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二人の関係
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「話すことなんてないです!」
ハレアがカミュレスに魔石を破壊していることがバレた次の日。Bクラスに来たカミュレスに向かってハレアが言い放つ。
「Aクラの色男君じゃ~ん。ハレアも話くらい聞いてあげたら~?」
ハレアと同じBクラスの子爵令嬢、チル・ルルドネアが髪をいじりながら気だるそうに言う。彼女は褐色の肌に薄い桃色の髪色をしている。軽い性格で、貴族、平民関わらず色々な男性と浮名を流している。14歳とは思えないほど大人びた美貌で、世の中の男性を手玉に取っている、と噂だ。真偽のほどはハレアにも分からない。何せ、ふらふらと掴めない性格で、あまり核心的な話をしたがらないからだ。その軽さがハレアにとっても一緒にいて楽なのだ。
「嫌よ!だってこの男、昨日私のことっ」
「わぁぁああああああ!ちょーっと彼女借りま~す!」
カミュレスは強引にハレアの腕を引っ張り教室を出た。
「ちょっと!離してっ!」
ハレアの嫌がる声が遠ざかっていく。
「ついにハレアにも春が来るのか~」
チルはのんきに自分の爪に塗っているマニキュアを見た。
―――
「離してってば!」
ハレアは勢いよく彼の手を振りほどく。
校舎の裏庭にある池の前までカミュレスに手を引かれ連れてこられた。ここは数か月前にハレアが水浸しにして校舎を床下浸水させた場所だ。
「ごめん、昨日のことも他の人に言ったりしない……。ほんと、ただ謝りたかっただけで……」
下を向き、震える声を出すその姿はAクラスの色男と呼ばれているにしては、随分と情けなかった。
「もう、いいよ。それに別にあれは隠してないの。取り立てて誰かに言うこともないけど……」
ハレアは憤ったように口を開く。
「人前では危ないからやるなって言われてるだけ。それに毎日魔石を使うのも世間的には良くないってパパに言ったから夜中にやってるの。本当にそれだけ。じゃあね」
ハレアはそう言って彼の前から去った。背中からは「本当にごめん!」と聞こえたが、振り返ることはしなかった。
―――
「なんでここにいんの?」
「ダメ?」
「ダメに決まってるでしょ!」
その日の夜中、いつもの森の中にハレアが入るとそこにはすでにカミュレスがいた。
「もう怒ってないから。ほっといてよ」
「謝りたいってのもそうだけど、昨日のアレ……、すげー綺麗だったから、また見たいと思って……」
ハレアは「はぁ……」とため息を一つする。でも、そのあとに少しだけ口角が上がるのが分かった。
「いいけど、離れてよ。危ないから。破片がその辺に飛び散るから」
その日の夜以降、ハレアとカミュレスはほぼ毎晩そこで会うのが定番になっていた。彼はクラスの中での様子とは違って、ハレアにはズケズケとものを言うようになっていった。ハレア自身も貴族らしさを求められない間柄が凄く楽だった。
夜中に会い、魔石を壊し、解散する。道中で軽口は叩くものの、それだけ。学内では基本的に会話をしなかった。カミュレスに手を引かれるハレアの姿を見た数人の生徒は二人の仲を疑ったが、その後は全く接点がなかったため、そんな噂もすぐに消えてしまった。
そんな関係はハレアたちが卒業するまで続いた。そして、卒業を機にもちろんそれは終わった。お互い、連絡先も教えあっていないほどの仲だった。
ハレアがカミュレスに魔石を破壊していることがバレた次の日。Bクラスに来たカミュレスに向かってハレアが言い放つ。
「Aクラの色男君じゃ~ん。ハレアも話くらい聞いてあげたら~?」
ハレアと同じBクラスの子爵令嬢、チル・ルルドネアが髪をいじりながら気だるそうに言う。彼女は褐色の肌に薄い桃色の髪色をしている。軽い性格で、貴族、平民関わらず色々な男性と浮名を流している。14歳とは思えないほど大人びた美貌で、世の中の男性を手玉に取っている、と噂だ。真偽のほどはハレアにも分からない。何せ、ふらふらと掴めない性格で、あまり核心的な話をしたがらないからだ。その軽さがハレアにとっても一緒にいて楽なのだ。
「嫌よ!だってこの男、昨日私のことっ」
「わぁぁああああああ!ちょーっと彼女借りま~す!」
カミュレスは強引にハレアの腕を引っ張り教室を出た。
「ちょっと!離してっ!」
ハレアの嫌がる声が遠ざかっていく。
「ついにハレアにも春が来るのか~」
チルはのんきに自分の爪に塗っているマニキュアを見た。
―――
「離してってば!」
ハレアは勢いよく彼の手を振りほどく。
校舎の裏庭にある池の前までカミュレスに手を引かれ連れてこられた。ここは数か月前にハレアが水浸しにして校舎を床下浸水させた場所だ。
「ごめん、昨日のことも他の人に言ったりしない……。ほんと、ただ謝りたかっただけで……」
下を向き、震える声を出すその姿はAクラスの色男と呼ばれているにしては、随分と情けなかった。
「もう、いいよ。それに別にあれは隠してないの。取り立てて誰かに言うこともないけど……」
ハレアは憤ったように口を開く。
「人前では危ないからやるなって言われてるだけ。それに毎日魔石を使うのも世間的には良くないってパパに言ったから夜中にやってるの。本当にそれだけ。じゃあね」
ハレアはそう言って彼の前から去った。背中からは「本当にごめん!」と聞こえたが、振り返ることはしなかった。
―――
「なんでここにいんの?」
「ダメ?」
「ダメに決まってるでしょ!」
その日の夜中、いつもの森の中にハレアが入るとそこにはすでにカミュレスがいた。
「もう怒ってないから。ほっといてよ」
「謝りたいってのもそうだけど、昨日のアレ……、すげー綺麗だったから、また見たいと思って……」
ハレアは「はぁ……」とため息を一つする。でも、そのあとに少しだけ口角が上がるのが分かった。
「いいけど、離れてよ。危ないから。破片がその辺に飛び散るから」
その日の夜以降、ハレアとカミュレスはほぼ毎晩そこで会うのが定番になっていた。彼はクラスの中での様子とは違って、ハレアにはズケズケとものを言うようになっていった。ハレア自身も貴族らしさを求められない間柄が凄く楽だった。
夜中に会い、魔石を壊し、解散する。道中で軽口は叩くものの、それだけ。学内では基本的に会話をしなかった。カミュレスに手を引かれるハレアの姿を見た数人の生徒は二人の仲を疑ったが、その後は全く接点がなかったため、そんな噂もすぐに消えてしまった。
そんな関係はハレアたちが卒業するまで続いた。そして、卒業を機にもちろんそれは終わった。お互い、連絡先も教えあっていないほどの仲だった。
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