不吉な九番目の子だろうと、妾が次代のドラゴニア皇帝に決まっておろう!

スズキヒサシ

文字の大きさ
43 / 70

ホラ研は不滅じゃ

しおりを挟む
 サクラとアカネ、レッカの嘆願でホラ研が廃部になってしもうた。
 ガッカリしておると思うじゃろ?
 そんなことはないのじゃ。
 あの後、妾は部室の片付けという名目で会長とポーキュリと話すことができた。
 会長は「あら、ちょうどよかったわ」と言い、ポーキュリは「ふぅん」と他人事のようじゃったが、こうなる以前に、二人はしばらく学園を離れるつもりでいたらしい。

「わたしは一度、領内に戻って母の手伝いをするわ。その間にホロウバステオンの事も調べるつもり」

 会長の母君は亡くなった父君の代行で領主をしており、慣れない仕事に疲れ切っているため、一人娘の会長に戻って手伝うよう言っていたらしい。

「ぼくはホロウバステオンも気になるけど、それ以外の異界の入り口を探してみようと思ってるんだ」

 ポーキュリは廃墟巡りのために休学するとのこと。
 二人とも学園からいなくなれば、実質ホラ研は活動休止みたいなものじゃ。
 妾とシェン君、ジョーの三人では呪術の研究など何していいやらわからぬからな。

「まあ、ちょうどいいんじゃないか?」

 シェン君は妾とジョーの目が覚めるようなことを言い出した。

「だって、すぐに学期末試験だろ。勉強しないと」
「ん?」
「試験?」

 妾とジョーが、キョトンとする。

「おい、おまえら忘れたフリするな。来月初めから一週間試験だぞ。大丈夫か?」

 妾、すっかり忘れておったのじゃ。
 というか、最近は呪いのことで頭がいっぱいで授業も上の空だった。
 ジョーと顔を見合わせ、への字口になる。
 妾たちを見ていた会長が笑い出した。

「あなたたちこそ、ちょうどよかったじゃない。試験に落ちて来年も一年生だとポーキュリみたいに、クラスメイトに腫れ物扱いされることになるわよ」
「ぼくは腫れ物扱いされてるわけじゃない。友だちがいないだけだ」

 それはそれで悲しい気持ちじゃ。
 というわけで、妾たち三人はしばし勉強することになった。
 妾とシェン君は通常授業は心配ないが、実技のある授業の練習をして、それ以外はジョーの苦手科目を手伝って過ごした。
 そして、あっという間に試験が終わり、妾たちは冬休みへと突入したのじゃ。
 もちろん全員、無事に単位を取れたぞ。


 冬季休暇は二週間。
 妾は王宮の燃えさかる炎ノ宮バーニングパレスに戻ることになっておる。
 が、その前にーーー。
 妾とシェン君は、ジョーの家に遊びに行くことになった。
 ジョー、ことジュリア・ウエストウッドは、北方のヘデス王国の第二王女の娘じゃ。
 妾の母上が第三王女だったから、従姉妹ということになる。
 今は国内のウエストウッド伯爵に母君が嫁いだので、ヘデスの名ではないが、第二王女の娘であるジョーはもちろん王族の一員なのじゃ。
 ヘデス王国はドラゴニア帝国の属国なので、互いに関係は良好・・・・・・と妾は思うておったが、ヘデス一族は皇帝を、大切な第三王女をたぶらかした極悪非道の人物と認識しているらしい。
 それで、呪われた子を産むことになった可哀想な第三王女を心配しつつも、帝国とは一定の距離を取っている。
 ちなみに、妾のことも第三王女を呪う子どもとして、毛嫌いしているということじゃ。

 すんごい凹むわ~~。

 ジョーも最初は妾を憎んでおったようじゃが、今ではすっかりマブダチになっておる。
 毎日、昼休みに隣のクラスからやって来て、食堂でランチをする仲じゃ。
 シェン君は、他の男子と昼は過ごしておるから、妾はボッチを回避できて助かっておる。
 なんか、いまだにクラスの女子からは遠巻きにされておるのでな・・・・・・。
 そんなジョーに誘われて、妾とシェン君は冬季休暇の始めにヘデス王国に行くことになったのじゃ。
 妾はヘデス家の面々に顔を合わせるのが少し怖いのじゃが、ジョー曰く。

「大丈夫よ! みんな話せばわかる人たちだから! 特にうちのママンは、わたしと同じタイプだから仲良くなれるわよ」

 らしい。
 楽観的すぎる気もするが、本人がそう言っておるのでな。
 なんとかしてくれるはずじゃ。
 兎にも角にも、妾はヘデス王国に行く必要があるので、この誘いを断ることは出来なかった。
 なぜなら、ヘデス王国とドラゴニア帝国の境に、例のホロウバステオンがあるからじゃ。
 こんな誘いでもない限り、妾がおいそれとホロウバステオンに旅行に行くことなどできぬし、ジョーもそのために誘ってくれたのだから感謝しかない。
 父上や他の兄姉たちには、友だちの家に遊びに行くとだけ言えばいいのじゃからな。

 シェン君の方は、ちょっとお付きの侍従に反対されたらしい。
 冬季休暇は毎年、帝国の南にある温暖な保養地で過ごしていたらしいので、なぜ北に!? と嫌がられたと言っておった。
 シェン君の実家は、東方のアラガンなので、二週間しかない冬休みには帰らず、毎年、夏休みに帰るらしい。
 そのうち妾もアラガンに行けたらいいなぁと思うておる。
 遠いから父上にダメだと言われるかもしれぬが。


