2 / 3
第2話
しおりを挟む
「え? そこから? 知っててくれたんじゃないの? そっか、知らないのか……あー、もう知ってる人間なんていないのかなぁ」
寂し気な呟きに応えるように弱々しく風がそよぐ。
「神様? 本物? 本当に?」
私の想像していた神様の姿形と青年のそれはずいぶんと違っていたが故に考えるよりも先に言葉が出てしまった。
「人間ではないよ。神様かどうかは……どうだろうね? あ、ごちそうさま」
それはどういう意味……と問おうとするのを遮って、アイスをすっかり食べ終えた青年は立ち上がった。
「貴方が神様だと思えばそうなんだろう。バケモノだと思うのならば、それもまた正しいのだろう。決めるのはいつも人間。僕じゃないから」
じゃあね、と手を振って歩き出した彼の背中が遠のいてゆく。
「貴方は何が好きなんだ? 和菓子? 洋菓子? 飲み物は?」
「……何故? 僕に取り入っても特になにも良い事なんてないと思うよ?」
歩みを止めた彼は半ば呆れたような声音で、疑問に疑問を返してきた。
私はただ仲良くなりたいのだと白状した。それはとても子供染みた思いで、またここに来た時にこうやって話をしたり、同じ菓子を食べたりしたいという、我ながらなんとも情けない願いだった。
「僕を遠くに感じるか、近くに感じるか、それは貴方次第です」
寂し気な呟きに応えるように弱々しく風がそよぐ。
「神様? 本物? 本当に?」
私の想像していた神様の姿形と青年のそれはずいぶんと違っていたが故に考えるよりも先に言葉が出てしまった。
「人間ではないよ。神様かどうかは……どうだろうね? あ、ごちそうさま」
それはどういう意味……と問おうとするのを遮って、アイスをすっかり食べ終えた青年は立ち上がった。
「貴方が神様だと思えばそうなんだろう。バケモノだと思うのならば、それもまた正しいのだろう。決めるのはいつも人間。僕じゃないから」
じゃあね、と手を振って歩き出した彼の背中が遠のいてゆく。
「貴方は何が好きなんだ? 和菓子? 洋菓子? 飲み物は?」
「……何故? 僕に取り入っても特になにも良い事なんてないと思うよ?」
歩みを止めた彼は半ば呆れたような声音で、疑問に疑問を返してきた。
私はただ仲良くなりたいのだと白状した。それはとても子供染みた思いで、またここに来た時にこうやって話をしたり、同じ菓子を食べたりしたいという、我ながらなんとも情けない願いだった。
「僕を遠くに感じるか、近くに感じるか、それは貴方次第です」
0
あなたにおすすめの小説
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
許すかどうかは、あなたたちが決めることじゃない。ましてや、わざとやったことをそう簡単に許すわけがないでしょう?
珠宮さくら
恋愛
婚約者を我がものにしようとした義妹と義母の策略によって、薬品で顔の半分が酷く爛れてしまったスクレピア。
それを知って見舞いに来るどころか、婚約を白紙にして義妹と婚約をかわした元婚約者と何もしてくれなかった父親、全員に復讐しようと心に誓う。
※全3話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子様への置き手紙
あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
小説家になろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる