26 / 41
26おばあ様はおじい様のことが大好きで、私より筋肉が好きかもしれません
しおりを挟む
「いらっしゃい。待っていたわ。どうぞ入って。」
「失礼します。」
こ、これはたしかに、おじい様の思い出がいっぱいだわ。というか、おじい様がいっぱい…。あとは可愛いらしい小物がいっぱいね…。人形だけではなかったのね。こんなに沢山の肖像画初めて見たわ。でも瞳の色が少し薄いだけで、本当にカール様にそっくりだわ。
「びっくりさせちゃったかしら?」
「はい、一瞬カール様が沢山いるようでびっくりしました。」
「よく似ているでしょう。」
「ええ、本当に。」
「でもね、筋肉ではカルディオの方がまだ勝っているのよ。」
「それは本当ですか?ええそうよ。間違いないわ。私がカルディオの筋肉を間違いるわけがないもの。なんならそこのお人形が着ている近衛騎士団の時の制服の上着をそのシャツの上からでも着てみるといいわ。」
私は期待の眼差しでカール様を見たわ。
「ロザリーが着て欲しいなら着るが、なんだか近衛騎士団の入団テストより緊張するな。」
カール様は着ていたベストを脱いで、上着を着てくれたの。
「まぁ、本当ですわ。二の腕のところに少し余裕がありますわ。おじい様の筋肉はさぞかし素晴らしかったのでしょうね」
「うっ、筋肉で誰かに負けるなんて、信じられない。ロザリー、頼むからうっとりした顔で祖父の肖像画を見るのはやめてくれ。」
「カルロスそれは仕方のないことよ。あなたのおじい様の筋肉はもはや、芸術品なのですからね。」
「ええ、おばあ様のいう通りですわ。おじい様の筋肉は芸術品ですわ。もしや、このお人形さんはそこも精巧に作られていたりしますか?」
「もちろんよ。この上半身を見てあげて。」
「きゃー。」
おばあ様がもの凄い速さで服を脱がせるものだから思わず悲鳴をあげてしまったわ。
「おばあ様、ロザリーに何を見せようとしているのですか、おやめください。」
「そう?絶対に見たいと思ったのだけど…。」
「・・・とても見たいですわ…。でもおじい様に悪い気がしますし、なんだか浮気をするような気持になりますので見るのも触れるのもカール様だけにしますわ。」
「ロザリー…。」
「まぁ、カルロスは幸せものね。分かったわ。もう服を着せたから大丈夫よ。カルロス、いい加減ロザリーちゃんの目を隠すのはお辞めなさい。」
「分かりました。」
「ところでロザリーちゃんはどこの筋肉が一番好きなの?」
「一番ですか?うーん、逞しい腕でしょうか?あっ、でも分厚い胸板も好きです。」
「そうなのね、私はカルディオのお尻の筋肉が一番好きだわ。あんなにプリっと引き締まったお尻はないと思うのよ。」
そう言って、おばあ様がうっとりと優しくお人形のお尻を撫でるものだから、なんだか私は恥ずかしくなってきて、顔がゆでだこみたいに真っ赤になってしまったわ。
「おばあ様、その手つきはおやめてください。見ているこちらが恥ずかしくなります。」
良かったわ、カール様も同じ気持ちだったのね。
「そんなことを言われても、カルディオが生きていた時は毎日撫でていたのよ。淋しいわ。」
「毎日撫でていた…。」
私の顔からはボンって音がした気がするわ。もう刺激が強すぎて無理って思うのに聞きたいって思ってしまう私もいて、どうしましょう。エマがいてくれたら何かアドバイスをくれるのに。
「ロザリーちゃんは、毎日カルロスの胸板や腕に頬ずりしたくないの?」
「したいです。」
しまったわ、思わず即答してしまった。恥ずかしくてカール様の方を見れないわね。
「でも、カール様がお嫌でしたら、絶対にしませんので安心してくださいね。」
「嫌ではないが、おばあ様の前で話すのはとても恥ずかしいな。」
「私もですわ。」
それからは、おじい様の数々の武勇伝をお聞きして、頭の中ではカルロス様に置き換えて想像していたから思わずうっとりと聞き入っていたの。あっという間に時間は過ぎてしまって、
「ロザリー、そろそろ、君を送って行かないといけない時間だよ。」
「もうそんな、時間なのですね。おばあ様、素敵なお話を沢山聞かせて頂いてありがとうございました。特に王宮で誘拐されそうになった時に二階からおばあ様が飛び降りて、下でおじい様がキャッチしてくれたくだりはしびれましたわ。」
「そうでしょう。その時が、まさに私がカルディオと結婚すると決めた瞬間なのよ。でもね、この時の様子を見ていた何人かのご令嬢がカルディオに求婚しようとして、もの凄く焦ったわ。」
「まぁ、それは心臓に悪いですね。」
「その中には私よりも美しくて可愛らしいご令嬢も見えたから本当に気が気ではなかったわ。急に、私のカルディオにベタベタと触ろうとするのですもの。いままで、猛獣扱いしていたのに、急に素敵って言いだしたのよ。」
「カール様に他のご令嬢が触ろうとしたら、きっと嫉妬してしまいますわ。」
