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ロッカの街〜アイオール皇国
第21話 フィズの異変
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名もないような小さな村に着いたのは、その日の夕方前だった。
村に入る直前に、ジャックとローズも合流してきたので馬車に入ってもらった。
結構な素材の量だったようで時間がかかったらしい。
「とーちゃく……」
「フィズ、お疲れ様。馬車は小さくするからもう人になってもいいよ」
「うん。まぁまだまだひけたんだけど、ね」
そういいながらフィズは人間形態になると、いきなり俺の胸に飛び込んできた。
着替えていないから久々に全裸バージョンだ。
ぐへへ……と普段なら思うところだったけど、どうもフィズの様子がおかしい。
「フィズ?」
「ちょっとだけ胸で休んで……いいか、しら?」
「おい、体が熱いじゃないか。熱か?」
「ううん……大丈夫、なのよ」
こりゃ大変だ。
考えてみれば出会ってからずっと馬車を引かせ続けていた。
ロッカで休ませようと思っていたのも結局出来なくて……。
どう考えても無理をさせすぎているよな。
全裸で寒いままにしておくのも体に悪そうだったので、俺は急いでフィズに服を着せた。
「すまん、フィズ。すぐに泊まれるところを探すからな!」
「馬車の中で大丈夫……のよ」
「せっかく村にいるんだからそういう時くらいはちゃんとした部屋で寝た方がいいだろ」
俺はみんなが馬車から降りたのを確認するとすぐに馬車を小さくしてポケットにしまった。
それからフィズをお姫様抱っこで持ち上げると、ちょうど近くにいた村人に話しかける。
「すみません、この村に泊まれる場所はありますか?」
「ああ、村長のとこなら大丈夫だぞ」
「村長さんのお宅はあの大きい家ですか?」
「んだんだぁ」
「ありがとうございます!」
村人から教えられた村長の家まで、急いで向かった。
ここで急いでもたいして変わらないのは分かっているけど、逸る気持ちが抑えられなかった。
この気持ちはなんだろうか。
「すみませーん」
俺はフィズを一旦膝において、村長宅の扉をノックした。
「はい、なんでしょう?」
「ここで宿を貸してくれると聞いたのですが、今日泊まらせていただけますでしょうか?」
俺のそんな言葉に村長は鷹揚に頷いた。
おそらく村には宿がないだろうし、旅人を泊めることも多いのだろうな。
「二部屋しかないが足りるかね?」
「ええ、大丈夫です。馬車を置いておいてもいいですか?」
「はて、馬車はどちらに?」
「え? えっと、今は村の外に置いてあるんです」
ちょっと無理筋だが、これで納得してもらうしかない。
そもそも隠す必要があるのかもよく分からないんだよな。
「ああ、まぁこの家の横に置いておけばいいじゃろう」
「ありがとうございます。さっそく寝かせても?」
俺がそういうと村長は俺に抱えられているフィズにようやく気付いたようだった。
「病人かね?」
「ええ、疲れが出ただけだとは思うのですが……」
「そうか……この村には医者がおらんで、なるべく広まらんようにしておくれ」
「すみません。気をつけますので……」
医者がいないという事はちょっとした病気でも、特に高齢であろう村長らにとっては死活問題だろうしな。
フィズは疲れで熱が出ただけだとは思うが、そういった事も頭に入れて置かないといけないか。
俺はフィズを案内された部屋に運び入れるとベッドに寝かせた。
「そういえばローズの魔法でフィズを治したりすることはできないのか?」
「ええ。申し訳ありませんが私の魔法は怪我の治癒しかできないのです。魔族は滅多に病気になりませんので……」
「なるほど。ならないのに治せるようになる必要はないもんな。それじゃ隣のもう一部屋はリリアとミルカで使ってくれ」
俺がそういうとミルカは胸に手を当てて「ハッ!」と了解を示してくれた。
なんか騎士のように様になっていて格好いいな。
ああ、「ように」じゃなくて本物の騎士だったんだっけ。
「ゴンザさんは悪いんですけど、俺と馬車で寝る形でも大丈夫ですか?」
俺がそういうと、不意に袖が引っ張られた。
なんだろう?と見るとベッドに寝ているフィズが引っ張っていたようだ。
「ご主人さまぁ、フィズと一緒に……いて?」
「はは、大層好かれてるじゃねえか。俺は一人で馬車に寝るから問題ねえぞ。自分の分のベッドも出来たし困る事ァねえよ」
「……すみません。じゃあ俺はここでフィズの看病をする事にします。二人はいつものように警戒を頼んでもいいか?」
「ええ、マスター。お任せ下さい」
「ワタクシはついでに滋養効果のありそうな薬草を探して参ります」
「ああ、頼んだ」
俺は二人を外まで見送るついでに馬車を村長さん宅の横に出現させておく。
村の中は人が少なかったからおそらく見られていないはずだ。
仮に見られていたとしても俺の天職の能力だといえばなんとかなるだろうけどな。
馬車に入っていくゴンザさんに夕食時に声を掛ける、と伝えるとすぐにフィズの所へ戻った。
ベッドの上では可愛らしいピンクゴールドの髪をした女の子がうんうんとうなっていた。
「こちら、お使いになられますかな?」
村長さんが気を聞かせて布と水を持ってきてくれた。
「ありがとうございます、助かります」
俺はそういって受け取ると、汗をかいていたフィズを拭きはじめた。
明日にはよくなるといいが……。
俺は一抹の不安を覚えながら、その顔を、体をしっかりと優しく拭いてやるのだった。
それからフィズの事をじっと見続けているとドアがノックされた。
出てみるとそれはリリアだった。
「村長さんに台所を借りて食事を作りましたのでどうぞ。フィズさんとお食べになりますよね?」
「あ、ああ。ありがとう」
なにやらリリアの後ろではミルカが赤い顔をしていきり立っている。
ああ、姫様に料理をさせるとは何事だ、みたいなことか?
