家電ミステリー(イエミス)

笠井小太郎

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第3章 嫌なことを題材に紡いだヒストリー(イヤヒス)

〈174〉足が凶器

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「なんだ、テメェー!」

人混みの中、コワモテの男に肩がぶつかってしまった。

「すみません。よけきれなかったんです」

私は謝った。しかし男は許さず、殴りかかってきた。

「ウッ!!……」

倒れたのは、男の方だった。靴を脱ぎ、男の鼻に近づけたのだ。

私は、足が臭い。人が気を失うほどに。(了)
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