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学園編
フラン先生は忙しい
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「ふぇぇぇ!!わ、わたしが二人の担当ですかぁぁ!」
フラン先生は学園の先生たちが集まる教授会と呼ばれる会議の中で自分が置かれた立場も弁えずにかなりの大声で叫んでいた。
この度、学園人事において水の魔塔所属である宮廷魔法師フラン・オズワルドはアレク・サトゥーラ第一王子及び、その婚約者たるアイリーン・サラトムの担当教師となったのだ。
「これはすでに決定事項だ。フラン教授、二人のことは頼んだぞ?」
ヘンリー教頭は反論は許さずと言わんばかりにジロリとフラン先生を睨め付ける。
フラン先生はすでに蛇に睨まれた蛙のように身体を硬直させており顔は死人のように青ざめている。
「は、はぃぃ・・・」
もちろん一介の教師が組織の判断を断れるはずもなかった。
アレク王子は平凡な容姿ながら宮廷魔法師の長たるガルシアから魔法を教わったこともあって、ついこないだ開催された王城での舞踏会では単身で巨大なシャンデリアを吹き飛ばしたと聞き及んでいる。
もし話が本当であれば、かなり腕の立つ魔法師だ。
また婚約者のアイリーン・サラトムもあの恐怖の代名詞とも呼ばれている厳つく強面で有名なガスタル辺境伯が孫娘を溺愛しているといわれており、もしなにか粗相でもすれば自分の首が(物理的に)飛んでしまうかもしれない。
フラン先生にとってこの人事はまさに罰でしかない。
(私なんかに務まるはずありませんよぉぉ)
フランは心の中で精一杯反論した。
♢
フラン先生はライトグリーンでふわっとした癖っ毛のあるショートボブの髪型に大きな目と小さな口、顔半分はあるぐらい大きな丸いふちの眼鏡、見た目は14歳ぐらいにしか見えないほどの童顔だが実は32歳。身長は145センチと小柄ながらに大きくたわわに実った胸にはいつも男子学生の多くが釘付けとなっていた。
「いやらしい」
「男子サイテー」
と年頃の女子生徒たちはさんざん男子を見下して言っておきながら、自分たちは「どうすればそんなに胸大きくなるんですか?」などと真剣に相談してくるのであった。
「あはは、そうですねえ、どうしてこんなに大きくなったのでしょう」
フラン先生は笑って誤魔化す。
「先生は有名な魔法師なんですよね?ぜひ私たちのために胸が大きくなる研究をしてください!」
「私たちのために、ぜひ!お願いします!!」
必死に縋る女子生徒たち。
フラン先生は短い眉尻を下げて自分を囲む生徒たちに精一杯困った顔を示したが、生徒たちには一切通じなかった。
「うーん、そんな研究できるのかなぁ」
「そんな研究だなんて!世の女性すべての悲願ですよ!?」
「先生はそんなにも恵まれているから私たちの悩みがわからないだけです!」
「自分がそんなにも恵まれているからって、私たちに手を差し伸べる優しさは無いのですか!?」
(えー!?そ、そんなこと言われても・・・)
「ま、まあ、ダメかもしれないけど今度学園長に相談してみるね」
「はい!お願いします!」
フラン先生は断ら(れ)ない人だった。
こんな時に頼りになるのは学生時世話になった大先輩でもあり、現在学園長であるアーシェラの存在である。
フラン先生は学園長に泣きついた。
「アーシェラ先輩!胸を大きくする方法を教えてくださぁい!」
「そんなの知らないわよ!知ってたらとっくに自分で使ってるわ!!」
「生徒たちが質問してくるんですぅぅ!」
「自分でお考えなさい!あなたも魔法師なんだから自分で開発すれば良いじゃないの?」
「自分だと実験の確認が出来ないんですぅぅ!」
「あんた、私に喧嘩売ってるの?」
「ふぇぇぇん!!違いますぅ!」(泣)
こうして大好きなアーシェラ学園長に泣き縋るも、いつも冷たくあしらわれるフラン先生なのであった。
しかしながらフラン先生ことフラン・オズワルドは若くして国に認められた才媛であり、この王国の宮廷魔法師である。
フラン先生は魔塔に自らの工房を持っており、普段は水属性の魔法の研究に勤しんでいる。
その成果は水魔法による生活環境改善の方法を編み出して国家に貢献したこと。
