自称・清々しい系令嬢ですが? ~底辺ポジでも自己肯定感だけは最強です~

林 真帆

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第1章:異世界でもワタシって遠慮しないタイプなんで!

第5話 “浮いてる”けど“映えてる”――異世界社交界、サヤーナ旋風!

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「ふふっ」

 上品な笑い声が響いた。誰かと思えば、主催者であるリュシエンヌ・ド・フェルメリアだった。完璧に巻かれた金の縦ロールが肩の横で揺れ、彼女はにこやかに微笑んでいた。


「本当に面白い方ですのね。お誘いした甲斐がありましたわ」

 
 えっ、それウケた? やっぱり!


「私は好きですわ、自分の言葉で率直に話せる方って。上辺だけのお付き合いなんて楽しくありませんもの」

 
 鶴の一声ってこういうのを言うのかも。先生に叱られた小学生みたいに、みんなシュンとしちゃってる。


(リュシエンヌって、もしかして……良い人?)


 リュシエンヌはこちらへと優雅に歩み寄り、じっと私のドレスを見つめている。しかも、興味深々といったご様子。


「今日のドレスは随分と可愛らしいですわね」


「わかる? これ、ロリータファッションって言うの♪」


「ロリータ? 聞いたことのない言葉ですわ……」

  
  令嬢たちも顔を見合わせて、知らないを連呼している。


「知らなくっても当然! だって、私が作り出したんだから――」

  
 しまった! ちょっといい気になりすぎた? でも、いいか、ここは異世界なんだから。


「素晴らしい才能ですわ! もしかして……他にも作れます?」


 目を輝かせたリュシエンヌが、私の手を握り締めて大絶賛する。


「え、うん、まあ……」


「では、今度、私のドレスを作って下さらない?」


「えっ――」


「リュシエンヌ様!」


 私が次の言葉を発する前に、


「リュシエンヌ様とあろうお方が、こんな素人の作ったドレスなどをお召しになったら、笑い者になりますわ!」


 あのきっつい性格のエレオノールが真っ先に反対の声を上げた。エレオノールに同調するように令嬢たちも次々に反対の声を上げる。



「みなさん、落ち着いて――」


 リュシエンヌは少しも慌てる様子がない。


「サヤーナさんには……マダム・オルタンシアをご紹介しようと思ってますの」


 今度はひいいっと金切り声があちこちから上がった。


「マダム……オルタンシア? 誰それ?」


 今日、初めてお茶会に来て、たくさんの令嬢たちに会ったのに、また新しい登場人物が出て来た? 


「マダム・オルタンシアは私のドレスを作っているモード商ですわ」


 学校で習ったことがある、モード商とはデザイナーのことだ。リュシエンヌのドレスを作っているってことは、高級ブランドってことだよね?


「私に……仕事を紹介してくれるってこと?」


「サヤーナさんはマダム・オルタンシアのところで働きたいと……?」


 私の斬新なドレスを見て動じないどころか、面白がっていたリュシエンヌが初めて戸惑いの表情を浮かべた。


「サヤーナさんさえよろしければ……マダム・オルタンシアと相談なさってみたらよろしいかと」


 
 というわけで、私はこの才能とセンスで高級ブランドのデザイナーとしての仕事を得たのだった。

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