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秋の始まり
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「良し、今度は小屋の方までバックで入ろう、しかし、調査で、拳銃携帯なんて初めてだよ」
大村と若松は、阿寒町にある、須田の、作業小屋へ通じる林道へ向かう、今度は羆に対する備えをして、バックで林道へと向かう。
「着きました、結構な大きさがあるんですね」
車を停めた横の小屋は、トレーラーのカーゴ位はあった。
2人は、周囲を伺いながら、慎重に車をおりる。
ちょっとした、木の枝や草のさざめきも、気になってしょうがない。
あの羆は、2人の警察官に大きなトラウマを植え付けた。
「主任、なんかこの前みたいな臭いは感じ無いですね」
「ああ、そうだな幸いにも、今日は奴の気配が一切無いな」
先ず窓口から中を覗いて見る、暗くて良く見えない。
次にドアをノックする、予想通り反応はない。
大村が先に中に入るが、入り口で立ち止まった、若松がぶつかりかけた。
「入るな、署に連絡してくれ、3名の遺体を発見、俺達も現場検証の用意だ」
署から続々と人員が到着している、同じ課の課長、係長も駆けつけた
「二人共お疲れ様、それにしても何だか訳が解らんな、追っていた三名とは結局無言の対面とはな、一歩近付いて三歩後退してしまったな」
「はあ、その死因がまた変わってますよね、三名共に外傷は一切無し、どう見てもミイラでしょうあれじゃぁ、初めてですよ」
「何も、若松君だけが初めてじゃないよ、何か作業をしていたようだな、発電機まで持ち込んでかなり本格的な」
「はい、作業現場で使う、コンクリートのミキサーやら、ジェット式温風機、大型扇風機等ですが、屋外で使用するものばかりです」
「主任、なんか思いつくかな」
「はい、おそらくは、ここが例の薬物の作成現場だと思います。
大麻の乾燥、粉砕それに、あそこにあるコーヒーミル、あれは、乾燥させたキノコを粉末にするためのものではないかと推測します」
「うん、それは間違い無さそうだ、しかし、どうしても解らんな、犯罪者が、こんな姿になるまで働くかね、仮に何者かに強制されたにしても、納得いかんな」
「それは、我々だけではなく、鑑識さん達もそうです、三体共に何ら腐敗が見られない、臭気すら感じ無い、冬ならまだしも、こんなのはあり得ないと、、」
「そうだよな、かなりの日数が経過しているのに、かえって不自然だよな」
「課長、日が暮れる前に自分と若松は、少しこの先を見て来ます」
「よし、解ったよ、だが十分に気を付けてくれよ、猟奇的な事は勘弁してや」
大村には、漠然とした予感が生まれていた、この近くに絶対ある、見つかる筈だ。
「主任、見つかりますかね」
「おう、あるよ、絶対ある」
2人は小屋の先、山の上の方へ続く林道を歩いて行く。そして、いくらも歩かない内に発見した。
「若松、あれじゃないか」
大村が指さす方に、目を向けた若松は、背の高いヨモギのような植物が、群落を形成しているのを見た。
「あ~あ、こりゃ鑑識さん、大忙しだ
それと主任、これってアイツの糞ですよね、土が見えてるとこは、もしかして獣道ですかね」
「当たり、でも糞も、土も、もう白っぽいから、最近のじゃないよ、でもこの先はみんな来るまで待つ事にしよう」
「ふぃ~安心、安心、今連絡しました」
三日後、大村達は会議を開いた
「薬物の成分は、東京のものと一致しました、大麻は薬物として、有効かどうかは関係なく、やはり只のかさ増しに使われている様です
そして、粉末のキノコはやはり新種と断定されました」
「キノコは輸入品なのかな」
「いえ、輸入品ならもっと出回ってると思います、国産でおそらくは、現場付近あるいは、道内物だと、、」
「大麻については、去年種子の盗難届けがあった、北見方面の大麻栽培農家のものとDNAが一致しました」