特にポーション作りにおいては品質の改良と品質安定に貢献し、今までポーションの出来にはムラが多かったものを一定の品質を維持できる仕組みを作った。ポーション品質においては革命を起こすほどの成果を成し遂げたほどだ。
そこで学生の時の先輩でもあったアーシェラ学園長の口利きで学園での教授席を得ることになる。
当時、女性の教授はほとんどおらず王族であったアーシェラが学園長だったからこそ栄えある教授席に抜擢されたのだ。
フランの将来の夢は伝説の秘薬とも呼ばれ、初代国王アルテマのみ作り出すことが出来たという幻の秘薬、そして今は作り出すことのできない万能薬「エリクサー」の開発。
その作り方を発見すること。
そのためにフラン先生は今日も研究に没頭するのであった。
そうした華々しい過去をもったフラン先生だが教授会にて突然の命が下る。
冒頭の件であるが、フラン先生は教師としてはまだキャリアも浅いにもかかわらず、多くの華々しい成果を誇る若手エリートとして今回の任務の責任者として白羽の矢が当たったのだ。
それは栄えあるお役目として、アレク第一王子と婚約者であるアイリーンのクラス担任及び、魔法科の担当になったというわけだ。
その背景として他の先生たちが面倒事を恐れて二人の担当をやりたがらなかっただけであった。
そしてそれを若手のフランに押し付けただけなのだが教授陣はもうこれで無事一件落着と一息吐いて胸を撫で下ろしている。
こうしてフラン先生はアレク王子の担当になったのだが、予想通りというべきか予想以上にアレクは色々と騒ぎを引き起こしてくれた。
「フラン先生!アレク王子が魔法で修練場を壊しました!」
「フラン先生!アレク王子が剣術の授業で上級生たちを全員大怪我させたそうです!」
「フラン先生!アレク王子が!」
などなど。
こうしてフラン先生はトラブル王子に振り回される日々を送ることになった。
そして今日もまたアレク王子が何か問題を起こすと必ずフラン先生が呼び出されるのであった。
ただ真面目なフラン先生の日頃の行いが良かったのかわからないが、今のところアレクがしでかした事件の中でも一番大きなもので修練場の施設の一部破損ぐらいで済んでいるだけだったのでまだ良かった方なのかもしれない。(王城ではアレクの火魔法で倉庫が燃えた)
そんなフラン先生にも思わぬ事件が発生する。
なんと自分の生涯の目標である「エリクサー」の開発をアレク王子があっさりと成し遂げてしまったのだ。
「な、なんでぇぇぇ」
訳がわからない。
過去いくつもの難解な問題を解き明かしたフラン先生だが、今回限りは全くもって見当がつかない。しかし、エリクサーの実証のためにさまざまな実証実験を行うが、ことごとく万能薬としての効果を立証してしまう。
「どうしてぇぇぇ」
エリクサーであることは証明できたが、どうやって作ったのかの原因がわからない。
フラン先生は一夜、また一夜と徹夜を重ねた。
目の下にクマをつくってフラフラと授業をするフラン先生は講義をしながらも頭はエリクサーのことでいっぱいだ。しかし寝不足だけど考え事をしながら普通に授業をこなすフラン先生は確かに異常であった。
そして三日経った日のこと。
「ひょっとしてアレク王子の魔法属性が全属性なのと関係しているのでは?」
人は思考する生き物である。
思考は世の不思議を解き明かそうとする哲学となった。
そして世の理を思考によって解き明かそうとする集団こそ、この星においては魔塔に住まう魔法師たちであり、フラン・オズワルドもその一人である。
ついにエリクサー誕生のキッカケを掴めたように感じたフラン先生はアレク王子の存在にこそエリクサーが復活したという根拠にいたる。
しかし問題があった。
エリクサーを作れるのはアレク王子しかいない。
ということは何かしらアレク王子がエリクサーを作る際に根拠を示すヒントを得なければならない。
特にアレクは王国唯一、いやこの星唯一の全属性の魔法使いである。したがって彼が生み出す魔法の源泉がどこから発生するかを突き止めなければならないのだ。
全属性の魔法師は初代国王アルテマ以来存在しないため、唯一無二の希少な存在である。
したがってカエルと違っておいそれと解剖、分解をすることが出来ないのだ。
