高校生、戦国を生き抜く ⚠️〜無自覚⁇勘違い⁇居候のドタバタ大騒動〜👀

神谷アキ

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2、居候が3人

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「お前あっち行けよ」
「ここは俺の場所だ!」
「なあ、おかわりってあるのか?」

朝から食卓がやけに騒がしい。
今までは俺と敏之、二郎丸の三人だったのに、今日から重孝と鉄が加わったせいだ。
食べ始めようとしたら重孝と鉄が乱入してきて、この通り。

重孝は二郎丸を押しのけようとし、二郎丸は怒鳴り返す。
仲良くできるかと思ったら、むしろ火花を散らしている。

二郎丸は、ちょっと背伸びして大人っぽい話し方をしているが、感情的になると年相応。
重孝は、威張ってるけど、ちょっと子供っぽい甘えが混じっている。

年も近いのに、なんでこうも反りが合わないんだろう。同族嫌悪ってやつかもしれない。
二人とも素直なのに、ちょっと性根が曲がっているというか。

あ、重孝が二郎丸を無理やり退かした。

「おい、何するんだ!」
「ちょっとくらいそっち詰めろよ」
「お前が割り込んで来たんだろうが!」
「真人ー、そこのお茶取ってくれ」

……しかも鉄は鉄で、完全にマイペース。はいはい、と渋々お茶を渡す真人。

「なあ、鉄と重孝は今日どうするんだ? 俺はご飯食べたら二郎丸に算学を教えるけど」

「算学を? じゃあ俺も聞く」
「お前は来るな!」
「俺は城下町をぶらぶらしてくる」」


二郎丸は断固拒否。まあ今の様子を見れば当然か。
鉄は城下町に行くらしい。

正直、俺もそっちがいい。

「二郎丸、どうせなら重孝も参加させてやれよ。こいつも暇そうだし。一応客人扱いなんだから」

「そうだよ二郎丸。真人の言う通りだ。少しくらい我慢してやってくれ」

敏之まで加勢して、結局二郎丸は折れた。
……はあ、俺の負担がまた増えた。

「じゃあ食べたら俺の部屋に来いよ。勉強中にケンカしたら宿題を増やすからな!」

「えー!」

「ごちそうさまでした」

不満の声を無視し、膳を下げる。

頭をすっきりさせるために井戸に向かい、水で顔を洗った。
バシャバシャ、と冷たい水が気持ちいい。

と、その時。建物の影で声がした。

「……で、あるから二郎丸様に……」
「今度の……に……」

建物の影で何やらこそこそ話している。
聞き取れなかったし、まあ関係ないか。そう思って部屋に戻った。


授業を終えた俺は、縁側でだらんと横になっていた。
ちょうど通りかかった敏之が声をかける。

「お疲れ、真人。どうだった?」
「ああ、ちゃんと聞いてたよ。ライバル心が芽生えたのか、やけに集中してた」
「それはよかった」

「ああ、2人ともちゃんとできてたよ。なんかライバル……いや、競争心が芽生えたらしくてすごく集中して聞いてた」

敏之は微笑むが、すぐに真剣な顔に変わる。

「ところで真人、今の斎賀家の事情を知ってる?」
「ん?何かあったの?」

「家督争いだよ。二郎丸とのね。……真人が捕まったことを、私の力不足だと言う家臣もいてね」

「なんだよそれ!二郎丸は敏之を慕ってるし、あれは俺のせいだろ!」

「本人はまだ気づいていないと思う。けれど過激な人間が動き出すかもしれない。真人も気をつけて」

「襲われるってことか!?」
「そう。鉄さんに守ってもらったほうがいいかも」

 その言葉で、井戸の影の会話を思い出した。

「あ、そういえば朝、怪しい話声を聞いた」
「……本当に?何か企んでいるのかもしれないな」

敏之は考え込む。俺も背筋が寒くなった。

戦国時代は怖い。どうすればいいか考えていると、鉄が帰ってきた。


「鉄、城下町はどうだった?」

「活気があっていいねぇ。食も結構種類があったし。はあ、ここは眠たくなるな……」

そう言って俺の隣に寝転がる鉄。自由すぎる。
全く、居候が増えただけだ。

重孝は二郎丸と何かの対決をしてるみたいだし。

「お前、せめて護衛くらいしてくれよ。今危ないんだぞ?」
「知ってるさ。ご主人様は俺が守ってやるよ」

「ふざけないでちゃんと守ってくれよ?……え、知ってるの?」

「家督争いのことだろう?家臣たちが話してたぜ。ついでにもう一つ情報をやろう」

「なになに」

「近日中に、宣教師が来るらしい。つまり、南蛮の客人になめられないようにする必要がある。多分、家督争いで仕掛けてくるのはそこだ」

「どういうこと?」

鉄の説明によれば、接待を敏之に任せ失敗させる──それが二郎丸派の狙いだという。

「おお、なるほど! 頭いいな」
「だから真人も同行しろよ。助けになれるはずだ」

「そうだな。あとで敏之に話しておくか」

「ああ。じゃあ、仕事をしたに褒美をくれ」

