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23.ビハンド伯爵家に行きます
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誘拐事件のせいでドレスのお礼のハンカチは作れなかったけど、カール様がロザリーが来てくれるだけで我が家では鉱山を掘り当てたような盛り上がりだからびっくりしないでくれると嬉しい…と言われたわ?どういうこと?カール様のエスコートで馬車から降りるとカール様のご家族様から使用人の方まで総勢六十人くらい?もっとかしら?の方々がずらりと並んでみえてびっくりしたわ。本当にどういうことかしら?まだ式は挙げていませんけど?
「ロザリーすまない。皆、私のことを心配してくれていてだな。なんとしてもロザリーを嫁にと変なスイッチが入ってしまっているわけだ。」
「それは私にとってはチャンスですね。カール様、私も皆様に気に入ってもらえるように頑張りますね。」
「いや、ロザリーは頑張らなくてもいつも通りで大丈夫だ。昨日の事件のことも我が家の者は知っている。だから、無理しないでおくれ。」
「ありがとうございます。カール様。」
私がカール様に微笑むとなぜか、そこら中から色っぽいため息が聞こえてきたわ。どういうことかしら?私が困惑していると、カール様が、
「我が家の者を紹介しよう。まずは私の父上であるルランド、隣が母上のデーテ、それから祖母のルミエール、弟のエディ、それから……。」
長ーい紹介のあとに、
「こちらは、俺の婚約者のハイゼル公爵家のロザリー嬢だ。」
って紹介してくださったわ。婚約者…。何回聞いてもいい響きだわ。私がうっとりしていると、おばあ様のルミエール様が、
「そのドレスを着てくれたのね。よく似合っているわ。ロザリーちゃん、カルロスのことよろしくね。」
と言ってくださって嬉しかったわ。私もカール様に相応しいと思って頂けるように、
「ルミエール様、素敵なドレスをありがとうございます。カルロス様にふさわしい婚約者になれるように努力しますので、ご指導の程よろしくお願いします。」
って、ドキドキしたけど婚約者らしい返事をしたわ。
「まぁなんて可愛らしいお嬢さんなんでしょう。カルロス、あなた本当に良かったわね。」
「ああ、本当に可愛らしいんだ…。」
「兄上、その顔はみっともないから辞めてくれ…。」
よく分からないけど皆さん笑顔だからこの返事で良かったみたい。するとカール様のお母様が、
「カルロス、そろそろ中庭にロザリーちゃんを連れて言ってあげたらどうかしら?ずっと緊張しているみたいで可愛そうだわ。」
って言ってくださったの。なんて優しい方なんでしょう。感動だわ。
「ああ、そうだな、ロザリー嬢昼食の時間まで少し二人で、中庭を見ないか?」
「是非、見たいですわ。」
私は嬉しくなって思わずカール様の腕にしがみついてしまったの。淑女としてはしたなかったかしら。そう思って焦ったのだけど、カール様のお父様が、
「カルロスの体に自ら触れてくれたぞ。私は夢を見ているのか?ロザリー嬢は女神なのか?」
って仰りながら涙を流されて…、
「あなた泣かないの!ロザリーちゃんがびっくりしてるじゃないの。ロザリーちゃん、これは嬉し泣きだから心配しないでね。嫌だ、使用人のみんなまで…、カルロス、早く行きなさい。また昼食で会いしましょうね。」
「はい、楽しみにしております。」
そこら中からすすり泣く声が聞こえてきて、心配になってきてしまったわ。でもカール様が、
「我が家の者はちょっと涙腺が弱いんだ…。嬉し泣きだから許してやってくれ。」
って言われたから、嬉し泣きなら良いわよね?
ビハンド伯爵家の中庭は可愛らしい感じのお庭だったわ。カール様のお母様も、おばあ様も可愛らしいお花が好きで、エディ様と昨年結婚されたセリーヌさんも可愛らしいお花が好きなのでこのような中庭になっているのだとか。
「カール様、とても心が落ち着きます。」
「ああ、私もこの空間が大好きなんだ。」
コスモスやゼラニウム、カンパニュラなど可愛らしいお花がいっぱいだわ。我が家のバラやユリの大輪の花も素敵だけどなんだかとてもホッとして素敵。
「こちらの温室は面白いぞ。」
温室が面白い?なにか珍しい花でもあるのかしら?
