君の手の温もりが…

海花

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薫が俊輔の髪を優しく撫でた。
薫の肩に頭を預けて座っている俊輔の目は赤くなっていて、つい先程まで泣いていたのが見て取れる。
発作が治まった俊輔を薫がソファーまで連れてくると、俊輔はどこを見るでもなく薫に言われるまま座っている。
「……俊?」
名前を呼んでも視線すら動かさない。
薫が俊輔の顔を無理に自分へ向けさせ再び名前を呼んだ。
「……俊…」
やっと気づいた様に視線が合った。
「………………」
しかし言葉は出て来ない。
薫が俊輔の髪をかき揚げ耳に掛ける。
「……俺が誰か、分かる?」
「………………薫……でしょ……」
無表情のままやっと答えた。
薫は優しく微笑むと俊輔の頬に手を当てキスをした。
一瞬俊輔の顔が歪み、再びキスをしようとした薫の胸を俊輔が押して止め
「……やめてよ……」
小さな声で呟いた。
「───………………」
薫の笑顔が消え、部屋の中を沈黙が包んだ。
俊輔はそれだけ言うとまた黙り込み、しかし薫から逃げるでもなく隣に座っている。
「……俊?」
「…………その呼び方やめてよ」
今度ははっきりと言った。
「…………なんで…?」
以前、発作の後俊輔はやすやすと薫を受け入れた……。
「葵じゃないから」
口調は以前と変わっていない様に思える。
どこか子供の様な……甘えた様な口調…。
「……葵……」
思わず薫の口をついて出た。
想定外の俊輔の反応にイラつきながら頭を巡らせる。
葵への執着が無くなっているとは思っていなかったが、ここまではっきり拒否されるとも思っていなかった……。
「……葵はもういないだろ?」
薫が俊輔の髪を撫でながら優しい声で囁く。
「俊は葵に捨てられたんだから」
「捨てられてなんかない」
俊輔の表情に微かに怒りが見える。
「じゃあ……葵はなんでここにいないんだよ?俊が発作を起こして辛い時に……あいつはどこにいる?」
「………………」
俊輔の顔が動揺して歪んだ。
「どこにいるか言ってみな?葵は今……誰と、何処にいる?」
「……知らない………」
「知らない訳ないだろ」
薫が笑った。
「さっきライン来たじゃん。『藤井』って奴といるんだろ?」
俊輔の呼吸が早くなる……。
薫は髪を撫でるのをやめ、俊輔を優しく抱きしめた。
「可哀想な俊……。お前は葵を好きなのにね……葵は……お前をどう思ってるかな?」
「……葵だって…俺を………好きだよ……」
薫がクスッと耳元で笑った。
「そうかもね……。でも……どうかな……俺が葵の立場だったら………。俊、お前だったら……『お前みたいな兄貴』を好きでいられるか?」
俊輔の鼓動が早くなっているのが薫の肌を通して伝わってくる。
「兄弟だから仕方なく面倒見てたけど……そろそろ逃げたくなったんじゃない?……だって……嫌だろ?………お前みたいな兄貴は…………しかも……」
薫は俊輔の耳を舐めてから
「自分を性的な対象として見るような兄貴なんてさ……」
俊輔の瞳から涙が溢れた。
「……違う…………」
「何が違うの?……」
「……そんな風に見てない……」
薫が俊輔の首筋にキスをする……。
「……やめてよ…………」
抵抗しようとする俊輔の手を薫が掴んだ。
「……本当は───葵としたいから?」
耳元で囁いて床へ俊輔を押し倒し
「……違う……」
そう言った唇をキスで塞いぐと、今度は薫の舌の侵入を許した。
薫の舌が容赦なく絡みつく。
「………………んッ……」
喉の奥から声が漏れ、同時に瞳からは涙が再び溢れ出す。
薫は舌を絡ませながら俊輔のデニムのズボンのボタンを外し中に右手を忍び込ませた。
──ちゃんと反応してるとか……
薫はフッと笑うと唇を離し
「俊……何反応してるの?」
耳元で笑い俊輔の耳に舌を這わせる。
「……あっ……」
そのまま首筋へ舌を滑らせ首を軽く吸いながら右手の指を俊輔のそれに絡ませる。
「や……だ……」
逃げようとする俊輔の耳元で
「俺が…葵じゃないから?」
囁き耳たぶにそっと歯を立てた。
「──んっ!ちが…う……」
「じゃあ……逃げるなよ」
薫の手の動きが激しさを増すと
「───!!あっ!…………」
俊輔の身体が波打つ様に反応して部屋に俊輔の荒い息遣いが響きだす…。
「……ん…ぁ……」
「俊……気持ちいい……?」
薫が俊輔の瞳を覗き込み
「もっと……気持ちよくしてあげるよ…」
微笑むと起き上がり俊輔の下着を下ろし、昂っているそれに下を這わせ
「──!?ダメ……ッ……」
起さ上がりかけた俊輔の目の前で口に含んだ。
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