デスゲームを終えてから500年後の未来に転生した

アストレイ

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王都異変

王都の下水のスライム氾濫

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 急いであの場を離れたおかげか、《漆黒の牙》の襲撃はなかった。
裏切ったパーティが失敗したから襲撃をあきらめたとみるべきか、斥候がいて俺の銃を見て、『ナンバーズ』がいると思ってやらなかったか。後者の理由だとすると『ナンバーズ』のネームバリューに助けられたことになる。俺とあいつらの関係を考えると礼は言いたくない。
残り2/5の道程を消化して王都へ着いた。ここからさらに技術者たちは北へ南へさらに東へと行く。
 王都へ着くまでの過程で裏切ったパーティを牢屋に入れた。その後あいつらがどうなったか知らない。
予想に過ぎないが、ギルドから追放され、逮捕されるのは間違いないと思う。それから犯罪者として扱われ、奴隷落ちになる可能性があると思う。もう終わったことだしもう考えるだけ無駄か。
王都に着いて、ギルドへの報告が終わって報酬をもらったことだし、エリンが言っていたダンジョンの氾濫のうわさでも聞くか。
冒険者同士のうわさを聞こうにも、ここのギルドにはいてまず思ったこと、人がいない。ギルド職員はいるのだけど、依頼を受けるはずの冒険者がいない。ギルドが閑散としていた。

「誰もいない」
「本当ね」
「軍にいたときに聞いてはいたがこれほどまでとは思わなかったのう」

依頼の掲示板を見ても依頼が全くっていいほどない。
常時依頼の薬草の採取、スライム退治ぐらいしかない。
騎士団と仲が悪いからってこれほど動けないとは、ギルドどうなるんだろう。
エリンから聞いたダンジョンの氾濫の話を聞こうと思ったんだけど無理そうかな。
職員にダンジョンの氾濫が起こりそうとしていることを聞いた。

「すみません。ダンジョンのことについてお話しする情報がございません」

情報がないから話せないといわれてしまった。氾濫は嘘のなのか調べてみた方がいいのかもしれないが、東に行くのに足止めになってしまう。しかし、ライラの鎧を作るために材料が必要でいいものをそろえようとするとダンジョンに入った方がいい。さらに氾濫なら質のいい特殊素材が手に入りやすい。

「ライラ、東に行くの少し待ってもらっていいか」
「いいけど、何で?」
「ほら、鎧作ってほしいって言ってただろう。それに使う素材が手に入れられるかもしれないから見に行きたいんだ」
「私はいいわよ。ヒルロップは?」
「わしはいいぞ。わしもおぬしたちについていくためにはもっとLvを上げないとあかんと思っておったからのう」

そういうわけで、すぐに東に行かず、ダンジョンが今どうなっているのか調べることにした。
ギルド出たところで悲鳴が上がった。
悲鳴が上がった方向を見ると人がこちらに逃げてきた。
そのうちの一人に話を聞くと、下水の出入り口からスライムが湧き出てきたらしい。
ダンジョンの氾濫の前に下水のスライムの氾濫。今の王都はどうなっているのだろうか?
俺が離れて数か月しか経っていないのにこうなるものだろうか?まぁ、俺がいたのは貴族区だからこちらの方はいつもこうなのかは知らない。
下水の出入り口をの場所聞いて向かった。

 俺たちは下水の出入り口を見て驚いた。
出入り口付近はもうスライムであふれかえていた。

「ナニコレ!?」
「氾濫ってそういうことかのう」
「職務怠慢だろ。本当に何やってんだ!これ以上被害を出すわけにはいかない。やるぞ」

それからスライム退治に明け暮れた。俺とライラは、スライムに手を突っ込んで完全なスライムの核を取り出していく。ヒルロップは盾でスライムの攻撃を受けつつ、ランスでスライムを突く。魔法とかで殲滅できたら楽だろうが、街中でそんなことすればどうなるかなんてわかりきっている。
俺とライラの活躍でスライムは減っていく。
話を聞きつけた他の冒険者もやってきた。その中でエリンの動きが一番よかった。短剣でバッタバッタとスライムを倒していった。
ドロップアイテムのことを考えると俺のやり方がいいのだがその分、スピードが落ちる。
どんどんとスライムは退治されていく。もうそろそろ出入り口まで行けるところで騎士団が来た。

