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的外れな思考
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「俺、めっちゃ魔力量増えた気がする……」
「先輩、それってどういう……」
「肌で感じるんだよ。なんか……こう……、今ならあそこの林ぶっ壊せそうな力が湧いてきてる気がして」
ロンは握りこぶしをした自分の手をまじまじと見ている。
「いいですよ。木ぶっ倒していいですよ」
キルシュは少し口角をあげて言う。
「は?」
「いいですよ。ここ第一隊の訓練場ですし。広場がちょっと広くなる程度、別に構わないです。そんな事より、その力の方が興味あります。先輩の本来の怪力だと木一本くらい倒せるのは分かるんですけど、林ってなると相当な魔力量になると思うので、見たいです。いや、今ここでやってください、これは団長命令になります!」
そう、キルシュは魔術バカなので興味のあることにはひたすらにまっすぐなのだ。
「いや、流石にロン先輩の怪力見ちゃったら、お嬢引いちゃうよ」
ルードが苦笑いをしながら、ハレアの服の腕のところの布を引っ張り後ずさりをする。キルシュとロンという、二人が何かを企んでいるときはロクなことがないというのを魔術学校時代から肌で感じているからだ。
「じゃあ、下がってて……。本当にやるぞ」
そう言ってロンは林の方に歩いて向かいながらボソボソと喋っている。詠唱魔術だろう。喋り終わると右手のみに魔力を集中させているのだろう。右手の周りだけがモヤモヤと景色が歪んでいる。
ルードはハレアを促し、ロンとは反対側の林へと誘導した。キルシュは気にせずにロンから数メートル離れたところで腕を組んで見ている。
ロンは一本の木の前に止まる。「ふぅぅぅぅぅううううううう」と長く息を吐き、拳をギュッと力を入れた。
「ハッ!!!!!!」
大きな声を出しながら、木を殴った瞬間、その木はもちろん周りの木も振動しバキバキと音を立てて倒れた。全部で11本。身体強化をしても普通の人だと何度も殴ってやっと1本倒せるほど。ロンでも普段は1本らしいので、一気に11本倒すのがどれだけ桁違いなのかが分かる。
「えっ、すごくね?見た?キルシュ!俺すごくね!?」
ロンは振り返り、興奮した様子でキルシュに見た。
「凄いんですけど……。いや、本当に凄いんですけど……、これマズくないですか?」
ロンを見るキルシュの目が笑っていない。それもそうだ、これが世間にバレてしまったら、大変なことになる。これを悪用しようとする人が出てくるに違いない。
「確かに。でも、このままハレアちゃんの魔力溜めといた方が危ないし、どうしたものかねぇ」
「ロンさん、凄いですね!木バッコーンって倒してましたね!」
ハレアとルードがロンの元に駆け寄る。ルードは苦笑いをしている。
「いや、俺が凄いっていうか、ハレアちゃんが凄いんだよ」
「えっ?」
ハレアはキョトンとしている。察しが悪いのか、ただ単に魔術における学がないのかは分からないが、全く理解していない。
「お嬢の魔石壊した時に魔力が放出されて、ロン先輩の魔力量が高くなったんだよ。つまり、あのキラキラしたやつを浴びるとめっちゃ強くなるってこと。これがどういうことだか分かる?」
ルードのいつもはチャラチャラとした話し方とは違う。少し低くて、いい聞かせるような落ち着いた声だ。その声にハレアもこれはただ事ではないということが理解できた。
キルシュはゆっくりと歩きハレアの前で立ち止まる。
「君のお父上とお話がしたい。正直、ここまでマズいことになるとは思わなかった。」
(えっ!離婚される!?)
こんな時でもハレアの頭の中は少し的外れな事ばかり考えている。
「先輩、それってどういう……」
「肌で感じるんだよ。なんか……こう……、今ならあそこの林ぶっ壊せそうな力が湧いてきてる気がして」
ロンは握りこぶしをした自分の手をまじまじと見ている。
「いいですよ。木ぶっ倒していいですよ」
キルシュは少し口角をあげて言う。
「は?」
「いいですよ。ここ第一隊の訓練場ですし。広場がちょっと広くなる程度、別に構わないです。そんな事より、その力の方が興味あります。先輩の本来の怪力だと木一本くらい倒せるのは分かるんですけど、林ってなると相当な魔力量になると思うので、見たいです。いや、今ここでやってください、これは団長命令になります!」
そう、キルシュは魔術バカなので興味のあることにはひたすらにまっすぐなのだ。
「いや、流石にロン先輩の怪力見ちゃったら、お嬢引いちゃうよ」
ルードが苦笑いをしながら、ハレアの服の腕のところの布を引っ張り後ずさりをする。キルシュとロンという、二人が何かを企んでいるときはロクなことがないというのを魔術学校時代から肌で感じているからだ。
「じゃあ、下がってて……。本当にやるぞ」
そう言ってロンは林の方に歩いて向かいながらボソボソと喋っている。詠唱魔術だろう。喋り終わると右手のみに魔力を集中させているのだろう。右手の周りだけがモヤモヤと景色が歪んでいる。
ルードはハレアを促し、ロンとは反対側の林へと誘導した。キルシュは気にせずにロンから数メートル離れたところで腕を組んで見ている。
ロンは一本の木の前に止まる。「ふぅぅぅぅぅううううううう」と長く息を吐き、拳をギュッと力を入れた。
「ハッ!!!!!!」
大きな声を出しながら、木を殴った瞬間、その木はもちろん周りの木も振動しバキバキと音を立てて倒れた。全部で11本。身体強化をしても普通の人だと何度も殴ってやっと1本倒せるほど。ロンでも普段は1本らしいので、一気に11本倒すのがどれだけ桁違いなのかが分かる。
「えっ、すごくね?見た?キルシュ!俺すごくね!?」
ロンは振り返り、興奮した様子でキルシュに見た。
「凄いんですけど……。いや、本当に凄いんですけど……、これマズくないですか?」
ロンを見るキルシュの目が笑っていない。それもそうだ、これが世間にバレてしまったら、大変なことになる。これを悪用しようとする人が出てくるに違いない。
「確かに。でも、このままハレアちゃんの魔力溜めといた方が危ないし、どうしたものかねぇ」
「ロンさん、凄いですね!木バッコーンって倒してましたね!」
ハレアとルードがロンの元に駆け寄る。ルードは苦笑いをしている。
「いや、俺が凄いっていうか、ハレアちゃんが凄いんだよ」
「えっ?」
ハレアはキョトンとしている。察しが悪いのか、ただ単に魔術における学がないのかは分からないが、全く理解していない。
「お嬢の魔石壊した時に魔力が放出されて、ロン先輩の魔力量が高くなったんだよ。つまり、あのキラキラしたやつを浴びるとめっちゃ強くなるってこと。これがどういうことだか分かる?」
ルードのいつもはチャラチャラとした話し方とは違う。少し低くて、いい聞かせるような落ち着いた声だ。その声にハレアもこれはただ事ではないということが理解できた。
キルシュはゆっくりと歩きハレアの前で立ち止まる。
「君のお父上とお話がしたい。正直、ここまでマズいことになるとは思わなかった。」
(えっ!離婚される!?)
こんな時でもハレアの頭の中は少し的外れな事ばかり考えている。
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