屋根に登れば

雨田ゴム長

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今が一番

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昭和の職人さんは、そりゃもう、アレさ、かなり激しい人が目白押しでね、何しろ、職人をしながら、友好団体職員を兼務してる人も普通に居たからね、しかも、結構なはばを効かせてね、それが仇となって、いまだに、職人が色眼鏡で見られているのもあると思う、まあ言っても、漁師も凄かったけどね、なかには、自分の身体に綺麗な絵を描いちまう人もいたね、夏は平等に暑いから、薄着の白シャツ一枚、それが汗で濡れて、絵が透けて、極彩色の絵のおじさんが背中を向けて居るから、幼児はたまらず、その絵をなぞり始めるの、そうすると、おじさんの同僚は、ゲラゲラ笑い転げるけど、子供の親はたまったもんじゃないよね、昭和の時代に身体に絵を描いてる人なんて、絶対友好団体の職員か、俺に近づくなのサインだもの、そりゃ、左官屋も驚きの固まりになるよね。
でもね、いくらなんでも、悪魔じゃないんだから、大丈夫っても、わからないよね、やっぱ、怖いわな。
今じゃ、そんな人達も、すっかり自然淘汰されて業界、特に田舎はそんな人あんまし居なくなったから、たまにはね、まあ、それが問題かもね。
工業高校の先生に、ペンキ屋に成りたいって言ったら、最初から、望んで就くような仕事じゃないって言われたってさ。
凄いね、ペンキ屋さんて、工業高校の先生にそう思われてんだ。
深いよね、たった一人の行動や、言動、で多くの人に重大な影響を与えてしまうという、先生の気持ちもわかるよ、高校教師だもの、そりゃ勉強したさ、その間ペンキ屋になる人達は何をやっていたか、世間は見てるよ、遠巻きにね、でも人生ちゃんと差引き出来てるよ、一人前になるまで長い道程が待ってんだから。
少々腕が良くたって大して褒められやしないけど、ダメだと直ぐに広まるからね、この業界結構狭くて、情報網は凄いから、忽ち仕事の声がかからなくなるよ。
早い話しが、昔の10代の頃、やんちゃ時代に戻っちゃう、アイツ、ヤバイから関わらないでおこうって、双六だよね、振り出しから始めるの、まあ、何をやっても器用に出来るなら良いけどさ、そんな人は、端から重宝されて、引く手あまただからね。
周りがほっときゃしないよね。
どの業種も、便利になったよ、作業着一つ取っても、誰も変なもの着てないしさ、勿論直ぐ汚れちゃうけど、へーきで立ちションなんて今時居なくなったからね、まあ、そんなことしたら直ぐにお巡りさん呼ばれちゃうんだけど。
まともな、人達は、ちゃんと灰皿も持ち歩いて、ポイ捨てなんかにも気をつけてるけどね。
道具も、塗料や他の材料も随分と進化してさ、ほら、良くタケシが昔、これがあのNASAで開発されたと言う、って言ってた事はホントでね、宇宙船の塗料から、どんどん地上の方へと利用されて来てるんだと、でもって、直ぐに新しいのが出て来るから、こっちの頭が追い付かないよね。
でも、ほんとに今が一番良いよ、何時の時代も、生きて居られる今現在が一番ありがたいよね。





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