「褒美?でもあげれるものなんて何も……」

「そんな大したものじゃなくていい。今日の夕飯でおかずをくれ」

「安っ!」

笑い合った結果、俺は焼き魚を奪われてご飯と味噌汁しか残らなかった。

―――

 鉄の予想が当たったようだ。
今日、宣教師の出迎え役に敏之が選ばれた。あと一週間で来るらしい。

「やっぱり敏之が推薦されたな」

「一体何を仕掛けてくるのか……」

「どんな手でくるかわからない。とりあえず、接待の準備だけでも完璧にしよう」

「そうだな」

「鉄も前みたいに、何かわかったことがあったら俺と敏之にも教えて」

「了解」

 ひとまずそこで解散をして、それぞれの部屋に戻った。

俺は自室に戻って、宣教師のことを考える。宣教師はルイス・フロイスが有名だよな。
教科書を開いて、ルイス・フロイスを探す。

「あった! えーと、ポルトガルのカトリック司祭、宣教師なのか。織田信長や秀吉と関わったから有名なんだ。日本史で先生が話してたな。宣教師の来日がきっかけになって南蛮貿易が活発になったとか。待てよ……」

 ルイス・フロイスについて読みながら宣教師とはどんな人だったかを調べる。
でも、南蛮貿易について思い出したときにあることが閃いた。

「たしか金平糖も宣教師からのプレゼントだったよな……。信長もその形と味に驚いて、金平糖がお気に入りになったんだよ。じゃあ、今回来る人も外国からいろいろな物を持ってきているってことだよな?」

 金平糖はとても珍しくて、公家や一握りの武士しか食べられなかったって聞いたけど、それ以外にも珍しいものを持ってくるかも。

戦国時代の人には価値のないものでも、真人からしたら凄い価値のものとか。
だんだん真人の顔がにやけ始める。

これは絶対に成功させて、何かおこぼれをもらわないと!

 テストに雑学なんて役に立たないと誰かが言っていたけれど。
知ってるのと知らないのじゃ天と地ほどの差がある。
日本史の先生ありがとう。

 日本史オタクの先生に感謝をして、絶対に今回の接待は失敗できないと再確認する。
ここでは食べられないお菓子に囲まれている自分を妄想する。
甘いものも最近食べてないし、お菓子が食べたい。


 ――そして一週間後。

「あと一刻で到着らしい」
「よし……行くか」

「できる限りの準備はやった。後はもう、なるようになれ、だ」
「おい、真人は何もしていなかっただろ」

「いや、お菓子のために沢山考えたんだ」
「お菓子?」

 鉄と軽口を言い合って、敏之の部屋に向かう。
敏之はいつもよりピシッとした格好をして小姓さんと話をしていた。


「今のところ問題はない?」
「うん、大丈夫。確認したけど、食事や広間も準備はしっかりできているって」   

「いつ頃来るんだ?」
「あと一刻ほどみたい」

「真人、俺は広間に入れないから何かあったら敏之を手助けしてやれよ」
「言われなくても」

「鉄さんはどうしてるの?」
「俺は広間の外にいるから、何かあったら呼べばいい。でも、多分他の家臣達に入れないようにじゃまされるはずだ」


 鉄がこう言うのも、広間には最低限の人しか入れないらしい。
これも二郎丸派の策なのはわからないが。

 「ところでさ、宣教師って布教をする許しを求めてくるんでしょ?それはどうするか決まっているの?」

宣教師の人達がくる根本的な理由を尋ねる。
布教を許さないところも多いらしいからね。

「うん、父上達と話し合って布教活動のみなら許可するって。その見返りとして、鉄砲やそれに伴う技術を教えてもらう」

「布教活動を許可するだけで、そんなに条件があるの?」

「宣教師達は、まず第一に布教することを目的にしている。他にも様々な理由があるだろうけど、自分たちが日の本に居続けるために少しは条件をのむと思う」

「鉄砲はどこの武将も欲しがっている代物。見返りに貰えたら大きな成果にできる」
「そう。最低限、鉄砲のことは確保したい」

ChatGPT:

承知しました!
流れはそのままに、テンポと緊張感を少し強め、言葉を磨きました。

すごい。
この年で家の将来を背負って交渉するなんて――やっぱり敏之はただ者じゃない。

そう思いながらも、三人で気を張らずに談笑していた。
やがて、一時間ほど経ったころ。小姓が慌ただしく駆け込み、深々と頭を下げる。

「宣教師一行、到着いたしました」

室内の空気が一変する。雑談していた口も自然と閉じ、緊張が走った。

「よし、行こう」

敏之が静かに立ち上がる。

「そうだな」

真人も頷いた。
その背に、鉄がぽんと手を置く。

「……頑張れよ」

短い一言に、不思議と力がこもっていた。
俺たちは広間へと歩を進める。

どんな人なんだろう、宣教師って。
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