「要するに、吸引用として選別もしていない、何の効力もない、工業用大麻なわけだよな、反面ある意味、このキノコの効力、毒性、ま、どっちの表現でもいいけどかなりなもんだと言う事か」
「そうです、そうなります、只現段階において、この薬物の生産者が、最早居ない状況ではないかと思われます
それに、今現在、市中に出回っていると言う情報も有りません
おそらく、あの三名以外の者がキノコを入手することは出来ないのでしょう」
若松が話を引き継いで発言する
「現場にあった資機材殆んどが盗品でした、別途記載の表を見てください、釧路管内の工事現場から、盗み出した物ばかりです
須田はおそらく、それらを売って生活していたものと、考えられます
後の二名は市内の学校の先輩後輩の関係で、定職はなく、噂ですが、自販機荒しとパチンコで暮らしていたようです」
「須田は身寄り無し、この二名はいるみたいだけど」
「ええ、ただ、家族からも諦められていたみたいで、かえって居ない方が良かったような感触です、現に両名共に3ヶ月不在にしても、捜索願い等、一切有りませんでしたから」
「三名の、この死因もすごいね、枯死って、こう言うのって、孤独死なんかだとばかり思っていたが
三名の内誰か一人位回避出来なかったのかな」
「そうです、三名同時に死亡推定日は、約一月半前となっています
三名がまるで漫画の様に、いきなり生気を抜かれて崩れ落ちる感じで横たわっています」
「大村主任達の事前調査だと、須田の自宅には、食料があったのだろう、まさか羆が居て外に出られなかったとか、有り得無いな、食べないで居ることの方が辛い」
「解決出来て居ない事が未だあります
金の流れです、この三名は文字通り死ぬ程働いたのに、何も手にしてはいません、三名の口座や現金を調べても、大きな金の流れは皆無です
東京では、もう既に薬物は完売状態なのに、誰も成果報酬を手にしてはいません」
「東京の参考人との繋がりも、全く掴めておりません、まるっきり接点が有りません」
「そこも問題があるな、製造者がいて、仕入れ、販売した者が居る、しかし、何の繋がりも見付からない、わからない事ばかりだ」
「取り敢えず、警視庁には、これ迄の結果を、送りました
多分感想は、我々と同様に、戸惑いしかないだろうと思われます」
「それともう後は、東京での参考人聴取しか、可能性めいたものが有りません」
「うん、せめて金の流れだけでも解ればな
大村主任他には何かあるかな」
「はい、もう一度、須田達と参考人との接点を洗いだしてみます
その辺りを、警視庁にもお願いしました」
警視庁捜査員、上野、飯田両名は、衆議院議員児島龍蔵の自宅で、本人とその妻から話を聴取していた
「児島さん、北海道の釧路丹頂空港から、阿寒湖温泉のホテルまでは、どこにも寄らずにスムーズに行けたのですか」
「ああ、そうだな確か途中で娘婿が、鹿をハンティングした場所で休憩したが、ほんの5分くらいなものだ
家族旅行だったから、後の三人に聞けばわかる
娘が写真を撮っていた気がするがその後は、ホテルへ直行したよ
ところで、何の聴取かな、政界絡みとも思えんが
家族に関連する事かね」
「誠に申し訳御座いません、それを調査中でして
ところで先生、最近、宮島直也さんに会ったことは有りませんか」
「宮島か、、うん先月だったかな、日時は運転手に聞けば解る
奴には、何年振りかで会ったことは確かだ
ただその、何の用件だったかまでは思い出せんがな」
「はぁ、失礼ですが、その用件を知りたいと思います
実は、先生はその際何か、重要な用件があったのでは、無いでしょうか」
「実は、思い出せないのだよ、これはとぼけているわけでは無くてな
会ったことは確かだ、間違いない、だが、何のために今さら宮島に会ったのか、どう考えても、今現在の児島龍蔵が会うにはリスクが大き過ぎるそう思わんかね」
