神殺しの花嫁

海花

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「…………今日は……いつもにも増して激しすぎ…………」

黒曜が身体を離すと、明るめの胡桃色の髪がぐったりと布団へ身体を落とし、まだ苦しそうに身体をビクッと震わせた。

「…………お前は煩さ過ぎ……」

その様子を一瞥すると、黒曜もまだ激しい息遣いのままその隣に仰向けになり煩わしそうに口にした。

「……嫌なことでもあった?」

「…………別になんもねぇよ……」

視線だけ隣に向けると、髪と同じ色の瞳が揶揄う様に見つめていて、それにもまた煩わしそうに、まだ熱を持つ白い肌に背中を向けた。

「…………また……あんたの“琥珀様”にフラれた?……それとも…………琥珀様が持ち帰った人間と何かあった…とか……?」

「……うるせぇな……」

素っ気なく答えた背中に指を滑らせ

「なんだよ……呼び出しておいて…………相変わらず冷たいね」

その広い背中を見つめた。
しかしそれ以上何も言わないのが分かると、月夜は口の中で「ちぇっ」と呟き、ひとり身体を起こした。
以前、傷付き妖に追われていたところを黒曜に助けられ、それからこうしてお互い身体を慰める間柄になった。

お互い何度か果てた事で、黒曜の関心が自分から逸れたことが分かると、月夜は臀の上に生えた九つの立派な美しい尻尾に着いた、自分と黒曜との腎水をぺろぺろと舐め始めた。

「…………俺は……いつからこんな嫌な奴になったんだ……」

月夜は舐めるのを止め、ぽつりと呟く様に言った黒曜の背中に視線を向けた。
恐らく何かあり、落ち込んでいると分かる。
そしてそれが、自分では慰めることが出来ないことも充分理解していた。

「……おれが知ってる限り………出会った時から嫌な奴だったよ?……助けてくれたこと以外はね」

肩を竦め答えた月夜を、黒曜は不貞腐れる様に下唇を突き出し横目で睨んだ。

「…………悪かったな……」

「別に悪くないよ。おれは、そんなあんただから気に入ってるんだもん」

「………………鬱陶しい……」

月夜は肩に抱き着き、顔を覗き込んだ自分にそう言いながらも振り払おうとはしない黒曜の肌に頬擦りをした。
すると先程まで汗で湿っていた肌がもう乾き始め、自分との閨事を隠し始めている。
その肌をもう一度湿らせる様にペロっと舐めると、もう一度意味ありげな瞳で覗き込み

「おれが……その人間を殺してやろうか……?」

子供が他愛ない悪戯を持ちかけた時の様な、屈託のない笑顔を黒曜へ向けた。
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