それでもしっかり自分の分を持っている所をみるとなかなかちゃっかりしているな。
「ゴンザさんには俺から届けておくよ」
「いえ、もう持っていきましたので大丈夫ですよ。フィズさんを見ていてあげて下さい。フィズさん……ここまでずっと頑張っていましたもんね」
「ああ、ありがとう。俺が分かってあげられてなくて無理させちゃったみたいで恥ずかしいよ」
「そんな事ないですよ。フィズさんはカケルさんの事、とっても信頼しているじゃないですか。期待に応えようと頑張っちゃったのかもしれませんね。ちょっと妬けちゃう……」
「え、何だって?」
「い、いえ。なんでもありません。ではお大事に、とお伝え下さいね」
そういってリリアは部屋の扉を閉めた。
両手に持たせてくれた皿をみると、片方はくたくたになるまで煮込んだパン粥だった。
これはフィズの分だろうな。このミルクはどこで調達したんだろう?
村長さん辺りに融通してもらったのかもしれない。あとでお礼をいっておかないと。
フィズ、早く元気になってまた笑顔を沢山見せてくれよ。
俺はそう願いながらリリアが作ってくれた料理に口をつけたのだった。
村に入る直前に、ジャックとローズも合流してきたので馬車に入ってもらった。
結構な素材の量だったようで時間がかかったらしい。
「とーちゃく……」
「フィズ、お疲れ様。馬車は小さくするからもう人になってもいいよ」
「うん。まぁまだまだひけたんだけど、ね」
そういいながらフィズは人間形態になると、いきなり俺の胸に飛び込んできた。
着替えていないから久々に全裸バージョンだ。
ぐへへ……と普段なら思うところだったけど、どうもフィズの様子がおかしい。
「フィズ?」
「ちょっとだけ胸で休んで……いいか、しら?」
「おい、体が熱いじゃないか。熱か?」
「ううん……大丈夫、なのよ」
こりゃ大変だ。
考えてみれば出会ってからずっと馬車を引かせ続けていた。
ロッカで休ませようと思っていたのも結局出来なくて……。
どう考えても無理をさせすぎているよな。
全裸で寒いままにしておくのも体に悪そうだったので、俺は急いでフィズに服を着せた。
「すまん、フィズ。すぐに泊まれるところを探すからな!」
「馬車の中で大丈夫……のよ」
「せっかく村にいるんだからそういう時くらいはちゃんとした部屋で寝た方がいいだろ」
俺はみんなが馬車から降りたのを確認するとすぐに馬車を小さくしてポケットにしまった。
それからフィズをお姫様抱っこで持ち上げると、ちょうど近くにいた村人に話しかける。
「すみません、この村に泊まれる場所はありますか?」
「ああ、村長のとこなら大丈夫だぞ」
「村長さんのお宅はあの大きい家ですか?」
「んだんだぁ」
「ありがとうございます!」
村人から教えられた村長の家まで、急いで向かった。
ここで急いでもたいして変わらないのは分かっているけど、逸る気持ちが抑えられなかった。
この気持ちはなんだろうか。
「すみませーん」
俺はフィズを一旦膝において、村長宅の扉をノックした。
「はい、なんでしょう?」
「ここで宿を貸してくれると聞いたのですが、今日泊まらせていただけますでしょうか?」
俺のそんな言葉に村長は鷹揚に頷いた。
おそらく村には宿がないだろうし、旅人を泊めることも多いのだろうな。
「二部屋しかないが足りるかね?」
「ええ、大丈夫です。馬車を置いておいてもいいですか?」
「はて、馬車はどちらに?」
「え? えっと、今は村の外に置いてあるんです」
ちょっと無理筋だが、これで納得してもらうしかない。
そもそも隠す必要があるのかもよく分からないんだよな。
「ああ、まぁこの家の横に置いておけばいいじゃろう」
「ありがとうございます。さっそく寝かせても?」
俺がそういうと村長は俺に抱えられているフィズにようやく気付いたようだった。
「病人かね?」
「ええ、疲れが出ただけだとは思うのですが……」
「そうか……この村には医者がおらんで、なるべく広まらんようにしておくれ」
「すみません。気をつけますので……」
