屋根に登れば

雨田ゴム長

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冬の仕事

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冬は、ペンキ屋さんの仕事は、有るには有るけど、やっぱり暮しが成り立つ程でもないの、北は厳しいね、若い人なら、本州方面に、出稼ぎしに行ったりしてさ、そして、染々と思うの、なんて稼げるんだろうって、そりゃあね、凄いもんだよ、皆帰って来なくなるよ、暮し易いもの、雪も氷も無いし、仕事は、年中有るしね。
ベテランは、冬が来る前に、蟻と同じくせっせと仕事してさ、子供なんかが独立したら、そんな暮しも良いもんだよ、冬時々仕事なんてね。
そりゃあ、いくら冬だからって、寝てばかりも居られないしね、適度に身体を動かさないと、人間駄目になるからさ、まあ、なかには、仕事よりもパチンコの方が儲かる人も居るけどね、どうしたらそんな技術が身に付くのかね、まあ、自分には、関係無いけどね。
屋内とかの仕事が無いわけでもないから、仕事はあるよ、それに、冬はどうしても雪が降るから、除雪の作業も有るんだよね、仕事として成立する位のさ、まあでも、実際の所雪が溶けるまでは、遊びだね、屋根には雪も有るしね、町中が氷の世界だもの、春までのんびりやるさ、どうせ、お客さんもわかってるよ、なんなら春まで待とうかなってさ、北海道の冬だもの、日本で一番厳しい冬じゃシャアないさ、左官屋さんとかも、水を使うから色んな工夫をするんだよ、お湯で材料を練ったり、ジエットヒーターを使って暖めたりね、シートや断熱材で工事箇所を覆ったり、冬もまるっきり工事が止まる事は無くなったよ。
時代が雪国の甘えや、ハンデを許してくれないね、仕事の結果だけは、全国一律を求められるからね、現場迄2時間かかろうが、5分だろうが、決められた通りの工期で仕上げなきゃね。
上に施策が有れば、下は、対策を考えなくちゃ生き残れないよね。
どんな仕事でもそうだよ、ボーッとしてたらおいて行かれるよ、俺なんかは、ず~っと、ボーッとしていたいけどさ。
毎日が氷点下での仕事になると、塗装の材料も変わってくるよ、何しろ少し気温が上がる日中に、塗料が乾いて貰わないと仕上がりが不味いからね、シンナーなんかを、少し割高になるけど速乾性の物に変えたりして、日暮れも早いから、さっさと終わらせないと、悲惨な仕事になるの、高い燃料費と、割高な材料費、日があるうちに終わらせたいから、昼抜きで、仕事をやっつけた挙げ句に、仕上がりが悲惨な仕事になったら、とてもじゃないけど、いたたまれないよね。
今日も、何処かで誰かがそんな目にあってるよ、寒くなったからね。
-10度以下になる、町の職人さんは、自分達も、現場にも防寒対策無しじゃ良い仕事は出来ないよ。
今じゃ、道具を載せた車で、本州まで気軽に行けるから、そんな面倒や手間をかけるよりも、本州に渡った方が余程割に合うからね。
これも、全国一律がもたらした功罪かもね。


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