「そうでしょう。でもね、カルディオったら、触られても嫌だって言わなかったのよ。それが許せなくて、一か月、カルディオとは口を聞かなかったわ。」
「一か月もですか?私は寂しくて話しかけてしまいそうです。」
「そうね、ロザリーちゃんは優しいものね。」
「おばあ様いい加減にしてください。本当にロザリーを送って行かないと…。」
「そうね、カルロスごめんなさい。ついつい楽しくって、ロザリーちゃんまたお話しましょうね。」
「はい、おばあ様。」
私も、もう少しお話を聞きたかったけれど、日が暮れる前に帰るとエマと約束したからそろそろ帰らないとね。
「失礼します。」
こ、これはたしかに、おじい様の思い出がいっぱいだわ。というか、おじい様がいっぱい…。あとは可愛いらしい小物がいっぱいね…。人形だけではなかったのね。こんなに沢山の肖像画初めて見たわ。でも瞳の色が少し薄いだけで、本当にカール様にそっくりだわ。
「びっくりさせちゃったかしら?」
「はい、一瞬カール様が沢山いるようでびっくりしました。」
「よく似ているでしょう。」
「ええ、本当に。」
「でもね、筋肉ではカルディオの方がまだ勝っているのよ。」
「それは本当ですか?ええそうよ。間違いないわ。私がカルディオの筋肉を間違いるわけがないもの。なんならそこのお人形が着ている近衛騎士団の時の制服の上着をそのシャツの上からでも着てみるといいわ。」
私は期待の眼差しでカール様を見たわ。
「ロザリーが着て欲しいなら着るが、なんだか近衛騎士団の入団テストより緊張するな。」
カール様は着ていたベストを脱いで、上着を着てくれたの。
「まぁ、本当ですわ。二の腕のところに少し余裕がありますわ。おじい様の筋肉はさぞかし素晴らしかったのでしょうね」
「うっ、筋肉で誰かに負けるなんて、信じられない。ロザリー、頼むからうっとりした顔で祖父の肖像画を見るのはやめてくれ。」
「カルロスそれは仕方のないことよ。あなたのおじい様の筋肉はもはや、芸術品なのですからね。」
「ええ、おばあ様のいう通りですわ。おじい様の筋肉は芸術品ですわ。もしや、このお人形さんはそこも精巧に作られていたりしますか?」
「もちろんよ。この上半身を見てあげて。」
「きゃー。」
おばあ様がもの凄い速さで服を脱がせるものだから思わず悲鳴をあげてしまったわ。
「おばあ様、ロザリーに何を見せようとしているのですか、おやめください。」
「そう?絶対に見たいと思ったのだけど…。」
「・・・とても見たいですわ…。でもおじい様に悪い気がしますし、なんだか浮気をするような気持になりますので見るのも触れるのもカール様だけにしますわ。」
「ロザリー…。」
「まぁ、カルロスは幸せものね。分かったわ。もう服を着せたから大丈夫よ。カルロス、いい加減ロザリーちゃんの目を隠すのはお辞めなさい。」
「分かりました。」
「ところでロザリーちゃんはどこの筋肉が一番好きなの?」
「一番ですか?うーん、逞しい腕でしょうか?あっ、でも分厚い胸板も好きです。」
「そうなのね、私はカルディオのお尻の筋肉が一番好きだわ。あんなにプリっと引き締まったお尻はないと思うのよ。」
そう言って、おばあ様がうっとりと優しくお人形のお尻を撫でるものだから、なんだか私は恥ずかしくなってきて、顔がゆでだこみたいに真っ赤になってしまったわ。
「おばあ様、その手つきはおやめてください。見ているこちらが恥ずかしくなります。」
良かったわ、カール様も同じ気持ちだったのね。
「そんなことを言われても、カルディオが生きていた時は毎日撫でていたのよ。淋しいわ。」
「毎日撫でていた…。」
私の顔からはボンって音がした気がするわ。もう刺激が強すぎて無理って思うのに聞きたいって思ってしまう私もいて、どうしましょう。エマがいてくれたら何かアドバイスをくれるのに。
「ロザリーちゃんは、毎日カルロスの胸板や腕に頬ずりしたくないの?」
「したいです。」
しまったわ、思わず即答してしまった。恥ずかしくてカール様の方を見れないわね。
「でも、カール様がお嫌でしたら、絶対にしませんので安心してくださいね。」
「嫌ではないが、おばあ様の前で話すのはとても恥ずかしいな。」
「私もですわ。」
それからは、おじい様の数々の武勇伝をお聞きして、頭の中ではカルロス様に置き換えて想像していたから思わずうっとりと聞き入っていたの。あっという間に時間は過ぎてしまって、
「ロザリー、そろそろ、君を送って行かないといけない時間だよ。」
「もうそんな、時間なのですね。おばあ様、素敵なお話を沢山聞かせて頂いてありがとうございました。特に王宮で誘拐されそうになった時に二階からおばあ様が飛び降りて、下でおじい様がキャッチしてくれたくだりはしびれましたわ。」
