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アイオール皇国〜ニエの村
第40話 幻獣大戦
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山頂を出発した俺たちは山の稜線に沿うようにして縦走していく。
道案内はこの山に詳しいルシアンに任せることにした。
ルシアンと名をつけたフェンリルは、任せて!と頼もしい台詞を口にして、今も目の前を先導するように歩いてくれている。
今日はジャックも空を飛んでいるので、歩いているのは俺とフィズとルシアンだけだ。
目の前で尻尾をフリフリしながら歩いているその姿を見ていると、やはり実家の犬——コロを思い出してしまう。
コロは機嫌がいいと千切れんばかりに振っていたんだよな。
思い出したらシたくなってしまったので、出発前にモフモフさせてもらった。
ルシアンは口では「ヤメロー」といっていたけど全く嫌がっていなかった。
それどころか尻尾をフリフリしていたからきっと喜んでくれていたのだろう。
やっぱり犬だな、ありゃ。
ただ、野生だからかちょっと毛がゴワゴワしていたので、今度水場があったらしっかり洗ってやろうと思っている。
やっぱりフワフワの毛に埋もれながらモフりたいからその辺の手は抜かない。
ちなみにそんなルシアンによると、夕方には隣の山に着くらしい。
そこから少し斜めに下る道があるらしいので、そこを進めばドライエントに入れるとのことだった。
厳密にいえば隣の山に入った時点で既にドライエントの領土らしいが、それはあくまで地図上の話だ。
まぁ明日にはドライエントにつくだろうから今日も張り切って歩いていこう。
「なあ、そういえばなんであの日リリアを襲いに来たんだ?」
俺は歩きながら、先をゆくルシアンに気になった事を尋ねてみる。
こんな山に住んでいるのに、なぜあの時あんな遠くの村に来たのかが気になったのだ。
せっかく話せるようになったなら聞いておかないとな。
「アノ日……? アア、初メテ会ッタ日ノコト?」
「ああ。そうなんだけど……ちょっと待ってくれ、フェンリル形態だとどうしても片言になるのか?」
「イヤ……そんなことはないけど」
「おお、ならそれで頼む。ちょっと聞き取り辛くてな」
「分かっタ。気をつけル」
ちょっとばかりカタい言葉が混じってしまっているけど、さっきよりは聞き取りやすくなったからまぁこれでいいだろう。
「あの日は、ドラゴンがこの山ギリギリを飛んでいたんダ。そしてその手には美味そうな匂いのする女がぶら下がっていタ」
「なるほど……それを追っていったわけか」
「いや、違うヨ。だからボクはドラゴンを攻撃したんダ」
「は?」
「正確にいえばドラゴンの手に氷の槍を撃ち込んで女を落としタ」
目の前を歩くルシアンは誇らしげにそんなことを言っている。
リリアは目覚めたら空だったから、驚いて落ちたと言っていたが……ルシアンが攻撃したからドラゴンが落としてしまったということか?
「結局、女は落とせたんダけどドラゴンからの反撃を貰っちゃってネ。危うく消滅しかけたヨ」
「…………」
「お陰で体を再構成するのにかなり魔力を使っちゃった。実はまだ魔力が回復しきってないんダ。だからカケルに負けちゃったんダよね」
「万全なら勝てるみたいな言い方だな?」
「そりゃ当たり前デしょ。なんたってボクは幻獣だよ!? 普通の人間には負けてられないでショ」
という事は魔力が回復したらこいつは俺の首を狙ってくるかもしれない。
下剋上されて御者席を譲るなんて耐えられないぞ。
よし、いっそここで捨てていくか?
「ただ、もうカケルとやる気はなイ。フェンリルの誇りに誓うよ」
おお、それだったらよかった。
どうやらこれからもこの馬車の番犬でいてもらえそうだ。
「そしてカケルの伴侶になろう」
「え?」
「責任を取ってくれるんでショ?」
確かに名前は付けて一緒に来ることは認めたけど伴侶なんて聞いてないぞ。
それに……。
「それにまだルシアンは子供だろう?」
「いやボクはカケルよりもずっと年上だけど……」
「そ、そうなのか……」
さすがは幻獣だ。見た目で判断できないということか。
あとで聞くと、正確には分からないけど五、六十年は生きているらしい。
それでも幻獣にしては若いけど、と言っていたからやはり生き物としての格が違う感じがするな。
そうなるとフィズも百歳とかだったりするのだろうか?