確かに、宮島直也は裏社会とは深く繋がっており、なぜ現職の大物国会議員が直接会う危険を犯すのか疑問が湧くのである。
捜査員も、児島の態度や話しの内容が一点を除き特に誤魔化しているわけでは無さそうな気がした、寧ろ何故、会う事にしたのか、自分自身が知りたそうなふしがある。
児島の妻を、聴取したもう一人の捜査員も合流した
「児島さん、奥様の後に運転手さんにも、話を聞かせてもらいました、宮島さんに会う時、貴方は何か、段ボール箱を持っていたそうですね」
「何度も言うが、本当に解らんのだ
総選挙もあり得るこの状況では、私からリスキーな動きは絶対にあり得ない
自分自身だけではなく、あらゆる所に多大な損害が生じるのは明らかだ
そうだろう、言っとくが、これは、私から意図したものではない」
捜査員は、児島邸を出た後に話し会った
「何かを隠しているわけでは無さそうですね
奥さんも運転手も、協力的でした
簡単には済まなそうな案件ですね」
「宮島に渡した、段ボールの中身が例の薬物だと知っていたとしたら、あの反応はないよな
て、事は、中身を見ていないあるいは、本当に知らない」
「でも、それだと矛盾しませんか、宮島に預けないとならない危ない物だと、どうやって認識したのか」
「そうだよな、でも、未だ後2人の話を聞けば何かしら解るかもしれない」
「う~、北海道との繋がりも、いまだにはっきりしないし、今、宮島に当たっても何も出ないでしょうね」
「まあしかし、これであのブツを売りさばいたのは、宮島の系列なのが判明したから、そこも少し叩いて見よう」
山はずいぶんと色づいて来ていた、どんぐりの木もいつの間にか、青い実をつけている、山葡萄の葉は早くも紅く染まる気配だ、コクワやエゾマタタビも青く実を付けだした、もうすぐ実りの秋がやって来る。
一足早く秋色のどんぐりの木があった、一本だけ既に葉は赤茶けて、枝も少ししなだれていた風に揺られパラパラと葉を散らして寂しげに佇んでいた。
その姿は、まるで周囲に絡まる山葡萄の蔓や他の木の枝に支えられているかのようだ。
動物達は秋の訪れを静かに待っていた。
大村と若松は、阿寒町にある、須田の、作業小屋へ通じる林道へ向かう、今度は羆に対する備えをして、バックで林道へと向かう。
「着きました、結構な大きさがあるんですね」
車を停めた横の小屋は、トレーラーのカーゴ位はあった。
2人は、周囲を伺いながら、慎重に車をおりる。
ちょっとした、木の枝や草のさざめきも、気になってしょうがない。
あの羆は、2人の警察官に大きなトラウマを植え付けた。
「主任、なんかこの前みたいな臭いは感じ無いですね」
「ああ、そうだな幸いにも、今日は奴の気配が一切無いな」
先ず窓口から中を覗いて見る、暗くて良く見えない。
次にドアをノックする、予想通り反応はない。
大村が先に中に入るが、入り口で立ち止まった、若松がぶつかりかけた。
「入るな、署に連絡してくれ、3名の遺体を発見、俺達も現場検証の用意だ」
署から続々と人員が到着している、同じ課の課長、係長も駆けつけた
「二人共お疲れ様、それにしても何だか訳が解らんな、追っていた三名とは結局無言の対面とはな、一歩近付いて三歩後退してしまったな」
「はあ、その死因がまた変わってますよね、三名共に外傷は一切無し、どう見てもミイラでしょうあれじゃぁ、初めてですよ」
「何も、若松君だけが初めてじゃないよ、何か作業をしていたようだな、発電機まで持ち込んでかなり本格的な」
「はい、作業現場で使う、コンクリートのミキサーやら、ジェット式温風機、大型扇風機等ですが、屋外で使用するものばかりです」
「主任、なんか思いつくかな」
「はい、おそらくは、ここが例の薬物の作成現場だと思います。
大麻の乾燥、粉砕それに、あそこにあるコーヒーミル、あれは、乾燥させたキノコを粉末にするためのものではないかと推測します」