 まずは初めての冬休み。
 ジョーとシェン君と、ヘデス王国へ赴き、帰りの道中にホロウバステオンに立ち寄るのじゃ。
 楽しみなような、ちょっぴり怖いようなーーー。
 それにしても、この日記も長くなってきたのぅ。
 学園に通うようになって書くことがいっぱいなのじゃ。
 帝国の臣民であるみなのためにも、妾は明日もがんばるのでな。
 ではまたな~~!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

星降る夜に落ちた子

千東風子
児童書・童話
 あたしは、いらなかった?  ねえ、お父さん、お母さん。  ずっと心で泣いている女の子がいました。  名前は世羅。  いつもいつも弟ばかり。  何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。  ハイキングなんて、来たくなかった!  世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。  世羅は滑るように落ち、気を失いました。  そして、目が覚めたらそこは。  住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。  気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。  二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。  全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。  苦手な方は回れ右をお願いいたします。  よろしくお願いいたします。  私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。  石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!  こちらは他サイトにも掲載しています。

アリアさんの幽閉教室

柚月しずく
児童書・童話
この学校には、ある噂が広まっていた。 「黒い手紙が届いたら、それはアリアさんからの招待状」 招かれた人は、夜の学校に閉じ込められて「恐怖の時間」を過ごすことになる……と。 招待状を受け取った人は、アリアさんから絶対に逃れられないらしい。 『恋の以心伝心ゲーム』 私たちならこんなの楽勝! 夜の学校に閉じ込められた杏樹と星七くん。 アリアさんによって開催されたのは以心伝心ゲーム。 心が通じ合っていれば簡単なはずなのに、なぜかうまくいかなくて……?? 『呪いの人形』 この人形、何度捨てても戻ってくる 体調が悪くなった陽菜は、原因が突然現れた人形のせいではないかと疑いはじめる。 人形の存在が恐ろしくなって捨てることにするが、ソレはまた家に現れた。 陽菜にずっと付き纏う理由とは――。 『恐怖の鬼ごっこ』 アリアさんに招待されたのは、美亜、梨々花、優斗。小さい頃から一緒にいる幼馴染の3人。 突如アリアさんに捕まってはいけない鬼ごっこがはじまるが、美亜が置いて行かれてしまう。 仲良し3人組の幼馴染に一体何があったのか。生き残るのは一体誰――? 『招かれざる人』 新聞部の七緒は、アリアさんの記事を書こうと自ら夜の学校に忍び込む。 アリアさんが見つからず意気消沈する中、代わりに現れたのは同じ新聞部の萌香だった。 強がっていたが、夜の学校に一人でいるのが怖かった七緒はホッと安心する。 しかしそこで待ち受けていたのは、予想しない出来事だった――。 ゾクッと怖くて、ハラハラドキドキ。 最後には、ゾッとするどんでん返しがあなたを待っている。

9日間

柏木みのり
児童書・童話
 サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。   (also @ なろう)

四尾がつむぐえにし、そこかしこ

月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。 憧れのキラキラ王子さまが転校する。 女子たちの嘆きはひとしお。 彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。 だからとてどうこうする勇気もない。 うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。 家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。 まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。 ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、 三つのお仕事を手伝うことになったユイ。 達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。 もしかしたら、もしかしちゃうかも? そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。 結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。 いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、 はたしてユイは何を求め願うのか。 少女のちょっと不思議な冒険譚。 ここに開幕。

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!

mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの? ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。 力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる! ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。 読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。 誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。 流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。 現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇 此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。

【もふもふ手芸部】あみぐるみ作ってみる、だけのはずが勇者ってなんなの!?

釈 余白(しやく)
児童書・童話
 網浜ナオは勉強もスポーツも中の下で無難にこなす平凡な少年だ。今年はいよいよ最高学年になったのだが過去5年間で100点を取ったことも運動会で1等を取ったこともない。もちろん習字や美術で賞をもらったこともなかった。  しかしそんなナオでも一つだけ特技を持っていた。それは編み物、それもあみぐるみを作らせたらおそらく学校で一番、もちろん家庭科の先生よりもうまく作れることだった。友達がいないわけではないが、人に合わせるのが苦手なナオにとっては一人でできる趣味としてもいい気晴らしになっていた。  そんなナオがあみぐるみのメイキング動画を動画サイトへ投稿したり動画配信を始めたりしているうちに奇妙な場所へ迷い込んだ夢を見る。それは現実とは思えないが夢と言うには不思議な感覚で、沢山のぬいぐるみが暮らす『もふもふの国』という場所だった。  そのもふもふの国で、元同級生の丸川亜矢と出会いもふもふの国が滅亡の危機にあると聞かされる。実はその国の王女だと言う亜美の願いにより、もふもふの国を救うべく、ナオは立ち上がった。

中学生ユーチューバーの心霊スポットMAP

じゅん
児童書・童話
【第1回「きずな児童書大賞」大賞 受賞👑】  悪霊のいる場所では、居合わせた人に「霊障」を可視化させる体質を持つ「霊感少女」のアカリ(中学1年生)。  「ユーチューバーになりたい」幼なじみと、「心霊スポットMAPを作りたい」友達に巻き込まれて、心霊現象を検証することになる。  いくつか心霊スポットを回るうちに、最近増えている心霊現象の原因は、霊を悪霊化させている「ボス」のせいだとわかり――  クスっと笑えながらも、ゾッとする連作短編。

処理中です...