「そうでしょう。その時が、まさに私がカルディオと結婚すると決めた瞬間なのよ。でもね、この時の様子を見ていた何人かのご令嬢がカルディオに求婚しようとして、もの凄く焦ったわ。」
「まぁ、それは心臓に悪いですね。」
「その中には私よりも美しくて可愛らしいご令嬢も見えたから本当に気が気ではなかったわ。急に、私のカルディオにベタベタと触ろうとするのですもの。いままで、猛獣扱いしていたのに、急に素敵って言いだしたのよ。」
「カール様に他のご令嬢が触ろうとしたら、きっと嫉妬してしまいますわ。」
「そうでしょう。でもね、カルディオったら、触られても嫌だって言わなかったのよ。それが許せなくて、一か月、カルディオとは口を聞かなかったわ。」
「一か月もですか?私は寂しくて話しかけてしまいそうです。」
「そうね、ロザリーちゃんは優しいものね。」
「おばあ様いい加減にしてください。本当にロザリーを送って行かないと…。」
「そうね、カルロスごめんなさい。ついつい楽しくって、ロザリーちゃんまたお話しましょうね。」
「はい、おばあ様。」
私も、もう少しお話を聞きたかったけれど、日が暮れる前に帰るとエマと約束したからそろそろ帰らないとね。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】ヤンデレ乙女ゲームの転生ヒロインは、囮を差し出して攻略対象を回避する。はずが、隣国の王子様にばれてしまいました(詰み)
瀬里@SMARTOON8/31公開予定
恋愛
ヤンデレだらけの乙女ゲームに転生してしまったヒロイン、アシュリー。周りには、攻略対象のヤンデレ達が勢ぞろい。
しかし、彼女は、実現したい夢のために、何としても攻略対象を回避したいのだ。
そこで彼女は、ヤンデレ攻略対象を回避する妙案を思いつく。
それは、「ヒロイン養成講座」で攻略対象好みの囮(私のコピー)を養成して、ヤンデレたちに差し出すこと。(もちろん希望者)
しかし、そこへ隣国からきた第五王子様にこの活動がばれてしまった!!
王子は、黙っている代償に、アシュリーに恋人契約を要求してきて!?
全14話です+番外編4話
脅迫して意中の相手と一夜を共にしたところ、逆にとっ捕まった挙げ句に逃げられなくなりました。
石河 翠
恋愛
失恋した女騎士のミリセントは、不眠症に陥っていた。
ある日彼女は、お気に入りの毛布によく似た大型犬を見かけ、偶然隠れ家的酒場を発見する。お目当てのわんこには出会えないものの、話の合う店長との時間は、彼女の心を少しずつ癒していく。
そんなある日、ミリセントは酒場からの帰り道、元カレから復縁を求められる。きっぱりと断るものの、引き下がらない元カレ。大好きな店長さんを巻き込むわけにはいかないと、ミリセントは覚悟を決める。実は店長さんにはとある秘密があって……。
真っ直ぐでちょっと思い込みの激しいヒロインと、わんこ系と見せかけて実は用意周到で腹黒なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:4274932)をお借りしております。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
助けた騎士団になつかれました。
藤 実花
恋愛
冥府を支配する国、アルハガウンの王女シルベーヌは、地上の大国ラシュカとの約束で王の妃になるためにやって来た。
しかし、シルベーヌを見た王は、彼女を『醜女』と呼び、結婚を保留して古い離宮へ行けと言う。
一方ある事情を抱えたシルベーヌは、鮮やかで美しい地上に残りたいと思う願いのため、異議を唱えず離宮へと旅立つが……。
☆本編完結しました。ありがとうございました!☆
番外編①~2020.03.11 終了
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
お母様が国王陛下に見染められて再婚することになったら、美麗だけど残念な義兄の王太子殿下に婚姻を迫られました!
奏音 美都
恋愛
まだ夜の冷気が残る早朝、焼かれたパンを店に並べていると、いつもは慌ただしく動き回っている母さんが、私の後ろに立っていた。
「エリー、実は……国王陛下に見染められて、婚姻を交わすことになったんだけど、貴女も王宮に入ってくれるかしら?」
国王陛下に見染められて……って。国王陛下が母さんを好きになって、求婚したってこと!? え、で……私も王宮にって、王室の一員になれってこと!?
国王陛下に挨拶に伺うと、そこには美しい顔立ちの王太子殿下がいた。
「エリー、どうか僕と結婚してくれ! 君こそ、僕の妻に相応しい!」
え……私、貴方の妹になるんですけど?
どこから突っ込んでいいのか分かんない。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる