと成人年齢は十八才だったなと、ふと思い出す。この世界ではとっくに成人済みだけど、なんとなくしみじみとした気持ちになった。
「あ、作務衣だ」
「気になるのか?」
「兄さんに似合うと思って。大きいサイズないかな」
「ルカは俺の服を選ぶ時、生き生きしてるな」
「うん。すごく楽しい」
「よくわからん」
作務衣を選んでいる間、兄さんはずっと不思議そうな顔をしていた。結局兄さんに合うサイズがなかったので、店を出てぶらぶらしていると兄さんの足が止まった。
「かんざしか。これなんてルカに似合いそうだ」
「もう何本も買ってもらったからいらないよ」
「数があっても困るものではないだろう。あと何本か追加で……」
「やめておこう。付けるの家の中だけだから持て余すよ」
「なら違う宝飾品を。あれとかよさそうだ」
「たくさんあるから大丈夫だよ。兄さん楽しそうに選ぶね」
「当たり前だ。綺麗な顔に飾るものだぞ。楽しくないわけがない」
兄さんの言葉を理解するのに時間がかかった。顔に集まる熱はしばらく引きそうにない。
兄さんは僕が返事をしないことを気にする素振りもなく、夢中で宝飾品を眺めている。
この人はこういう恥ずかしいことを、なんでもないようにさらっと言う時がある。
だめだ。嬉しくてニヤニヤが止まらない。全ての肯定的な感情が胸の中で混ざり合って、思わずその場で走り出したくなる。
「兄さん……」
兄さんの服の裾を引っ張る。ようやく兄さんの目が宝飾品から僕の方に向いた。
「どうした?」
ずるいなあ。僕の感情をこんなに乱しておいて、当の本人は穏やかな目で見つめ返してくるのだから。
「暑くなってきたから旅館戻ろう」
「そうだな。顔が赤いけど大丈夫か?茶屋で休憩でも」
「大丈夫。だって……なんでもない。行くよ」
だって茶屋だと兄さんにくっつけないじゃん。それを往来で言う気になれなくて、やっぱり兄さんはずるいなぁと思いながら、僕は兄さんを置いて歩き始めた。
早めに夕食を済ませて兄さんと旅館でくつろいでいると、陽が沈んで外が暗くなってきた。待ちわびていた夜の訪れに笑みをこぼす。
「兄さん早く行こう!せっかくの露天風呂付き客室なんだから楽しまないと!」
「はしゃぎすぎだ。転ぶなよ」
温泉につかると心地よい温かさが全身を包み込む。涼しげな春の夜風が温まった身体をなぞり、いつまでもここにいたいと思わせるほどの気持ちよさだ。
海風が花の香りを運び、夜空に浮かぶ星々が視界いっぱいに広がる。その情景が自分達は今、外にいるのだと実感させてくれる。
非日常感に癒されて僕も兄さんも自然と笑顔になっていた。
「落ち着くー」
「ルカは本当に温泉が好きだな」
「うん、大好き。これからはミヅホに来たら毎回温泉だね」
「それは、ちょっと……いや、そうだな」
しまった。兄さんはまだそこまで温泉が好きではなかったようだ。気まずさをごまかすために、仲居さんが用意してくれたものを取り出す。
「温泉につかりながら飲んでもいいのか?」
「もちろん。確認したから大丈夫。月見酒ってやつだよ。風流だね」
なんて偉そうに言ったけど、僕も初めての経験だ。景色を楽しみながら味わうようにお酒を飲む。
ミヅホ酒と呼ばれるお酒は見た目が日本酒そのもので、味もそのまま辛口の日本酒だった。辛口ながらすっきりとした飲み口でつい飲みすぎてしまいそうだ。
「ああ、これはいいな。初めは悪い事をしている気分になって落ち着かなかったが」
「そうだね。まさかこんなに感動するとは」
「なんだ。ルカも初めてだったのか」
「あ、バレたか」
「初めてならそう言えばいいのに」
「そうなんだけど、これは元日本人としてのつまらない意地というか……」
「なんだそれ」
兄さんが笑いをこらえきれず吹き出した。僕もつられて笑ってしまう。
笑いすぎたせいで景色を楽しむことを忘れ、温泉を出た頃にはひたすらミヅホ酒の話をしていた。
部屋に戻りドライヤーの魔法を兄さんと自分にかける。まだ寝るには微妙に早い時間なので、兄さんとゆっくり話をすることにした。
「顔が少し赤いな」
「やっちゃった。温泉に入りながらのお酒は酔いやすいから、気をつけてたのに。兄さんも水飲む?」
「頼む」
無限収納から冷たい水を取り出す。ついでに髪をまとめるためかんざしも手にした。その時に兄さんから初めてかんざしを贈られた時のことを思い出した。
