最後の君へ

海花

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相変わらずその音を無視して続けようとする直斗を無理に離し、慌てて玄関へ向かおうとする零の手を引き

「お前!そのカッコで出るの!?」

直斗も慌てて止めた。

───確かに上半身裸だけど……俺……男だし……別に………。

「……上もだけど……下もな……?」

直斗の言葉に零の顔がまた真っ赤になった。確かに…………ズボンの上からでもハッキリ分かる程………………。

「俺出るから」

直斗が立ち上がると

「直斗も一緒じゃない!」

「俺は上で隠せるし、男だから」

───いや…………俺も……男だし……。

「全く……そんな『欲情してます』ってバレバレのカッコで出て襲われたらどうすんだよ…………」

直斗がブツブツ文句を言いながら玄関へ向かった。

───いや……恥ずかしいだけで……襲われませんけど…………。


直斗が少しイラつきながらドアを開けると

「よ!おはよ」

余計イラつく笑顔が待っていて、今開けたばかりのドアを無言で閉めた。
部屋の入口からTシャツを着た零が

「誰?」

顔を出し首を傾げたが

「……新聞の勧誘」

直斗はそう答え鍵を閉めた。

「ふざけんな!零ちゃん!開けてよ!」

廊下から康平の叫び声とドアを叩く音が聞こえて慌てて零はドアを開けた。



「何しに来たんだよ………」

直斗が見るから不機嫌そうにコーヒーを口にした。

「零ちゃん、こいつどうにかしてよ……。ちょっと酷くない?」

康平も甘いコーヒーを飲みながら零に不満を訴えるが、零は苦笑いだけ返す…。

———タイミングがね…………

「せっかくお前にいい話持ってきてやったのに…」

「何だよ……いい話って……」

少し興味をそそられたようでやっと康平に視線を向けた。

「お前、バイトしようかなって言ってたじゃん?」

「バイト……?」

直斗より零がいち早く反応した。

「———バカっ………」

直斗が慌てて零を見ると案の定眉間に皺をよせている。

「俺……聞いてないけど……それに……学校、バイト禁止だよね?」

「あ…………言っちゃまずかった?」

零の反応を見て康平がすまなそうに笑った……。


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