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22.カルロス様は猛獣かもしれません
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あの顔だわ、気持ち悪い…。やられっ放しは嫌なんてさっきは言ったけど物凄く怖いわ。
「お嬢ちゃん大丈夫かい?」
「ええ、ガゼル様頑張りますので、誘拐犯になりきってくださいね。」
「分かったよ。」
「やっと来たか、早く連れてこい、お前らこいつは俺の女だ絶対に手を出すなよ。」
「分かってますって、金をくれたら外で遊んでくるんで邪魔はしませんよ。」
「分かった、これでしばらく遊んで来い。さぁガゼル、早くこっちに連れてこい。」
「いまだ、カルロス殿!」
すごい速さだわ。カルロス様が闘牛のようなスピードで実際には馬に乗っているのだけど、いつの間に見つけたのか木の棒を振り回して軽々と五人程吹っ飛んでいったわ。慌ててビンツも逃げようとしたけど馬から降りたカルロス様に殴られて、カルロス様の乗ってきた馬に踏みつけられてる…。すごく痛そうね。カルロス様は仰っていた通り、破落戸を次から次へと殴ってやっつけてくださったわ。素敵…。
たしかにカルロス様にとって三十人は少なかったのかもしれないわね。倒れた破落戸をガゼル様が手際よく縛っていくわ。全員縛り上げたところで私もペチンとビンツの頭を叩いてやったの。始めて人を叩いてしまったわ。それからすぐに王宮の近衛騎士団の方々が馬の蹄の跡を追って来てくださったようで破落戸たちを全員ビンツも含めて連れて行ってくれたの。もう少しでガゼル様まで連れて行かれそうになってちょっと焦ったわ。ちゃんとカルロス様が話してくださらないんですもの。なにかカルロス様の気に触るようなことを私はしたのかしら?それから私は、急いでハイゼル公爵家にガゼル様と一緒に帰ってエマの無事を確認したの。お父様にはガゼル様を我が家の私付きの護衛騎士様にしてほしいとお願いしたわ。お父様はカルロス君が拗ねないか?なんて不思議なことを言っていたけど無事に護衛騎士になってもらえたの。
「ガゼル様よろしくお願いしますね。」
「ガゼル様はなしですよ。これからはガゼルでお願いします。お嬢様。」
「分かりましたわ。ガゼルよろしくお願いしますね。」
「お嬢様のおかげで兄弟の治療費も出せます。ありがとうございます。」
ガゼルは本当に優しい人なのね。しばらくするとカルロス様が来てくださったわ。
「では、お嬢様、俺は扉の向こうで待機しております。」
「ええ、お願いしますわ。」
「どういうことですか?ロザリー?なんでガゼルがここにいるのです。」
「カール様、ガゼルは私の護衛騎士になってくれたんですよ。」
「なんですって?私がいるではありませんか?」
「もちろん、カール様がいる時はカール様にお願いしますわ。でもカール様にはお仕事がありますから、その間はガゼルにお願いしますわ。」
「仕方がないことだと分かってはいるのですが、ロザリーが他の男といると思うと腹が立ちます。」
「いままでも護衛の方はいたではありませんか。」
「そうですね。ちょっと親しそうに見えたので嫉妬したのかもしれません。」
「カール様が嫉妬…。ごめんなさい。少し嬉しく思ってしまいましたわ。カール様、いまから少しだけ行きたいところがあるのですがお付き合いくださいませんか?」
「構いませんが、どこへ行くのですか?」
「手芸屋さんのおばあさんに顔を見せて安心してもらいたいのです。」
「それはいいですね、早速行きましょう。」
「ありがとうございます。」
ガゼルとエマには、待っていてもらうことになって二人で馬車に乗ったの。
「カール様、今日はカール様のとてもカッコいいところが見れて嬉しかったですわ。」
「怖くはなかったですか?」
「ええ、全く。私気づいたんです。カール様が猛獣というのは本当ですね。」
「えっ?ロザリー?」
「あれは褒め言葉だったんです!」
「そんなことはないと思うのですが…。」
「最初は闘牛のように見えましたの、でもその後は猛獣のように荒れ狂うカール様が、とてもカッコよくて…。」
「闘牛?猛獣?荒れ狂う?少し傷つきました。」
「えっ?ごめんなさい。嫌いにならないでください。」
「嫌いになどなりませんが、傷ついた猛獣を慰めてください。」
「えっ?どのようにですか?」
「ロザリーの思うように…。」
私の思うように?私がビンツに傷つけられた時、カール様は…。私の服を少し降ろして、私の顔はボンって真っ赤になってしまったわ。
「ロザリー顔が真っ赤ですよ。」
「上手く出来るか分かりませんがいまからカール様を慰めますわ。お腹を壊さないか心配ですけど…。」
「お腹を壊す?」
「いいんです。私のお腹なので…。」
私はカール様の服のボタンを外し始めたわ。
「ロザリー?何をするのですか?」
「ですから、カール様が私にしてくださったように慰めるのです。」
「えっ?」
私は勇気を出してカール様のお胸にチュッと口づけしましたわ。カール様は真っ赤になられてしまいましたけど、成功したのでしょうか?
