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アイオール皇国〜ニエの村
第39話 お仕置きの果てに・・・
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「オ仕置キダト……? 我ニナニヲシヨウトイウノダ!?」
目の前のフェンリル……いや、犬ッコロはそろりそろりと後ずさりをしている。
俺が気付いてないとでも思っているのだろうか?
(また逃げられると困るからな……)
俺は剣を鞭の形状に戻すと、足元の雪にそろりと垂らした。
「お仕置きっていったらアレに決まっているだろ?」
「ダカラソレハ何ナノダ!?」
鞭は半分雪に埋もれながらその犬ッコロに向かって伸びていく。
音もなく足もとに忍び寄る鞭の存在はまだ露見していない。
「お前はすぐに再生しちまうから……体じゃなくて心を砕いてやる!」
俺が全て言い切る前に、フェンリルはくるりと体の向きを変え、逃走を図ろうとした。
でもそんなのはすでにお見通した。
雪の中を隠れて進んでいた鞭の先端は、音もなくフェンリルの足に絡みついた。
「グ、グォッ。マタコレカァッ!?」
雪の中で見事なほど一本釣りされたフェンリルは、地面を転がるようにして俺の足元までたどり着いた。
漆黒の体は雪にまみれ、もはや白い犬のようになってしまっている。
「さぁ、もう逃げられないぞ?」
俺は震えるフェンリルの体をしっかりと鞭で縛った。
今は縮こまってしまっていてかなりコンパクトになっているが、それでもフェンリルはそれなりの大きさがある。
俺はそんな大きな胴体を、脇で挟み込んだ。
頭を逆にして持っているので、俺の目の前にあるのはプリっとしたお尻と、股の間にきゅっとしまわれてしまった尻尾だ。
「覚悟はいいな?」
「……ヤメロ……ヤメロッ……ヤメテクレッ!!」
「ダメだ。ちゃんと体で分からせてやる! 尻叩き百回! 始めるぞッ!」
バスン、バスン……。
そんな布団を叩くような重たい音が山頂に響いた。
遠くの山に反響してやまびこが返ってくるほどの音だな。
「グゥ! ガァッ! フ、フゥッ! アッ! オウッ!」
俺が尻を叩く度、フェンリルの口からは苦悶の叫びが漏れる。
……えっと、これって苦悶の叫び……だよな?
「どうだ……? これで五十、半分だ!」
「モ、モウヤメテクレ……分カッタ、凍ラセタ二人ハ解放スルッ! ダカラ……」
バスン!
「五十……イチィッ! 二人を解放するのなんて当たり前だ!」
バスン!
「もう人を襲わないと約束しろッ! 五十二ッ!」
バスン!
「ググ……シカシ……」
バスン!
バスン!
「ああ、別にいいよ。それなら続けるから。五十五ッ!」
「ヤ、ヤメロ……我ノプライドガ……」
「そんな犬も食わないもんは捨てちまえッ!」
バスン!
「分カッタ……我ノ、負ケ……ダ」
パチーン!
フェンリルが負けを認めると、叩いた尻から突然乾いた音が響いた。
手の感触もさっきまでとは違っていて……。
一心不乱に狼の尻を叩いていた俺の目の前にはお尻がある。
それは今まで叩いていたんだから当然だ。
しかしそこにあったのは毛むくじゃらの狼の尻ではなく、つるんとした人間の尻だった。
パチーン!
おっと、手が滑ってしまった。
「ボク、もう参ったしたのに……」
「あ、あれっ!?」
いつの間にか俺の脇からはフェンリルがいなくなって、代わりとばかりに黒い髪をした全裸の男の子がそこにいた。
この状況を冷静に考えるなら……フェンリルが人になった!?
「何を呆けているんだ? 幻獣種は人になれるんだよ! 分かったらボクを離せよ!」
「え? あ、ああ。もう逃げるなよ?」
俺は念の為、釘をさしてから男の子を地面に降ろしてやる。
「いてて……見てよ、こんなにお尻が腫れちゃったじゃないか!」
「いや、それはお前が悪いんだろう」
「でもボクのテリトリーに踏み込んだお前たちも悪いだろ!」
「ぐ……まぁそれはそうだが……」
「じゃあ、責任とってよ!」
「せ、責任?」
「こんな辱めをうけたらボク……お嫁にいけないんだから! 責任、とってよ」
どうやら男の子だと思っていたフェンリルは——女の子だったらしい。
* * * * * *
結局、フェンリルは約束を守ってフィズとジャックを氷の監獄から解放させた。
「フィズ、平気か?」
寒さで凍えるフィズをそっと抱きしめる。
ああ、こんなに冷たくなってしまって。
「うん、大丈夫。こんなのなんてことないのよ!」
「マスター、私も無事です」
「そうか、フィズ……よかった」
「マスター、少し寒いですが私も無事です」
「それじゃあ馬車に入ってあったかいスープでも飲め」
「マスター、私も飲みたいです」
面白いので意図的に無視していたけど、さすがに可哀想になってきたので、俺は馬車から毛布を取り寄せてジャックにかけてやった。
「おおっ、これは暖かいですッ! 私なんかのために……こんな……ん? マスター、マスター、どこですかっ!?」
「……おいジャック、早く馬車に乗れよ!」
俺は馬車から顔を出すとジャックへと手招きをした。
ジャックはなんか一人で喋っていたようだったけど、なんだったんだろうな。
まぁいっか。
「で、この男の子があのフェンリルってわけね?」
「そうだ。フィズと同じ幻獣種らしいぞ」
俺のそんな言葉に、異議を唱える声が上がった。
「ボクは女だっ!」
「あ、あぁそうだった。フィズ、この子はボーイッシュな見た目だけど女の子だぞ」
ショートカットでボーイッシュな見た目だからパッと見は少年に見えるんだよな。
「おっと、雪が頭についてるぞ」
俺はそういってフェンリルの頭のてっぺんに積もる雪を払った。
「あれ……落ちないな……」
よく見ると、黒髪の根本が白髪になってしまっているようだった。
「母様から貰った黒い毛並みが自慢だったのに……」
フェンリルはがっくりと肩を落としている。
もしかしてあれか、尻叩きの恐怖で白髪になってしまったとかか?
