麗しの勘違い令嬢と不器用で猛獣のような騎士団長様の純愛物語?!

miyoko

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16.カルロス様は私のヒーローです

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「忙しい時に体調を崩してごめんなさい。」
私がカール様に謝ると、カール様は
「目が覚めたんだね。熱も下がっているようで良かった。」
そう言って抱きしめてくださったわ。ちょっと苦しいけど幸せだわ。
「無理をさせてすまなかった。」
「とんでもないですわ。私の体力不足です。カール様を見習って私も体を鍛えますわ。」
「・・・それはやめて欲しい。」
「そうですか?分かりましたわ。」
私は先程からどさくさに紛れてカール様の胸に頬擦りしているの。
「そんなに私の筋肉が好きなら直接触ってみるか?」
「えっ?よいのですか?」
「ああもちろん。ここの老夫婦に聞いたのだが、あのお爺さんの腕の筋肉を触らせてもらったらしいね…。」
「ひっ…。ご立派だったもので…。」
何故かしら、カール様からとても怖いオーラが出ている気がするわ。
「いくらでも私のを触らせてあげるから他の人のは触らないで欲しい。」
「分かりましたわ。約束します。」
良かったわ、いつものカール様に戻ったわ。

きっと自分の筋肉に誇りがあるのね。カール様の筋肉が一番に決まっているのに、お伝えしないとね。
「安心してください。カール様の筋肉が、一番ですわ。」
「そ、そうか。それは嬉しいな。」
やっぱり心配してみえたのね。お伝えして良かったわ。
「それでは約束だ、触ってくれ。」
「きゃー。」
突然上半身裸になられたので、思わず悲鳴をあげてしまったわ。でも恥ずかしかったけどしっかり目に焼き付けたわ。
「カ、カール様素敵です。大胸筋がこんなにも盛り上がって…。」
私は興奮して思わず直接頬擦りしてしまったの。するとカール様が、
「ロザリー、好きだ。」
って言ってくださって、私も嬉しくて
「私も大好きです。」
ってお伝えしたら、いままでのキスとは違う大人のキス?が降ってきて息が苦しくなってしまったの…。
「カール様、苦しい…で…す」
「ああ、すまない。危うく襲ってしまうところだった…。」
「襲う?」
「なんでもないよ。食事を持って来よう。それを食べたら馬車はないから申し訳ないが二人乗りで馬で帰ろう。あとは第一騎士団で十分だからね。」

「嬉しいですわ。カール様愛しています。」
「うっ…。その潤んだ瞳で言われると制御が難しくなるわけで、まだ私も精神の訓練が足りないようだな…。」
「えっ?何か言いましたか?」
「なんでもないよ。ちょっと待っていておくれ。」
そう言って、カール様が出ていこうとすると丁度騎士団の方が見えて
「カルロス様どうやら第二王子らしき者が浜辺に打ち上げられているようです。生きているかは不明です、いまから確認に行きますが第二王子の顔はカルロス様しか知らないため一緒に来ていただけないでしょうか。」
「カルロス様、私はもう少し眠りますのでどうぞ行ってきてくださいませ。」
「すまない、では行ってくる。」

カール様は本当に申し訳なさそうに出ていかれたわ。浜辺まではすぐ行けそうに見えるけどかなり距離があるものね。往復で一時間はかかるわね。少しだけ寝ましょう。そう思っていたのに扉がノックされて、忘れ物かしら?それとも老夫婦の方かしら?
「はい?」
私が返事をすると、扉が開いて、そこにはたしか第一騎士団長?って言われていた人が立っていたわ。
「喉が渇いたでしょう。どうぞお飲みください。」
なんだかこの人怖いわ。
「大丈夫ですわ。お気遣いいただきありがとうございます。」
「そうですか、飲んだほうが怖くなかったのにね…。」
「それはどういう意味ですか?」
その男は扉の鍵をかけて私に近づいてきたの。
「来ないで、来ないでください。」
大きな声で言ったのに全く止まってくれなくて、
「カルロス様助けて!」
思いっきり叫んでみたけど、
「誰もそばにはいないよ。老夫婦は薬で眠らせたし、騎士たちは俺の命令で作業をしているからな。カルロスも一時間は帰ってこれないだろう。」
「そんな…。」
「安心しな、優しくしてやるから、麗しのご令嬢。こんな上玉に会えるなんて俺もついてるな。」
「触らないで。」
「うるさい、お前筋肉が、好きなんだってな。顔は可愛いけど、ただの変態じゃないか、ほら俺のも触らしてやるよ。」
そう言って、男は上半身裸になり私の手を無理矢理自分の胸に持っていったわ。気持ち悪い…。

「いや、やめて。」
「せっかく触らしてやるって言ってるのに、じゃあ俺がお前のを触ってやるよ。」
抵抗したいのに物凄い力でびくともしてくれない、私の両手を片手でもち、服も下着も一気に破られてしまった。
「お願いだからやめて、お願いよ。」
胸を隠すものが無くなって男が気持ちの悪い笑みを浮かべているわ。怖いわ、カルロス様助けて…。男は私の胸を鷲掴みにすると気持ちの悪い声で話しかけてきた。
「心配するな、あんな奴より優しくしてやるさ…」
もう嫌、死んだほうがマシだわ。男の顔が私の胸に近づいてくる怖い、怖い、もうだめだと諦めた時、廊下の奥から猛獣が走っているのかと思うくらい大きな足音がして扉が蹴破られて、
「カルロス様…。」
私は安心して気絶してしまったわ。

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