しかし、
「アレク王子の体の一部を調べてみたら、血、皮膚、髪の毛、唾液、爪ならどうかしら・・・」
ここ数日徹夜続きのせいか、フラン先生の思考は危ない方向に逸れていく。
「でも運良く爪を切っている時に立ち会えるわけもないし・・・」
んー、
「ちょっと血をわけてください♡なんて言ったらどうなることか、でもぉ、研究のためなら仕方ないかもぉ・・・やっぱり人類全体のためなら一人の犠牲ぐらいどうってことないよね」
マッドサイエンティストの血が騒ぐフラン先生であった。
「そうだわ。アレク王子も一応王族だし、同じ王族出身のアーシェラ先輩に頼んで許可を得ればいいんだ」
我ながら名案。
フラン先生はアーシェラ学園長に許可をもらいに行ったところ、いつも以上に怒られてあわや解雇処分寸前までいきそうになった。
「あなた、解雇どころか、死罪よ?本当に死罪になりたいの?」
「ふええぇん!!違いますうぅ!」
「どこに王子の身体を解剖したいと願う魔法師がいるというの!?許可どころか、この話が表に出ただけであなたは王子殺傷未遂で死罪確定よ?わかってるの?」
「そ、そんなぁぁぁ!!ちょっ、ちょっと考えただけぢゃないですかぁぁぁ!!」
「あのねえ、ちょっと考えても王子を解剖するなんて考えには至らないわよ!!本当わかってるの?」
「ふええぇぇん!」
泣きじゃくるフラン先生を見たアーシェラ学園長は冷静を取り戻し、三徹したフラン先生の思考が研究に追い詰められたゆえの異常だったと理解する。
こうして学園長の情けでフラン先生の首は無事つながった。
結果として、
アーシェラ学園長の指示によってフラン先生はアレク王子にエリクサーを作ってもらい成分分析から始めましょうということで話しはまとまった。
「もー、せっかく今までの魔法理論の常識を覆すかもしれない研究だったのにぃ・・・」
アーシェラ学園長にあれだけ叱責されたにも関わらず、さっきまで大泣きしていたフラン先生はまったく落ち込んだ様子はなく、無理なものは仕方ないと割り切った様子であった。
「あーあ、ざんねぇん。アーシェラ先輩の許可さえあれぼアレク王子の身体の一部が手に入ったのにぃ・・・」
意外にも狂気な一面を持つフラン先生であった。
フラン先生は学園の先生たちが集まる教授会と呼ばれる会議の中で自分が置かれた立場も弁えずにかなりの大声で叫んでいた。
この度、学園人事において水の魔塔所属である宮廷魔法師フラン・オズワルドはアレク・サトゥーラ第一王子及び、その婚約者たるアイリーン・サラトムの担当教師となったのだ。
「これはすでに決定事項だ。フラン教授、二人のことは頼んだぞ?」
ヘンリー教頭は反論は許さずと言わんばかりにジロリとフラン先生を睨め付ける。
フラン先生はすでに蛇に睨まれた蛙のように身体を硬直させており顔は死人のように青ざめている。
「は、はぃぃ・・・」
もちろん一介の教師が組織の判断を断れるはずもなかった。
アレク王子は平凡な容姿ながら宮廷魔法師の長たるガルシアから魔法を教わったこともあって、ついこないだ開催された王城での舞踏会では単身で巨大なシャンデリアを吹き飛ばしたと聞き及んでいる。
もし話が本当であれば、かなり腕の立つ魔法師だ。
また婚約者のアイリーン・サラトムもあの恐怖の代名詞とも呼ばれている厳つく強面で有名なガスタル辺境伯が孫娘を溺愛しているといわれており、もしなにか粗相でもすれば自分の首が(物理的に)飛んでしまうかもしれない。
フラン先生にとってこの人事はまさに罰でしかない。
(私なんかに務まるはずありませんよぉぉ)
フランは心の中で精一杯反論した。
♢
フラン先生はライトグリーンでふわっとした癖っ毛のあるショートボブの髪型に大きな目と小さな口、顔半分はあるぐらい大きな丸いふちの眼鏡、見た目は14歳ぐらいにしか見えないほどの童顔だが実は32歳。身長は145センチと小柄ながらに大きくたわわに実った胸にはいつも男子学生の多くが釘付けとなっていた。
「いやらしい」
「男子サイテー」
と年頃の女子生徒たちはさんざん男子を見下して言っておきながら、自分たちは「どうすればそんなに胸大きくなるんですか?」などと真剣に相談してくるのであった。
「あはは、そうですねえ、どうしてこんなに大きくなったのでしょう」