「まぁ、ここだけ春の野原のようですね。」
「そうだろう。これは祖母と祖父の思い出の温室らしい。さぁ、座ろう。」
温室の中は、シロツメクサ(クローバー)だけで、小高い丘のような作りになっていたの。カール様はピクニック用のシートを引いてくださったわ。
「ここの温室は家族以外絶対に入らない。とても自慢出来る温室ではないからね。でもここには沢山の思い出があるんだ。小さい頃は私やエディの遊び場だったからね。雨でも冬でも関係ないから真夏以外は遊んでいたよ。」
「そうなのですね。私、シロツメクサで、エマに花冠を作ってもらったことがありますわ。その時に私も教えてもらって、まだ覚えているかしら?」
「一緒に作るかい?」
「カール様も作ってくださるんですか?」
「ああ、私も覚えているか自信がないが一緒に作ってみよう。」
それから、私とカール様で思い出しながら素敵な花冠を作ることができたの。そのあと、四葉のクローバーを探したり、とても楽しかったわ。そこへカール様のおばあ様がみえて、
「そろそろ、食事の準備が出来たからいらっしゃい。まぁ、素敵な花冠ね。」
「二人で思い出しながら作ったんです。」
「これを私にくれないかしら?」
「えっ?これをですか?これで良ければ私は構いませんが、カール様よろしいですか?」
「ああ、もちろんだよ。」
「二人ともありがとう。あの人も喜ぶわ。」
そう言ってカール様のおばあ様は優しく微笑んでみえたわ。あの人ってたぶんカール様のおじい様よね。カール様の生まれる少し前に亡くなられたのよね。いまでもおばあ様はおじい様のことが大好きなんだわ。
「ロザリーすまない。皆、私のことを心配してくれていてだな。なんとしてもロザリーを嫁にと変なスイッチが入ってしまっているわけだ。」
「それは私にとってはチャンスですね。カール様、私も皆様に気に入ってもらえるように頑張りますね。」
「いや、ロザリーは頑張らなくてもいつも通りで大丈夫だ。昨日の事件のことも我が家の者は知っている。だから、無理しないでおくれ。」
「ありがとうございます。カール様。」
私がカール様に微笑むとなぜか、そこら中から色っぽいため息が聞こえてきたわ。どういうことかしら?私が困惑していると、カール様が、
「我が家の者を紹介しよう。まずは私の父上であるルランド、隣が母上のデーテ、それから祖母のルミエール、弟のエディ、それから……。」
長ーい紹介のあとに、
「こちらは、俺の婚約者のハイゼル公爵家のロザリー嬢だ。」
って紹介してくださったわ。婚約者…。何回聞いてもいい響きだわ。私がうっとりしていると、おばあ様のルミエール様が、
「そのドレスを着てくれたのね。よく似合っているわ。ロザリーちゃん、カルロスのことよろしくね。」
と言ってくださって嬉しかったわ。私もカール様に相応しいと思って頂けるように、
「ルミエール様、素敵なドレスをありがとうございます。カルロス様にふさわしい婚約者になれるように努力しますので、ご指導の程よろしくお願いします。」
って、ドキドキしたけど婚約者らしい返事をしたわ。
「まぁなんて可愛らしいお嬢さんなんでしょう。カルロス、あなた本当に良かったわね。」
「ああ、本当に可愛らしいんだ…。」
「兄上、その顔はみっともないから辞めてくれ…。」
よく分からないけど皆さん笑顔だからこの返事で良かったみたい。するとカール様のお母様が、
「カルロス、そろそろ中庭にロザリーちゃんを連れて言ってあげたらどうかしら?ずっと緊張しているみたいで可愛そうだわ。」
って言ってくださったの。なんて優しい方なんでしょう。感動だわ。
「ああ、そうだな、ロザリー嬢昼食の時間まで少し二人で、中庭を見ないか?」
「是非、見たいですわ。」
私は嬉しくなって思わずカール様の腕にしがみついてしまったの。淑女としてはしたなかったかしら。そう思って焦ったのだけど、カール様のお父様が、
「カルロスの体に自ら触れてくれたぞ。私は夢を見ているのか?ロザリー嬢は女神なのか?」
って仰りながら涙を流されて…、
「あなた泣かないの!ロザリーちゃんがびっくりしてるじゃないの。ロザリーちゃん、これは嬉し泣きだから心配しないでね。嫌だ、使用人のみんなまで…、カルロス、早く行きなさい。また昼食で会いしましょうね。」
「はい、楽しみにしております。」
そこら中からすすり泣く声が聞こえてきて、心配になってきてしまったわ。でもカール様が、
「我が家の者はちょっと涙腺が弱いんだ…。嬉し泣きだから許してやってくれ。」
って言われたから、嬉し泣きなら良いわよね?
ビハンド伯爵家の中庭は可愛らしい感じのお庭だったわ。カール様のお母様も、おばあ様も可愛らしいお花が好きで、エディ様と昨年結婚されたセリーヌさんも可愛らしいお花が好きなのでこのような中庭になっているのだとか。
「カール様、とても心が落ち着きます。」
「ああ、私もこの空間が大好きなんだ。」
コスモスやゼラニウム、カンパニュラなど可愛らしいお花がいっぱいだわ。我が家のバラやユリの大輪の花も素敵だけどなんだかとてもホッとして素敵。
「こちらの温室は面白いぞ。」
温室が面白い?なにか珍しい花でもあるのかしら?
「まぁ、ここだけ春の野原のようですね。」
「そうだろう。これは祖母と祖父の思い出の温室らしい。さぁ、座ろう。」
温室の中は、シロツメクサ(クローバー)だけで、小高い丘のような作りになっていたの。カール様はピクニック用のシートを引いてくださったわ。
「ここの温室は家族以外絶対に入らない。とても自慢出来る温室ではないからね。でもここには沢山の思い出があるんだ。小さい頃は私やエディの遊び場だったからね。雨でも冬でも関係ないから真夏以外は遊んでいたよ。」
「そうなのですね。私、シロツメクサで、エマに花冠を作ってもらったことがありますわ。その時に私も教えてもらって、まだ覚えているかしら?」
「一緒に作るかい?」
「カール様も作ってくださるんですか?」
「ああ、私も覚えているか自信がないが一緒に作ってみよう。」
それから、私とカール様で思い出しながら素敵な花冠を作ることができたの。そのあと、四葉のクローバーを探したり、とても楽しかったわ。そこへカール様のおばあ様がみえて、
「そろそろ、食事の準備が出来たからいらっしゃい。まぁ、素敵な花冠ね。」
「二人で思い出しながら作ったんです。」
「これを私にくれないかしら?」
「えっ?これをですか?これで良ければ私は構いませんが、カール様よろしいですか?」
「ああ、もちろんだよ。」
「二人ともありがとう。あの人も喜ぶわ。」
そう言ってカール様のおばあ様は優しく微笑んでみえたわ。あの人ってたぶんカール様のおじい様よね。カール様の生まれる少し前に亡くなられたのよね。いまでもおばあ様はおじい様のことが大好きなんだわ。
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