気にはなったけど、女の子に歳を聞くのはマナー違反だからやめておいた。
「ねぇ……聞いてル? 伴侶になってくれるんデしょ?」
ルシアンはなおもしつこく聞いてくる。
なんと答えるべきだろうか……そう俺が思案していると、ルシアンが突然地面を蹴って後ろに飛びのいた。
「なんだっ!?」
見ればルシアンがさっきまで居た場所にフィズが蹴りを打ち込んでいた。
蹴りというかかかと落としか。
凄い音がしたし、かかとが地面に刺さっているけど……フィズのやつ殺すつもりだったのか!?
「ご主人さまはフィズのものなんだけど……?」
フィズは聞いたことのないような低い声でそういうとルシアンを睨みつける。
「へぇ、ただの端女かと思っていたヨ」
「たかが犬っころが偉そうな口をきくんじゃないわよっ!」
二人の間で火花が散っているように見える。
これは一触即発の空気だ、そう思った俺は慌てて二人の間に割り込んだ。
「ちょ、ちょっと待てお前ら! こんな所で幻獣大戦でもはじめるつもりか!?」
俺が間に入った事で少しは落ち着いた二人だったけど、未だに睨み合っている。
これはきちんと叱っておかないといけないな。
「……ということで、仲間同士の喧嘩は禁止。これは約束だ。できるか?」
俺に叱られた二人はしゅんと肩を落としている。
ちょっと言い過ぎた気もするけど、ちゃんとしないと周りにも迷惑がかかるかもしれないからな。
「ご主人さまがそういうなら……わかったわ」
「ボクも……もうしない」
「よし、二人ともわかってくれたならもういい」
俺は意気消沈している二人の頭を両手で撫でてやる。
「ねえ、カケル」
ルシアンが気持ちよさそうな顔で撫でられながら口を開いた。
「ん、なんだ?」
「やっぱり仲間を食べるのもダメ……だよネ?」
「あ、あたり前だ! 何を言い出しているんだ?」
「いや……あの馬車っていうの? あれの中にこの前のいい匂いがしてて……」
「ああ。リリアが乗っているからな。でも大切なお客さんだから食べちゃダメだぞ」
「そっかぁ……」
「でも代わりにリリアの美味い飯が食えるから期待していい。そういえばそろそろ腹が減ってきたから昼飯にするか?」
俺はルシアンをなだめるようにそういうとポケットから馬車を取り出した。
中に入ると香ばしい匂いが漂っている。
やはり移動している間に作っておいてくれたらしい。
ルシアンも鼻をピクピクさせてよだれを垂らしそうになっているな。
さて、今日の昼飯はなんだろう?
俺はワクワクしながら食堂へ入っていった。
道案内はこの山に詳しいルシアンに任せることにした。
ルシアンと名をつけたフェンリルは、任せて!と頼もしい台詞を口にして、今も目の前を先導するように歩いてくれている。
今日はジャックも空を飛んでいるので、歩いているのは俺とフィズとルシアンだけだ。
目の前で尻尾をフリフリしながら歩いているその姿を見ていると、やはり実家の犬——コロを思い出してしまう。
コロは機嫌がいいと千切れんばかりに振っていたんだよな。
思い出したらシたくなってしまったので、出発前にモフモフさせてもらった。
ルシアンは口では「ヤメロー」といっていたけど全く嫌がっていなかった。
それどころか尻尾をフリフリしていたからきっと喜んでくれていたのだろう。
やっぱり犬だな、ありゃ。
ただ、野生だからかちょっと毛がゴワゴワしていたので、今度水場があったらしっかり洗ってやろうと思っている。
やっぱりフワフワの毛に埋もれながらモフりたいからその辺の手は抜かない。
ちなみにそんなルシアンによると、夕方には隣の山に着くらしい。
そこから少し斜めに下る道があるらしいので、そこを進めばドライエントに入れるとのことだった。
厳密にいえば隣の山に入った時点で既にドライエントの領土らしいが、それはあくまで地図上の話だ。
まぁ明日にはドライエントにつくだろうから今日も張り切って歩いていこう。
「なあ、そういえばなんであの日リリアを襲いに来たんだ?」
俺は歩きながら、先をゆくルシアンに気になった事を尋ねてみる。
こんな山に住んでいるのに、なぜあの時あんな遠くの村に来たのかが気になったのだ。
せっかく話せるようになったなら聞いておかないとな。
「アノ日……? アア、初メテ会ッタ日ノコト?」
「ああ。そうなんだけど……ちょっと待ってくれ、フェンリル形態だとどうしても片言になるのか?」
「イヤ……そんなことはないけど」
「おお、ならそれで頼む。ちょっと聞き取り辛くてな」
「分かっタ。気をつけル」
ちょっとばかりカタい言葉が混じってしまっているけど、さっきよりは聞き取りやすくなったからまぁこれでいいだろう。
「あの日は、ドラゴンがこの山ギリギリを飛んでいたんダ。そしてその手には美味そうな匂いのする女がぶら下がっていタ」
「なるほど……それを追っていったわけか」
「いや、違うヨ。だからボクはドラゴンを攻撃したんダ」
「は?」
「正確にいえばドラゴンの手に氷の槍を撃ち込んで女を落としタ」
目の前を歩くルシアンは誇らしげにそんなことを言っている。
リリアは目覚めたら空だったから、驚いて落ちたと言っていたが……ルシアンが攻撃したからドラゴンが落としてしまったということか?
