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はじまりの夏
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誕生日当日は、各自の仕事が終わった午後からの誕生日パーティーになるということだった。
その前に僕とオードちゃんは山に行き、いつもの日課。
その時に誰よりも早く誕生日プレゼントを渡す算段だ。
「はい、誕生日おめでとう! っていっても、いつもと変わらないけどね」
そう言って温泉卵を渡すと、オードちゃんは驚いた評定をした後、満面の笑みになる。
「ありがとー! 一番最初の誕生日プレゼントが大好きな温泉卵って、すっごく嬉しい。ノルズくん、本当にありがとう!」
「ううん。僕はいつも通りのものをあげただけだから申し訳ないんだけどね」
「そもそも毎日温泉卵をくれるってだけで私はすっごくすっごく嬉しいよ。ノルズくん、本当にありがとね」
そう言って喜んでもらえるだけで僕には一番のプレゼントだよ、なんて言えるわけもなくて。
それでも嬉しいから僕もニコニコと笑って笑顔を返す。
そうして幸せなひとときを過ごし農場に戻ると、今日分の卵を渡してオードちゃんとは別れた。
「おいおい、なーにこそこそうまいことやってんだよお前はー?」
オードちゃんの後ろ姿に手を降っていると、後ろから頭を羽交い締めされる。
「ぐ、グロウ! いつからそこに!」
「昨日からだよ。こっちは寝ないで作業してやってたってのに、お前は早朝デートだとー? なんだよ、心配することないくらいに上手くやってるじゃねーか、このこの」
「わわ、やめ! やめてよ!」
そんなふうに五分ほどじゃれてから、僕らも自分の作業にはいる。
僕は作物の収穫と手入れ、あとはなの搾乳にシリカとはなのブラッシングだ。
チーかまはそのへんを走り回っていて、でも時より危ない方にはなが行こうとするとわんわん吠えて止めているから、もう十分牧羊犬として使えるだろう。
「……となると、次は羊かなぁ」
とはいえ牧草地もそんなに大きくないし、飼えるとしたら一匹が限度だろう。
農作物である程度の収入を得られるようになったとはいえ、まだまだそちらの方にはお金がかかるのだ。
「おーい、ノルズ! 看板上げちまうから手伝ってくれー!」
「あ、うんー」
そんな事を考えていると、グロウから指示が飛んでくる。
昨日キョウちゃんから作ってもらった看板はもう乾いていて、それを上げる作業だ。
「うんうん、そんな感じそんな感じー」
そこにはいつのまにかキョウちゃんも来ていて、看板を下げる時に指示を出す。
いいんだけど、この牧場って誰の牧場だっけ? まあ、いいんだけど。
「よし、完成だね! ノルズは一通り仕事は終わったの?」
「あ、うん。今日は一通り。あとは――」
「じゃあもう今日はこれでここから離れても大丈夫よね! グロウ、ノルズ借りてくからまたあとでねー!」
「おー……って、はっ!?」
今からグロウの手伝いをーと続ける前にキョウちゃんから腕を取られて、そのまま僕はダッシュで連れ去られる。
グロウも何事かを叫んでいたんだけれども、もうそれも聞こえず。
「キョ、キョウちゃん! 一体どこに行くの!?」
「海!」
「海ぃ!?」
そうして僕は、キョウちゃんにより海へと連れ去られることとなるのであった。
その前に僕とオードちゃんは山に行き、いつもの日課。
その時に誰よりも早く誕生日プレゼントを渡す算段だ。
「はい、誕生日おめでとう! っていっても、いつもと変わらないけどね」
そう言って温泉卵を渡すと、オードちゃんは驚いた評定をした後、満面の笑みになる。
「ありがとー! 一番最初の誕生日プレゼントが大好きな温泉卵って、すっごく嬉しい。ノルズくん、本当にありがとう!」
「ううん。僕はいつも通りのものをあげただけだから申し訳ないんだけどね」
「そもそも毎日温泉卵をくれるってだけで私はすっごくすっごく嬉しいよ。ノルズくん、本当にありがとね」
そう言って喜んでもらえるだけで僕には一番のプレゼントだよ、なんて言えるわけもなくて。
それでも嬉しいから僕もニコニコと笑って笑顔を返す。
そうして幸せなひとときを過ごし農場に戻ると、今日分の卵を渡してオードちゃんとは別れた。
「おいおい、なーにこそこそうまいことやってんだよお前はー?」
オードちゃんの後ろ姿に手を降っていると、後ろから頭を羽交い締めされる。
「ぐ、グロウ! いつからそこに!」
「昨日からだよ。こっちは寝ないで作業してやってたってのに、お前は早朝デートだとー? なんだよ、心配することないくらいに上手くやってるじゃねーか、このこの」
「わわ、やめ! やめてよ!」
そんなふうに五分ほどじゃれてから、僕らも自分の作業にはいる。
僕は作物の収穫と手入れ、あとはなの搾乳にシリカとはなのブラッシングだ。
チーかまはそのへんを走り回っていて、でも時より危ない方にはなが行こうとするとわんわん吠えて止めているから、もう十分牧羊犬として使えるだろう。
「……となると、次は羊かなぁ」
とはいえ牧草地もそんなに大きくないし、飼えるとしたら一匹が限度だろう。
農作物である程度の収入を得られるようになったとはいえ、まだまだそちらの方にはお金がかかるのだ。
「おーい、ノルズ! 看板上げちまうから手伝ってくれー!」
「あ、うんー」
そんな事を考えていると、グロウから指示が飛んでくる。
昨日キョウちゃんから作ってもらった看板はもう乾いていて、それを上げる作業だ。
「うんうん、そんな感じそんな感じー」
そこにはいつのまにかキョウちゃんも来ていて、看板を下げる時に指示を出す。
いいんだけど、この牧場って誰の牧場だっけ? まあ、いいんだけど。
「よし、完成だね! ノルズは一通り仕事は終わったの?」
「あ、うん。今日は一通り。あとは――」
「じゃあもう今日はこれでここから離れても大丈夫よね! グロウ、ノルズ借りてくからまたあとでねー!」
「おー……って、はっ!?」
今からグロウの手伝いをーと続ける前にキョウちゃんから腕を取られて、そのまま僕はダッシュで連れ去られる。
グロウも何事かを叫んでいたんだけれども、もうそれも聞こえず。
「キョ、キョウちゃん! 一体どこに行くの!?」
「海!」
「海ぃ!?」
そうして僕は、キョウちゃんにより海へと連れ去られることとなるのであった。
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