フラン先生は笑って誤魔化す。
「先生は有名な魔法師なんですよね?ぜひ私たちのために胸が大きくなる研究をしてください!」
「私たちのために、ぜひ!お願いします!!」
必死に縋る女子生徒たち。
フラン先生は短い眉尻を下げて自分を囲む生徒たちに精一杯困った顔を示したが、生徒たちには一切通じなかった。
「うーん、そんな研究できるのかなぁ」
「そんな研究だなんて!世の女性すべての悲願ですよ!?」
「先生はそんなにも恵まれているから私たちの悩みがわからないだけです!」
「自分がそんなにも恵まれているからって、私たちに手を差し伸べる優しさは無いのですか!?」
(えー!?そ、そんなこと言われても・・・)
「ま、まあ、ダメかもしれないけど今度学園長に相談してみるね」
「はい!お願いします!」
フラン先生は断ら(れ)ない人だった。
こんな時に頼りになるのは学生時世話になった大先輩でもあり、現在学園長であるアーシェラの存在である。
フラン先生は学園長に泣きついた。
「アーシェラ先輩!胸を大きくする方法を教えてくださぁい!」
「そんなの知らないわよ!知ってたらとっくに自分で使ってるわ!!」
「生徒たちが質問してくるんですぅぅ!」
「自分でお考えなさい!あなたも魔法師なんだから自分で開発すれば良いじゃないの?」
「自分だと実験の確認が出来ないんですぅぅ!」
「あんた、私に喧嘩売ってるの?」
「ふぇぇぇん!!違いますぅ!」(泣)
こうして大好きなアーシェラ学園長に泣き縋るも、いつも冷たくあしらわれるフラン先生なのであった。
しかしながらフラン先生ことフラン・オズワルドは若くして国に認められた才媛であり、この王国の宮廷魔法師である。
フラン先生は魔塔に自らの工房を持っており、普段は水属性の魔法の研究に勤しんでいる。
その成果は水魔法による生活環境改善の方法を編み出して国家に貢献したこと。
特にポーション作りにおいては品質の改良と品質安定に貢献し、今までポーションの出来にはムラが多かったものを一定の品質を維持できる仕組みを作った。ポーション品質においては革命を起こすほどの成果を成し遂げたほどだ。
そこで学生の時の先輩でもあったアーシェラ学園長の口利きで学園での教授席を得ることになる。
当時、女性の教授はほとんどおらず王族であったアーシェラが学園長だったからこそ栄えある教授席に抜擢されたのだ。
フランの将来の夢は伝説の秘薬とも呼ばれ、初代国王アルテマのみ作り出すことが出来たという幻の秘薬、そして今は作り出すことのできない万能薬「エリクサー」の開発。
その作り方を発見すること。
そのためにフラン先生は今日も研究に没頭するのであった。
そうした華々しい過去をもったフラン先生だが教授会にて突然の命が下る。
冒頭の件であるが、フラン先生は教師としてはまだキャリアも浅いにもかかわらず、多くの華々しい成果を誇る若手エリートとして今回の任務の責任者として白羽の矢が当たったのだ。
それは栄えあるお役目として、アレク第一王子と婚約者であるアイリーンのクラス担任及び、魔法科の担当になったというわけだ。
その背景として他の先生たちが面倒事を恐れて二人の担当をやりたがらなかっただけであった。
そしてそれを若手のフランに押し付けただけなのだが教授陣はもうこれで無事一件落着と一息吐いて胸を撫で下ろしている。
こうしてフラン先生はアレク王子の担当になったのだが、予想通りというべきか予想以上にアレクは色々と騒ぎを引き起こしてくれた。
「フラン先生!アレク王子が魔法で修練場を壊しました!」
「フラン先生!アレク王子が剣術の授業で上級生たちを全員大怪我させたそうです!」
「フラン先生!アレク王子が!」
などなど。
こうしてフラン先生はトラブル王子に振り回される日々を送ることになった。
そして今日もまたアレク王子が何か問題を起こすと必ずフラン先生が呼び出されるのであった。
ただ真面目なフラン先生の日頃の行いが良かったのかわからないが、今のところアレクがしでかした事件の中でも一番大きなもので修練場の施設の一部破損ぐらいで済んでいるだけだったのでまだ良かった方なのかもしれない。(王城ではアレクの火魔法で倉庫が燃えた)
そんなフラン先生にも思わぬ事件が発生する。
なんと自分の生涯の目標である「エリクサー」の開発をアレク王子があっさりと成し遂げてしまったのだ。
「な、なんでぇぇぇ」
訳がわからない。
過去いくつもの難解な問題を解き明かしたフラン先生だが、今回限りは全くもって見当がつかない。しかし、エリクサーの実証のためにさまざまな実証実験を行うが、ことごとく万能薬としての効果を立証してしまう。
「どうしてぇぇぇ」
エリクサーであることは証明できたが、どうやって作ったのかの原因がわからない。
フラン先生は一夜、また一夜と徹夜を重ねた。
目の下にクマをつくってフラフラと授業をするフラン先生は講義をしながらも頭はエリクサーのことでいっぱいだ。しかし寝不足だけど考え事をしながら普通に授業をこなすフラン先生は確かに異常であった。
そして三日経った日のこと。
「ひょっとしてアレク王子の魔法属性が全属性なのと関係しているのでは?」
人は思考する生き物である。
思考は世の不思議を解き明かそうとする哲学となった。
そして世の理を思考によって解き明かそうとする集団こそ、この星においては魔塔に住まう魔法師たちであり、フラン・オズワルドもその一人である。
ついにエリクサー誕生のキッカケを掴めたように感じたフラン先生はアレク王子の存在にこそエリクサーが復活したという根拠にいたる。
しかし問題があった。
エリクサーを作れるのはアレク王子しかいない。
ということは何かしらアレク王子がエリクサーを作る際に根拠を示すヒントを得なければならない。
特にアレクは王国唯一、いやこの星唯一の全属性の魔法使いである。したがって彼が生み出す魔法の源泉がどこから発生するかを突き止めなければならないのだ。
全属性の魔法師は初代国王アルテマ以来存在しないため、唯一無二の希少な存在である。
したがってカエルと違っておいそれと解剖、分解をすることが出来ないのだ。
しかし、
「アレク王子の体の一部を調べてみたら、血、皮膚、髪の毛、唾液、爪ならどうかしら・・・」
ここ数日徹夜続きのせいか、フラン先生の思考は危ない方向に逸れていく。
「でも運良く爪を切っている時に立ち会えるわけもないし・・・」
んー、
「ちょっと血をわけてください♡なんて言ったらどうなることか、でもぉ、研究のためなら仕方ないかもぉ・・・やっぱり人類全体のためなら一人の犠牲ぐらいどうってことないよね」
マッドサイエンティストの血が騒ぐフラン先生であった。
「そうだわ。アレク王子も一応王族だし、同じ王族出身のアーシェラ先輩に頼んで許可を得ればいいんだ」
我ながら名案。
フラン先生はアーシェラ学園長に許可をもらいに行ったところ、いつも以上に怒られてあわや解雇処分寸前までいきそうになった。
「あなた、解雇どころか、死罪よ?本当に死罪になりたいの?」
「ふええぇん!!違いますうぅ!」
「どこに王子の身体を解剖したいと願う魔法師がいるというの!?許可どころか、この話が表に出ただけであなたは王子殺傷未遂で死罪確定よ?わかってるの?」
「そ、そんなぁぁぁ!!ちょっ、ちょっと考えただけぢゃないですかぁぁぁ!!」
「あのねえ、ちょっと考えても王子を解剖するなんて考えには至らないわよ!!本当わかってるの?」
「ふええぇぇん!」
泣きじゃくるフラン先生を見たアーシェラ学園長は冷静を取り戻し、三徹したフラン先生の思考が研究に追い詰められたゆえの異常だったと理解する。
こうして学園長の情けでフラン先生の首は無事つながった。
結果として、
アーシェラ学園長の指示によってフラン先生はアレク王子にエリクサーを作ってもらい成分分析から始めましょうということで話しはまとまった。
「もー、せっかく今までの魔法理論の常識を覆すかもしれない研究だったのにぃ・・・」
アーシェラ学園長にあれだけ叱責されたにも関わらず、さっきまで大泣きしていたフラン先生はまったく落ち込んだ様子はなく、無理なものは仕方ないと割り切った様子であった。
「あーあ、ざんねぇん。アーシェラ先輩の許可さえあれぼアレク王子の身体の一部が手に入ったのにぃ・・・」
意外にも狂気な一面を持つフラン先生であった。
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