「結局、女は落とせたんダけどドラゴンからの反撃を貰っちゃってネ。危うく消滅しかけたヨ」
「…………」
「お陰で体を再構成するのにかなり魔力を使っちゃった。実はまだ魔力が回復しきってないんダ。だからカケルに負けちゃったんダよね」
「万全なら勝てるみたいな言い方だな?」
「そりゃ当たり前デしょ。なんたってボクは幻獣だよ!? 普通の人間には負けてられないでショ」
という事は魔力が回復したらこいつは俺の首を狙ってくるかもしれない。
下剋上されて御者席を譲るなんて耐えられないぞ。
よし、いっそここで捨てていくか?
「ただ、もうカケルとやる気はなイ。フェンリルの誇りに誓うよ」
おお、それだったらよかった。
どうやらこれからもこの馬車の番犬でいてもらえそうだ。
「そしてカケルの伴侶になろう」
「え?」
「責任を取ってくれるんでショ?」
確かに名前は付けて一緒に来ることは認めたけど伴侶なんて聞いてないぞ。
それに……。
「それにまだルシアンは子供だろう?」
「いやボクはカケルよりもずっと年上だけど……」
「そ、そうなのか……」
さすがは幻獣だ。見た目で判断できないということか。
あとで聞くと、正確には分からないけど五、六十年は生きているらしい。
それでも幻獣にしては若いけど、と言っていたからやはり生き物としての格が違う感じがするな。
そうなるとフィズも百歳とかだったりするのだろうか?
気にはなったけど、女の子に歳を聞くのはマナー違反だからやめておいた。
「ねぇ……聞いてル? 伴侶になってくれるんデしょ?」
ルシアンはなおもしつこく聞いてくる。
なんと答えるべきだろうか……そう俺が思案していると、ルシアンが突然地面を蹴って後ろに飛びのいた。
「なんだっ!?」
見ればルシアンがさっきまで居た場所にフィズが蹴りを打ち込んでいた。
蹴りというかかかと落としか。
凄い音がしたし、かかとが地面に刺さっているけど……フィズのやつ殺すつもりだったのか!?
「ご主人さまはフィズのものなんだけど……?」
フィズは聞いたことのないような低い声でそういうとルシアンを睨みつける。
「へぇ、ただの端女かと思っていたヨ」
「たかが犬っころが偉そうな口をきくんじゃないわよっ!」
二人の間で火花が散っているように見える。
これは一触即発の空気だ、そう思った俺は慌てて二人の間に割り込んだ。
「ちょ、ちょっと待てお前ら! こんな所で幻獣大戦でもはじめるつもりか!?」
俺が間に入った事で少しは落ち着いた二人だったけど、未だに睨み合っている。
これはきちんと叱っておかないといけないな。
「……ということで、仲間同士の喧嘩は禁止。これは約束だ。できるか?」
俺に叱られた二人はしゅんと肩を落としている。
ちょっと言い過ぎた気もするけど、ちゃんとしないと周りにも迷惑がかかるかもしれないからな。
「ご主人さまがそういうなら……わかったわ」
「ボクも……もうしない」
「よし、二人ともわかってくれたならもういい」
俺は意気消沈している二人の頭を両手で撫でてやる。
「ねえ、カケル」
ルシアンが気持ちよさそうな顔で撫でられながら口を開いた。
「ん、なんだ?」
「やっぱり仲間を食べるのもダメ……だよネ?」
「あ、あたり前だ! 何を言い出しているんだ?」
「いや……あの馬車っていうの? あれの中にこの前のいい匂いがしてて……」
「ああ。リリアが乗っているからな。でも大切なお客さんだから食べちゃダメだぞ」
「そっかぁ……」
「でも代わりにリリアの美味い飯が食えるから期待していい。そういえばそろそろ腹が減ってきたから昼飯にするか?」
俺はルシアンをなだめるようにそういうとポケットから馬車を取り出した。
中に入ると香ばしい匂いが漂っている。
やはり移動している間に作っておいてくれたらしい。
ルシアンも鼻をピクピクさせてよだれを垂らしそうになっているな。
さて、今日の昼飯はなんだろう?
俺はワクワクしながら食堂へ入っていった。
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