「カール様?慰められましたか?」
「うっ、慰められました…。あなたは私の忍耐を試しておられるのか?」
私は突然カール様に息が出来ないほど激しい猛獣の口づけをされました。これはご褒美だったのでしょうか?ちなみに、おばあさんにはほんの一瞬だけ会う形になって…私はすぐにカール様にまた馬車まで運ばれたわ。それからカール様に、今後カール様への慰めは、
「ロザリーへの口づけにします!」
と宣言されたの。これは私へのご褒美じゃないのかしら?だけど、帰りの馬車で私は、もしかしたら口づけで死ぬことがあるかもしれない…と学んだの。
「お嬢ちゃん大丈夫かい?」
「ええ、ガゼル様頑張りますので、誘拐犯になりきってくださいね。」
「分かったよ。」
「やっと来たか、早く連れてこい、お前らこいつは俺の女だ絶対に手を出すなよ。」
「分かってますって、金をくれたら外で遊んでくるんで邪魔はしませんよ。」
「分かった、これでしばらく遊んで来い。さぁガゼル、早くこっちに連れてこい。」
「いまだ、カルロス殿!」
すごい速さだわ。カルロス様が闘牛のようなスピードで実際には馬に乗っているのだけど、いつの間に見つけたのか木の棒を振り回して軽々と五人程吹っ飛んでいったわ。慌ててビンツも逃げようとしたけど馬から降りたカルロス様に殴られて、カルロス様の乗ってきた馬に踏みつけられてる…。すごく痛そうね。カルロス様は仰っていた通り、破落戸を次から次へと殴ってやっつけてくださったわ。素敵…。
たしかにカルロス様にとって三十人は少なかったのかもしれないわね。倒れた破落戸をガゼル様が手際よく縛っていくわ。全員縛り上げたところで私もペチンとビンツの頭を叩いてやったの。始めて人を叩いてしまったわ。それからすぐに王宮の近衛騎士団の方々が馬の蹄の跡を追って来てくださったようで破落戸たちを全員ビンツも含めて連れて行ってくれたの。もう少しでガゼル様まで連れて行かれそうになってちょっと焦ったわ。ちゃんとカルロス様が話してくださらないんですもの。なにかカルロス様の気に触るようなことを私はしたのかしら?それから私は、急いでハイゼル公爵家にガゼル様と一緒に帰ってエマの無事を確認したの。お父様にはガゼル様を我が家の私付きの護衛騎士様にしてほしいとお願いしたわ。お父様はカルロス君が拗ねないか?なんて不思議なことを言っていたけど無事に護衛騎士になってもらえたの。
「ガゼル様よろしくお願いしますね。」
「ガゼル様はなしですよ。これからはガゼルでお願いします。お嬢様。」
「分かりましたわ。ガゼルよろしくお願いしますね。」
「お嬢様のおかげで兄弟の治療費も出せます。ありがとうございます。」
ガゼルは本当に優しい人なのね。しばらくするとカルロス様が来てくださったわ。
「では、お嬢様、俺は扉の向こうで待機しております。」
「ええ、お願いしますわ。」
「どういうことですか?ロザリー?なんでガゼルがここにいるのです。」
「カール様、ガゼルは私の護衛騎士になってくれたんですよ。」
「なんですって?私がいるではありませんか?」
「もちろん、カール様がいる時はカール様にお願いしますわ。でもカール様にはお仕事がありますから、その間はガゼルにお願いしますわ。」
「仕方がないことだと分かってはいるのですが、ロザリーが他の男といると思うと腹が立ちます。」
「いままでも護衛の方はいたではありませんか。」
「そうですね。ちょっと親しそうに見えたので嫉妬したのかもしれません。」
「カール様が嫉妬…。ごめんなさい。少し嬉しく思ってしまいましたわ。カール様、いまから少しだけ行きたいところがあるのですがお付き合いくださいませんか?」
「構いませんが、どこへ行くのですか?」
「手芸屋さんのおばあさんに顔を見せて安心してもらいたいのです。」
「それはいいですね、早速行きましょう。」
「ありがとうございます。」
ガゼルとエマには、待っていてもらうことになって二人で馬車に乗ったの。
「カール様、今日はカール様のとてもカッコいいところが見れて嬉しかったですわ。」
「怖くはなかったですか?」
「ええ、全く。私気づいたんです。カール様が猛獣というのは本当ですね。」
「えっ?ロザリー?」
「あれは褒め言葉だったんです!」
「そんなことはないと思うのですが…。」
「最初は闘牛のように見えましたの、でもその後は猛獣のように荒れ狂うカール様が、とてもカッコよくて…。」
「闘牛?猛獣?荒れ狂う?少し傷つきました。」
「えっ?ごめんなさい。嫌いにならないでください。」
「嫌いになどなりませんが、傷ついた猛獣を慰めてください。」
「えっ?どのようにですか?」
「ロザリーの思うように…。」
私の思うように?私がビンツに傷つけられた時、カール様は…。私の服を少し降ろして、私の顔はボンって真っ赤になってしまったわ。
「ロザリー顔が真っ赤ですよ。」
「上手く出来るか分かりませんがいまからカール様を慰めますわ。お腹を壊さないか心配ですけど…。」
「お腹を壊す?」
「いいんです。私のお腹なので…。」
私はカール様の服のボタンを外し始めたわ。
「ロザリー?何をするのですか?」
「ですから、カール様が私にしてくださったように慰めるのです。」
「えっ?」
私は勇気を出してカール様のお胸にチュッと口づけしましたわ。カール様は真っ赤になられてしまいましたけど、成功したのでしょうか?
「カール様?慰められましたか?」
「うっ、慰められました…。あなたは私の忍耐を試しておられるのか?」
私は突然カール様に息が出来ないほど激しい猛獣の口づけをされました。これはご褒美だったのでしょうか?ちなみに、おばあさんにはほんの一瞬だけ会う形になって…私はすぐにカール様にまた馬車まで運ばれたわ。それからカール様に、今後カール様への慰めは、
「ロザリーへの口づけにします!」
と宣言されたの。これは私へのご褒美じゃないのかしら?だけど、帰りの馬車で私は、もしかしたら口づけで死ぬことがあるかもしれない…と学んだの。
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