「騎士団が来た。遅かったが、協力して一気にスライムを下水へ押し返すぞ」

俺がそう口にした後、とんでもないものを見た。
騎士団は、範囲攻撃する魔法を準備していた。そんな事すれば建物は吹っ飛び、さらに今戦っている冒険者が巻き添えになる可能性がある。それなのにお構いなしに撃とうとしている。

「逃げろ!!!騎士団は俺たちを巻き込んでスライムを退治するつもりだ!!!逃げろ!!!」

周りに大声で伝えるとここにいる冒険者は騎士団のほうを一度見てすぐに攻撃範囲から出るように離れた。
ヒルロップが一番遅いため、ヒルロップを持ち上げて、魔法攻撃の範囲から出る。
騎士団は俺たちのことをお構いなしに魔法を放った。表に出ていたスライムは全滅し、下水の出入り口の天井が崩れ出入り口がふさがれた。
誰も騎士団に気が付かなかったら巻き込まれていた可能性が高い。騎士団と冒険者が中が悪いどころの問題ではない。一歩間違えればこちらへの被害が出ていた。
今回ので被害がやばい、近くにあった家が何件も倒壊している。俺がたちが来たときは2件が半壊していた程度だったが、騎士団によって見た感じ、4件つぶれたとみていい。さらに半壊しているのもいくつかあることから、スライム退治は失敗してはいないがとてもじゃないが褒められた結果ではない。

「市民の皆さん、我々、騎士団がスライムを退治しました。もう安心です!!!」

騎士団はそう叫んで人たちを安心させた。
でもスライムを退治したのは騎士団だけでなく、俺たちもやったのだけれど、騎士団がやったことなんて被害を大きくしてとどめを刺したようなものだ。

「やっぱり騎士団は当てになるぜ」
「そうよそうよ。役に立たない冒険者と違って本当に役に立ってくれるものねぇ」

ん!?んんん!?何言ってんだこいつら、初動では俺たちが行かなかったら、もっと被害が出ていただろうに何言ってるんだ。それに俺たち冒険者がいるのに範囲系の攻撃魔法を撃とうしたこと自体あり得ない。俺たち連携して事に当たれば被害もっと抑えられたはずだ。それに今回の被害はスライムによるものじゃなくて騎士団によるものが多い。
こいつらはいったい何を考えているのか。

「無能な冒険者たちの代わり我々騎士団があなた方をお守りします」

無能、それはお前らだろうが!ケンカを売っているなら高く買うぜ。

「無能はお前らだろうが!」
「何!?」

俺は口にして騎士団を無能といってやった。

「そこの子供どこが無能なのか教えてもらうおうか」
「一つ、魔法の範囲内に人がいるのにその人たちへの避難勧告がない。二つ、それどころか街中での範囲系の魔法は使用は禁じられていないにしろ非推奨にしているのに使っていること。三つ、範囲系の魔法を使ったことにより、被害が広がっていること。むしろ、戦っている冒険者たちと協力して戦えば被害もっと少なかった」

ダメなところを上げまくった。まずありえない選択を取っているこいつらどういう頭そしているのだろうか。

「それでも早く終わった。もしも、という言葉意味をなさいない」
「こちらが優勢だった。はっきり言ってあの魔法は不要だった」
「どうやら話は平行線のようだね」
「いや、平行線も何も本気でこちらの話を取り合う気ないだけだろ」
「これでも君たちとは違い。忙しい身の上なのだよ。皆さんもこれでよかっただろう」

部隊長が周りに自分たちのほうが正しいと同調を求めた。
俺の話を聞いていたのが災いしたのか同調されるどころか困惑された。
すぐに解決できることは好ましいが、もう解決できる状態から出しゃばったせいで被害が拡大したのは誰も賛成できねかい。

「ならどちらの主張が正しいかなんて一目瞭然、騎士団、あなたたちが壊した建物の主に弁償をするように」
「誰だ!?」

人垣の割れてそこから2人の人が俺たちに前に立った。
一人は俺より少し年上のような見た目をしており、全身黒のドレスを着た漆黒の蝶を思わせる女の子。
もう一人は腰に№Ⅸの銃を吊り下げた男。間違いなくこいつは『ナンバーズ』。

「『クリエイターズ』の米・雨様」

騎士団部隊長は畏怖を込めてつぶやいた。
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