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プロローグ
第4話 静かなる波紋
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翌朝も王都は陽光に包まれ、広場はすでに賑わいを見せていた。
セシリアは神殿で祈りを終え、穏やかな気持ちで広場へ向かう。しかし、胸の奥には昨日の違和感がまだ残っている――リディアの不自然な視線、計算された微笑み。
「今日は、何事もありませんように……」
広場に差し掛かると、突然、子どもが転んで泣き出す声が響いた。セシリアは駆け寄ろうとしたその瞬間――横から黄金の髪をなびかた何者かが飛び出してきた――リディアだった。
「大丈夫よ、すぐに痛くなくなるから!」
リディアも手をかざすと、子どもの膝の擦り傷はあたかも消えたかのように見え、子どもは歓喜の声を上げる。
「痛くなくなった! それに傷が消えてる! すごい!」
子どもは周囲に集まった人たちに、自慢げに膝を見せる。
「本当だ! これは奇跡だ!」
一人が騒ぎ出すと、瞬く間に子どもの周りに人垣ができた。
父親は深く頭を下げ、リディアに礼を言っている。
セシリアは立ち止まり、驚きのあまり目を見開く。
(……いつから、そんなことができるようになったの?)
計算された微笑みを浮かべるリディア。もちろん、それは人垣の向こうで呆然と立ち尽くしているセシリアに向けたものであった。
擦り傷をきれいに治すことは、セシリアでさえもできない技であった。それを分家の娘のリディアが易々とやってのけた。
リディアが奇跡を起こした日から一週間後、セシリアはアルベルトから緊急の呼び出しを受けた。
尋常ならざる胸騒ぎを覚えつつ、セシリアはレオンハルトを従え、王宮に向かった。王宮に向かう道中、セシリアの心中を表しているかのように、空には暗雲が立ち込め、今にも雨が降り出しそうな気配になった。
(大丈夫、ただの思い過ごしよ……)
自分に言い聞かせてみたものの、それが単なる気休めにもならないことをセシリアはよく知っていた。聖女の力と言うべきか、セシリアの悪い予感は今まで外れたことがなかったからだ。
王宮の廊下を進む間、王宮の装飾や肖像画が国の繁栄を象徴しているように見えたが、胸中には不安がますます大きく渦巻いていた。
セシリアは神殿で祈りを終え、穏やかな気持ちで広場へ向かう。しかし、胸の奥には昨日の違和感がまだ残っている――リディアの不自然な視線、計算された微笑み。
「今日は、何事もありませんように……」
広場に差し掛かると、突然、子どもが転んで泣き出す声が響いた。セシリアは駆け寄ろうとしたその瞬間――横から黄金の髪をなびかた何者かが飛び出してきた――リディアだった。
「大丈夫よ、すぐに痛くなくなるから!」
リディアも手をかざすと、子どもの膝の擦り傷はあたかも消えたかのように見え、子どもは歓喜の声を上げる。
「痛くなくなった! それに傷が消えてる! すごい!」
子どもは周囲に集まった人たちに、自慢げに膝を見せる。
「本当だ! これは奇跡だ!」
一人が騒ぎ出すと、瞬く間に子どもの周りに人垣ができた。
父親は深く頭を下げ、リディアに礼を言っている。
セシリアは立ち止まり、驚きのあまり目を見開く。
(……いつから、そんなことができるようになったの?)
計算された微笑みを浮かべるリディア。もちろん、それは人垣の向こうで呆然と立ち尽くしているセシリアに向けたものであった。
擦り傷をきれいに治すことは、セシリアでさえもできない技であった。それを分家の娘のリディアが易々とやってのけた。
リディアが奇跡を起こした日から一週間後、セシリアはアルベルトから緊急の呼び出しを受けた。
尋常ならざる胸騒ぎを覚えつつ、セシリアはレオンハルトを従え、王宮に向かった。王宮に向かう道中、セシリアの心中を表しているかのように、空には暗雲が立ち込め、今にも雨が降り出しそうな気配になった。
(大丈夫、ただの思い過ごしよ……)
自分に言い聞かせてみたものの、それが単なる気休めにもならないことをセシリアはよく知っていた。聖女の力と言うべきか、セシリアの悪い予感は今まで外れたことがなかったからだ。
王宮の廊下を進む間、王宮の装飾や肖像画が国の繁栄を象徴しているように見えたが、胸中には不安がますます大きく渦巻いていた。
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