あの時の僕は、前世を完全に思い出すことも、兄さんに前世のことを話すことも夢物語だと思っていた。兄さんと恋人になることは想像すらしていなかった。
そういえば、今ならあの時の夢想を実現できるな。せっかく思い出したのだから、行動あるのみだ。
髪をまとめたあと、布団の上に座る兄さんのすぐ隣に移動して、密着しながら腕を組んだ。照れた兄さんに逃げられないようにするためだ。
「ルカ?」
「兄さんに言い忘れてたことがあった」
「どうしたいきなり」
兄さんの表情には動揺の色が見えた。角度のせいで上目遣いで兄さんを見つめることになってしまうが、気にせず話を進める。
「かんざしを贈るのに意味があるって話」
「意味なんてあったのか?」
「この世界では特にないよ。前世の話。兄さんに伝えておきたいなって思って」
腕を組んでいない方の手でかんざしを引き抜き、兄さんに見せる。
「かんざしを贈るのは『あなたを守ります』って意味になるんだ。告白とか求婚をする時の贈り物なんだって」
「え……は!?いや、そんなつもりは。あっ、違う、そのつもりだが、そんな意味は」
「わかってるよ。そもそも僕の前世の話だから兄さんが知ってるわけないし。でも初めて貰った時、びっくりしたけど嫌じゃなかった。思い返せばその頃から、兄さんのこと無意識だけど好きだったのかもね」
「ルカ……」
兄さんが僕の手首を掴み引き寄せた。兄さんの胸の中に収まると、背中に回された手のひらで優しく撫でられる。
兄さんの心臓の音が聞こえるような気がして落ち着かない。僕の心臓と同じくらいドキドキしているに違いない。
顔を上げると、思ったよりも兄さんの顔が近くにあった。そのまま顔を寄せて唇を重ねるとすぐに兄さんの舌が入ってきた。
「んん……」
舌先で上顎を撫でられるとゾクゾクする。歯列や舌の裏を優しくなぞられて身体から力が抜けていく。
「は……ふ……」
息継ぎを忘れて舌を絡ませるのに夢中になる。さすがに息苦しくなってきたと思っていると、兄さんの手が浴衣の合わせ目に差し込まれた。大きな手のひらが胸に触れる。
「あっ、やめて!」
思ったよりも大きな声が出てしまった。兄さんは一瞬目を見開いたが、すぐに浴衣の合わせ目から手を抜いてくれた。
「大きな声出してごめんね。でもこれ以上は止まらなくなりそうだから」
「は?え?」
「兄さんにかんざしのこと話せてよかった。明日は早いしそろそろ」
「外で過度な触れ合い禁止というあれは今も有効なのか?今の話の流れで?」
「それはそうでしょ。ここ普通の旅館だし」
「魔法でどうにかできないのか?」
「できそうだけど、万が一誰かに見られたら嫌だし」
兄さんは少しの間呆然としていたが、やがて頭を抱えて大きくため息をついた。
「これはもう生殺しだろ」
「そんな物騒な」
「だから宿暮らしの時の温泉は苦手なんだ。ルカがどんなに色っぽくても我慢しないといけないなんて辛すぎる」
「えっ?乗り気じゃなかったのってそういうことなの?」
「……温泉なんて大嫌いだ」
「ごめん兄さん!ごめんね」
その後兄さんの機嫌が直るまで僕は必死に謝り続けた。
時間はかかったが『トリフェの街に到着したら真っ先に不動産屋に行って家を借りる。そのあと冒険者ギルドに行く』と約束したら機嫌が良くなった。
はたして兄さんの中で、温泉が味噌汁レベルに必要不可欠になる日がくるのだろうか。とりあえず今のやり取りで確実に遠ざかったなと、自分の行動を猛省した。
そこでアファルータからミヅホを中継してイーザリアに向かうことにした。
ミヅホの国には何回も寄っているから、宿の手配から船の予約までかなりスムーズに終わらせることができた。思い返すと兄さんといろんな国を旅したなと感慨深い気分になる。
足りない食材を買い足したりしていたら、あっというまに日が過ぎた。出航日は明日だから、ミヅホで自由に行動できるのは今日が最後だ。昼は特にすることもないので、僕達はのんびりとお店を回ることにした。
「あー、醤油とか味噌を見ると買いたくなるなぁ」
「すでに十分あるだろう」
「もし保管分がなくなったらと思うと恐怖で……つい」
「そんなにか?」
「兄さんも一年くらい味噌汁飲めなくなったらわかるよ」
「……なんとなくわかった。えーっと」
「そんな意地悪なことしないよ。ちゃんと作るから安心して」
兄さんがあからさまにほっとした顔をした。僕も味噌汁の話で前世が日本人だと思い出すくらいには好きなので、兄さんが味噌汁好きになってくれて嬉しい。
そんな話をしながら歩いている間に、食材や調味料を扱う店が少なくなり、宝飾品や被服品を扱う店が並ぶエリアにたどり着いた。
「暑くなってきたね。イーザリア王国に着く頃には夏になってるかな」
「そうだな。夏になったらルカは十八才か。月日が経つのは早いな」
前世だと成人年齢は十八才だったなと、ふと思い出す。この世界ではとっくに成人済みだけど、なんとなくしみじみとした気持ちになった。
「あ、作務衣だ」
「気になるのか?」
「兄さんに似合うと思って。大きいサイズないかな」
「ルカは俺の服を選ぶ時、生き生きしてるな」
「うん。すごく楽しい」
「よくわからん」
作務衣を選んでいる間、兄さんはずっと不思議そうな顔をしていた。結局兄さんに合うサイズがなかったので、店を出てぶらぶらしていると兄さんの足が止まった。
「かんざしか。これなんてルカに似合いそうだ」
「もう何本も買ってもらったからいらないよ」
「数があっても困るものではないだろう。あと何本か追加で……」
「やめておこう。付けるの家の中だけだから持て余すよ」
「なら違う宝飾品を。あれとかよさそうだ」
「たくさんあるから大丈夫だよ。兄さん楽しそうに選ぶね」
「当たり前だ。綺麗な顔に飾るものだぞ。楽しくないわけがない」
兄さんの言葉を理解するのに時間がかかった。顔に集まる熱はしばらく引きそうにない。
兄さんは僕が返事をしないことを気にする素振りもなく、夢中で宝飾品を眺めている。
この人はこういう恥ずかしいことを、なんでもないようにさらっと言う時がある。
だめだ。嬉しくてニヤニヤが止まらない。全ての肯定的な感情が胸の中で混ざり合って、思わずその場で走り出したくなる。
「兄さん……」
兄さんの服の裾を引っ張る。ようやく兄さんの目が宝飾品から僕の方に向いた。
「どうした?」
ずるいなあ。僕の感情をこんなに乱しておいて、当の本人は穏やかな目で見つめ返してくるのだから。
「暑くなってきたから旅館戻ろう」
「そうだな。顔が赤いけど大丈夫か?茶屋で休憩でも」
「大丈夫。だって……なんでもない。行くよ」
だって茶屋だと兄さんにくっつけないじゃん。それを往来で言う気になれなくて、やっぱり兄さんはずるいなぁと思いながら、僕は兄さんを置いて歩き始めた。
早めに夕食を済ませて兄さんと旅館でくつろいでいると、陽が沈んで外が暗くなってきた。待ちわびていた夜の訪れに笑みをこぼす。
「兄さん早く行こう!せっかくの露天風呂付き客室なんだから楽しまないと!」
「はしゃぎすぎだ。転ぶなよ」
温泉につかると心地よい温かさが全身を包み込む。涼しげな春の夜風が温まった身体をなぞり、いつまでもここにいたいと思わせるほどの気持ちよさだ。
海風が花の香りを運び、夜空に浮かぶ星々が視界いっぱいに広がる。その情景が自分達は今、外にいるのだと実感させてくれる。
非日常感に癒されて僕も兄さんも自然と笑顔になっていた。
「落ち着くー」
「ルカは本当に温泉が好きだな」
「うん、大好き。これからはミヅホに来たら毎回温泉だね」
「それは、ちょっと……いや、そうだな」
しまった。兄さんはまだそこまで温泉が好きではなかったようだ。気まずさをごまかすために、仲居さんが用意してくれたものを取り出す。
「温泉につかりながら飲んでもいいのか?」
「もちろん。確認したから大丈夫。月見酒ってやつだよ。風流だね」
なんて偉そうに言ったけど、僕も初めての経験だ。景色を楽しみながら味わうようにお酒を飲む。
ミヅホ酒と呼ばれるお酒は見た目が日本酒そのもので、味もそのまま辛口の日本酒だった。辛口ながらすっきりとした飲み口でつい飲みすぎてしまいそうだ。
「ああ、これはいいな。初めは悪い事をしている気分になって落ち着かなかったが」
「そうだね。まさかこんなに感動するとは」
「なんだ。ルカも初めてだったのか」
「あ、バレたか」
「初めてならそう言えばいいのに」
「そうなんだけど、これは元日本人としてのつまらない意地というか……」
