常世の守り主  ―異説冥界神話談―

双子烏丸

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番外編1 ――伝えたかった、あの言葉

新たな訪問者

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 現世と冥界を繋ぐと言われる、霊峰ハイテルペスト。
 その伝説を信じ、これまで数多の冒険者がこの山に挑み、中には命を落とす者もいた。
 そしてまた、霊峰に挑む者が一人……



 雪吹雪の中、防寒着を身にまとった青年が一人、山を登る。
 短い茶髪で、普通よりやや良いルックスと高い背丈の、彼。

 ――この山には、きっと……僕の望むものが、きっとあるはずだ――

 死んだ人間の魂が向かう場所とされる、冥界。ハイテルペストの頂上には、冥界と繋がる門があると言う、話だが……。

 ――くっ! とにかく上へと登っていると言え、道はこれで合っているのか?――

 吹雪に遮られ、そして周囲も同じく白い雪と岩ばかり。
 それに……。不思議なことに、何やら違う道を歩いている気も、しないでもなかった。
 まるで別の場所へと誘導されているような、そんなイメージだ。



 確かに、登ってはいるものの、頂上に向かう道で、果たして正解なのか?

 ――まぁいい。上を目指せば頂上につくはずだ。どんな道だろうと、僕は――
 
 悩みを振り切り、青年は歩みを進めようとした、瞬間……!



 ――――


 突然さっきまでの吹雪は、綺麗さっぱり掻き消え、晴れ間が照らす。

「……何だ!」

 思いもよらない光景に、思わず声が出てしまう。
 それに彼の目の前には……一軒の屋敷があった。
 決して大邸宅と言うわけではないが、それなりに立派な屋敷。

 ――どうしてこんな所に、建物なんか。誰か住んでいるのか?――

 疑問に思うものの、ここまでの登山で、青年には疲労が溜まっていた。
 それに、もしかすると冥界への門について、何か知っているかもしれない。

 ――もし誰かいるのなら、せめて話だけでも――

 青年はそう考え、謎の屋敷へと、向かうことにする。
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