医者がいないという事はちょっとした病気でも、特に高齢であろう村長らにとっては死活問題だろうしな。
フィズは疲れで熱が出ただけだとは思うが、そういった事も頭に入れて置かないといけないか。
俺はフィズを案内された部屋に運び入れるとベッドに寝かせた。
「そういえばローズの魔法でフィズを治したりすることはできないのか?」
「ええ。申し訳ありませんが私の魔法は怪我の治癒しかできないのです。魔族は滅多に病気になりませんので……」
「なるほど。ならないのに治せるようになる必要はないもんな。それじゃ隣のもう一部屋はリリアとミルカで使ってくれ」
俺がそういうとミルカは胸に手を当てて「ハッ!」と了解を示してくれた。
なんか騎士のように様になっていて格好いいな。
ああ、「ように」じゃなくて本物の騎士だったんだっけ。
「ゴンザさんは悪いんですけど、俺と馬車で寝る形でも大丈夫ですか?」
俺がそういうと、不意に袖が引っ張られた。
なんだろう?と見るとベッドに寝ているフィズが引っ張っていたようだ。
「ご主人さまぁ、フィズと一緒に……いて?」
「はは、大層好かれてるじゃねえか。俺は一人で馬車に寝るから問題ねえぞ。自分の分のベッドも出来たし困る事ァねえよ」
「……すみません。じゃあ俺はここでフィズの看病をする事にします。二人はいつものように警戒を頼んでもいいか?」
「ええ、マスター。お任せ下さい」
「ワタクシはついでに滋養効果のありそうな薬草を探して参ります」
「ああ、頼んだ」
俺は二人を外まで見送るついでに馬車を村長さん宅の横に出現させておく。
村の中は人が少なかったからおそらく見られていないはずだ。
仮に見られていたとしても俺の天職の能力だといえばなんとかなるだろうけどな。
馬車に入っていくゴンザさんに夕食時に声を掛ける、と伝えるとすぐにフィズの所へ戻った。
ベッドの上では可愛らしいピンクゴールドの髪をした女の子がうんうんとうなっていた。
「こちら、お使いになられますかな?」
村長さんが気を聞かせて布と水を持ってきてくれた。
「ありがとうございます、助かります」
俺はそういって受け取ると、汗をかいていたフィズを拭きはじめた。
明日にはよくなるといいが……。
俺は一抹の不安を覚えながら、その顔を、体をしっかりと優しく拭いてやるのだった。
それからフィズの事をじっと見続けているとドアがノックされた。
出てみるとそれはリリアだった。
「村長さんに台所を借りて食事を作りましたのでどうぞ。フィズさんとお食べになりますよね?」
「あ、ああ。ありがとう」
なにやらリリアの後ろではミルカが赤い顔をしていきり立っている。
ああ、姫様に料理をさせるとは何事だ、みたいなことか?
それでもしっかり自分の分を持っている所をみるとなかなかちゃっかりしているな。
「ゴンザさんには俺から届けておくよ」
「いえ、もう持っていきましたので大丈夫ですよ。フィズさんを見ていてあげて下さい。フィズさん……ここまでずっと頑張っていましたもんね」
「ああ、ありがとう。俺が分かってあげられてなくて無理させちゃったみたいで恥ずかしいよ」
「そんな事ないですよ。フィズさんはカケルさんの事、とっても信頼しているじゃないですか。期待に応えようと頑張っちゃったのかもしれませんね。ちょっと妬けちゃう……」
「え、何だって?」
「い、いえ。なんでもありません。ではお大事に、とお伝え下さいね」
そういってリリアは部屋の扉を閉めた。
両手に持たせてくれた皿をみると、片方はくたくたになるまで煮込んだパン粥だった。
これはフィズの分だろうな。このミルクはどこで調達したんだろう?
村長さん辺りに融通してもらったのかもしれない。あとでお礼をいっておかないと。
フィズ、早く元気になってまた笑顔を沢山見せてくれよ。
俺はそう願いながらリリアが作ってくれた料理に口をつけたのだった。
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