「うん、それは間違い無さそうだ、しかし、どうしても解らんな、犯罪者が、こんな姿になるまで働くかね、仮に何者かに強制されたにしても、納得いかんな」
「それは、我々だけではなく、鑑識さん達もそうです、三体共に何ら腐敗が見られない、臭気すら感じ無い、冬ならまだしも、こんなのはあり得ないと、、」
「そうだよな、かなりの日数が経過しているのに、かえって不自然だよな」
「課長、日が暮れる前に自分と若松は、少しこの先を見て来ます」
「よし、解ったよ、だが十分に気を付けてくれよ、猟奇的な事は勘弁してや」
大村には、漠然とした予感が生まれていた、この近くに絶対ある、見つかる筈だ。
「主任、見つかりますかね」
「おう、あるよ、絶対ある」
2人は小屋の先、山の上の方へ続く林道を歩いて行く。そして、いくらも歩かない内に発見した。
「若松、あれじゃないか」
大村が指さす方に、目を向けた若松は、背の高いヨモギのような植物が、群落を形成しているのを見た。
「あ~あ、こりゃ鑑識さん、大忙しだ
それと主任、これってアイツの糞ですよね、土が見えてるとこは、もしかして獣道ですかね」
「当たり、でも糞も、土も、もう白っぽいから、最近のじゃないよ、でもこの先はみんな来るまで待つ事にしよう」
「ふぃ~安心、安心、今連絡しました」
三日後、大村達は会議を開いた
「薬物の成分は、東京のものと一致しました、大麻は薬物として、有効かどうかは関係なく、やはり只のかさ増しに使われている様です
そして、粉末のキノコはやはり新種と断定されました」
「キノコは輸入品なのかな」
「いえ、輸入品ならもっと出回ってると思います、国産でおそらくは、現場付近あるいは、道内物だと、、」
「大麻については、去年種子の盗難届けがあった、北見方面の大麻栽培農家のものとDNAが一致しました」
「要するに、吸引用として選別もしていない、何の効力もない、工業用大麻なわけだよな、反面ある意味、このキノコの効力、毒性、ま、どっちの表現でもいいけどかなりなもんだと言う事か」
「そうです、そうなります、只現段階において、この薬物の生産者が、最早居ない状況ではないかと思われます
それに、今現在、市中に出回っていると言う情報も有りません
おそらく、あの三名以外の者がキノコを入手することは出来ないのでしょう」
若松が話を引き継いで発言する
「現場にあった資機材殆んどが盗品でした、別途記載の表を見てください、釧路管内の工事現場から、盗み出した物ばかりです
須田はおそらく、それらを売って生活していたものと、考えられます
後の二名は市内の学校の先輩後輩の関係で、定職はなく、噂ですが、自販機荒しとパチンコで暮らしていたようです」
「須田は身寄り無し、この二名はいるみたいだけど」
「ええ、ただ、家族からも諦められていたみたいで、かえって居ない方が良かったような感触です、現に両名共に3ヶ月不在にしても、捜索願い等、一切有りませんでしたから」
「三名の、この死因もすごいね、枯死って、こう言うのって、孤独死なんかだとばかり思っていたが
三名の内誰か一人位回避出来なかったのかな」
「そうです、三名同時に死亡推定日は、約一月半前となっています
三名がまるで漫画の様に、いきなり生気を抜かれて崩れ落ちる感じで横たわっています」
「大村主任達の事前調査だと、須田の自宅には、食料があったのだろう、まさか羆が居て外に出られなかったとか、有り得無いな、食べないで居ることの方が辛い」
「解決出来て居ない事が未だあります
金の流れです、この三名は文字通り死ぬ程働いたのに、何も手にしてはいません、三名の口座や現金を調べても、大きな金の流れは皆無です
東京では、もう既に薬物は完売状態なのに、誰も成果報酬を手にしてはいません」
「東京の参考人との繋がりも、全く掴めておりません、まるっきり接点が有りません」
「そこも問題があるな、製造者がいて、仕入れ、販売した者が居る、しかし、何の繋がりも見付からない、わからない事ばかりだ」