「なんだそれ」
兄さんが笑いをこらえきれず吹き出した。僕もつられて笑ってしまう。
笑いすぎたせいで景色を楽しむことを忘れ、温泉を出た頃にはひたすらミヅホ酒の話をしていた。
部屋に戻りドライヤーの魔法を兄さんと自分にかける。まだ寝るには微妙に早い時間なので、兄さんとゆっくり話をすることにした。
「顔が少し赤いな」
「やっちゃった。温泉に入りながらのお酒は酔いやすいから、気をつけてたのに。兄さんも水飲む?」
「頼む」
無限収納から冷たい水を取り出す。ついでに髪をまとめるためかんざしも手にした。その時に兄さんから初めてかんざしを贈られた時のことを思い出した。
あの時の僕は、前世を完全に思い出すことも、兄さんに前世のことを話すことも夢物語だと思っていた。兄さんと恋人になることは想像すらしていなかった。
そういえば、今ならあの時の夢想を実現できるな。せっかく思い出したのだから、行動あるのみだ。
髪をまとめたあと、布団の上に座る兄さんのすぐ隣に移動して、密着しながら腕を組んだ。照れた兄さんに逃げられないようにするためだ。
「ルカ?」
「兄さんに言い忘れてたことがあった」
「どうしたいきなり」
兄さんの表情には動揺の色が見えた。角度のせいで上目遣いで兄さんを見つめることになってしまうが、気にせず話を進める。
「かんざしを贈るのに意味があるって話」
「意味なんてあったのか?」
「この世界では特にないよ。前世の話。兄さんに伝えておきたいなって思って」
腕を組んでいない方の手でかんざしを引き抜き、兄さんに見せる。
「かんざしを贈るのは『あなたを守ります』って意味になるんだ。告白とか求婚をする時の贈り物なんだって」
「え……は!?いや、そんなつもりは。あっ、違う、そのつもりだが、そんな意味は」
「わかってるよ。そもそも僕の前世の話だから兄さんが知ってるわけないし。でも初めて貰った時、びっくりしたけど嫌じゃなかった。思い返せばその頃から、兄さんのこと無意識だけど好きだったのかもね」
「ルカ……」
兄さんが僕の手首を掴み引き寄せた。兄さんの胸の中に収まると、背中に回された手のひらで優しく撫でられる。
兄さんの心臓の音が聞こえるような気がして落ち着かない。僕の心臓と同じくらいドキドキしているに違いない。
顔を上げると、思ったよりも兄さんの顔が近くにあった。そのまま顔を寄せて唇を重ねるとすぐに兄さんの舌が入ってきた。
「んん……」
舌先で上顎を撫でられるとゾクゾクする。歯列や舌の裏を優しくなぞられて身体から力が抜けていく。
「は……ふ……」
息継ぎを忘れて舌を絡ませるのに夢中になる。さすがに息苦しくなってきたと思っていると、兄さんの手が浴衣の合わせ目に差し込まれた。大きな手のひらが胸に触れる。
「あっ、やめて!」
思ったよりも大きな声が出てしまった。兄さんは一瞬目を見開いたが、すぐに浴衣の合わせ目から手を抜いてくれた。
「大きな声出してごめんね。でもこれ以上は止まらなくなりそうだから」
「は?え?」
「兄さんにかんざしのこと話せてよかった。明日は早いしそろそろ」
「外で過度な触れ合い禁止というあれは今も有効なのか?今の話の流れで?」
「それはそうでしょ。ここ普通の旅館だし」
「魔法でどうにかできないのか?」
「できそうだけど、万が一誰かに見られたら嫌だし」
兄さんは少しの間呆然としていたが、やがて頭を抱えて大きくため息をついた。
「これはもう生殺しだろ」
「そんな物騒な」
「だから宿暮らしの時の温泉は苦手なんだ。ルカがどんなに色っぽくても我慢しないといけないなんて辛すぎる」
「えっ?乗り気じゃなかったのってそういうことなの?」
「……温泉なんて大嫌いだ」
「ごめん兄さん!ごめんね」
その後兄さんの機嫌が直るまで僕は必死に謝り続けた。
時間はかかったが『トリフェの街に到着したら真っ先に不動産屋に行って家を借りる。そのあと冒険者ギルドに行く』と約束したら機嫌が良くなった。
はたして兄さんの中で、温泉が味噌汁レベルに必要不可欠になる日がくるのだろうか。とりあえず今のやり取りで確実に遠ざかったなと、自分の行動を猛省した。
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