「取り敢えず、警視庁には、これ迄の結果を、送りました
多分感想は、我々と同様に、戸惑いしかないだろうと思われます」
「それともう後は、東京での参考人聴取しか、可能性めいたものが有りません」
「うん、せめて金の流れだけでも解ればな
大村主任他には何かあるかな」
「はい、もう一度、須田達と参考人との接点を洗いだしてみます
その辺りを、警視庁にもお願いしました」
警視庁捜査員、上野、飯田両名は、衆議院議員児島龍蔵の自宅で、本人とその妻から話を聴取していた
「児島さん、北海道の釧路丹頂空港から、阿寒湖温泉のホテルまでは、どこにも寄らずにスムーズに行けたのですか」
「ああ、そうだな確か途中で娘婿が、鹿をハンティングした場所で休憩したが、ほんの5分くらいなものだ
家族旅行だったから、後の三人に聞けばわかる
娘が写真を撮っていた気がするがその後は、ホテルへ直行したよ
ところで、何の聴取かな、政界絡みとも思えんが
家族に関連する事かね」
「誠に申し訳御座いません、それを調査中でして
ところで先生、最近、宮島直也さんに会ったことは有りませんか」
「宮島か、、うん先月だったかな、日時は運転手に聞けば解る
奴には、何年振りかで会ったことは確かだ
ただその、何の用件だったかまでは思い出せんがな」
「はぁ、失礼ですが、その用件を知りたいと思います
実は、先生はその際何か、重要な用件があったのでは、無いでしょうか」
「実は、思い出せないのだよ、これはとぼけているわけでは無くてな
会ったことは確かだ、間違いない、だが、何のために今さら宮島に会ったのか、どう考えても、今現在の児島龍蔵が会うにはリスクが大き過ぎるそう思わんかね」
確かに、宮島直也は裏社会とは深く繋がっており、なぜ現職の大物国会議員が直接会う危険を犯すのか疑問が湧くのである。
捜査員も、児島の態度や話しの内容が一点を除き特に誤魔化しているわけでは無さそうな気がした、寧ろ何故、会う事にしたのか、自分自身が知りたそうなふしがある。
児島の妻を、聴取したもう一人の捜査員も合流した
「児島さん、奥様の後に運転手さんにも、話を聞かせてもらいました、宮島さんに会う時、貴方は何か、段ボール箱を持っていたそうですね」
「何度も言うが、本当に解らんのだ
総選挙もあり得るこの状況では、私からリスキーな動きは絶対にあり得ない
自分自身だけではなく、あらゆる所に多大な損害が生じるのは明らかだ
そうだろう、言っとくが、これは、私から意図したものではない」
捜査員は、児島邸を出た後に話し会った
「何かを隠しているわけでは無さそうですね
奥さんも運転手も、協力的でした
簡単には済まなそうな案件ですね」
「宮島に渡した、段ボールの中身が例の薬物だと知っていたとしたら、あの反応はないよな
て、事は、中身を見ていないあるいは、本当に知らない」
「でも、それだと矛盾しませんか、宮島に預けないとならない危ない物だと、どうやって認識したのか」
「そうだよな、でも、未だ後2人の話を聞けば何かしら解るかもしれない」
「う~、北海道との繋がりも、いまだにはっきりしないし、今、宮島に当たっても何も出ないでしょうね」
「まあしかし、これであのブツを売りさばいたのは、宮島の系列なのが判明したから、そこも少し叩いて見よう」
山はずいぶんと色づいて来ていた、どんぐりの木もいつの間にか、青い実をつけている、山葡萄の葉は早くも紅く染まる気配だ、コクワやエゾマタタビも青く実を付けだした、もうすぐ実りの秋がやって来る。
一足早く秋色のどんぐりの木があった、一本だけ既に葉は赤茶けて、枝も少ししなだれていた風に揺られパラパラと葉を散らして寂しげに佇んでいた。
その姿は、まるで周囲に絡まる山葡萄の蔓や他の木の枝に支えられているかのようだ。
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