「やっぱり責任とってよ!」
「無理だ。俺たちは旅の途中だからな。それに俺はこんな山の中で暮らすことはできない」
「じゃあ……ボクがついていく。それならいいでしょ?」
「ついてくったってなぁ」
「そういえばあなた、お名前は何というのですか?」
リリアが優しい声でフェンリルに尋ねるとフェンリルは寂しそうな顔をして、それからゆっくりと首を横に振った。
「そんなの……ないよ。ボクらは念話で会話をするから必要がないんだ。その概念は知っているけどね」
「そうでしたか。それじゃカケルさんが付けてあげたらどうですか?」
「で、でもだなぁ……」
「あら、女の子に責任を取ってといわれたら受け入れてあげるのが紳士じゃありません?」
リリアはウインクをしながらそんな事をいってくるけど、きっと少年のような見た目にほだされているのだろうな。
こいつは見た目より危ないんだけどな。
ま、戦闘力はなかなかあるし番犬くらいにはなる……か。
「お前、俺のいうことが聞けるか?」
「うん、ご飯をくれるなら」
「人はもう襲わないか?」
「うん、ご飯をくれるなら」
「本当についてくるのか?」
「うん。だから名前をくれる?」
名前、名前かぁ……。
フェンリルからとってフェン、違うな。
ならリルか?それは割と可愛いが……やっぱりちょっと安直すぎるな。
ここはやっぱり酒で統一するのがいいかもしれない。
そう思いながら改めてその姿を見ると、すぐに名前が思い浮かんだ。
「よし。じゃあお前の名前はルシアンだ」
「ボクは……ルシアン? ルシアンか……」
黒い髪の上に白の髪というホワイト・ルシアンにそっくりな見た目をした少女の顔には、喜びが溢れていた。
どうやらよっぽど嬉しかったらしい。
こうして思わぬ場所で、思わぬ仲間が乗車することになったのだった。
目の前のフェンリル……いや、犬ッコロはそろりそろりと後ずさりをしている。
俺が気付いてないとでも思っているのだろうか?
(また逃げられると困るからな……)
俺は剣を鞭の形状に戻すと、足元の雪にそろりと垂らした。
「お仕置きっていったらアレに決まっているだろ?」
「ダカラソレハ何ナノダ!?」
鞭は半分雪に埋もれながらその犬ッコロに向かって伸びていく。
音もなく足もとに忍び寄る鞭の存在はまだ露見していない。
「お前はすぐに再生しちまうから……体じゃなくて心を砕いてやる!」
俺が全て言い切る前に、フェンリルはくるりと体の向きを変え、逃走を図ろうとした。
でもそんなのはすでにお見通した。
雪の中を隠れて進んでいた鞭の先端は、音もなくフェンリルの足に絡みついた。
「グ、グォッ。マタコレカァッ!?」
雪の中で見事なほど一本釣りされたフェンリルは、地面を転がるようにして俺の足元までたどり着いた。
漆黒の体は雪にまみれ、もはや白い犬のようになってしまっている。
「さぁ、もう逃げられないぞ?」
俺は震えるフェンリルの体をしっかりと鞭で縛った。
今は縮こまってしまっていてかなりコンパクトになっているが、それでもフェンリルはそれなりの大きさがある。
俺はそんな大きな胴体を、脇で挟み込んだ。
頭を逆にして持っているので、俺の目の前にあるのはプリっとしたお尻と、股の間にきゅっとしまわれてしまった尻尾だ。
「覚悟はいいな?」
「……ヤメロ……ヤメロッ……ヤメテクレッ!!」
「ダメだ。ちゃんと体で分からせてやる! 尻叩き百回! 始めるぞッ!」
バスン、バスン……。
そんな布団を叩くような重たい音が山頂に響いた。
遠くの山に反響してやまびこが返ってくるほどの音だな。
「グゥ! ガァッ! フ、フゥッ! アッ! オウッ!」
俺が尻を叩く度、フェンリルの口からは苦悶の叫びが漏れる。
……えっと、これって苦悶の叫び……だよな?
「どうだ……? これで五十、半分だ!」
「モ、モウヤメテクレ……分カッタ、凍ラセタ二人ハ解放スルッ! ダカラ……」
バスン!
「五十……イチィッ! 二人を解放するのなんて当たり前だ!」
バスン!
「もう人を襲わないと約束しろッ! 五十二ッ!」
バスン!
「ググ……シカシ……」
バスン!
バスン!
「ああ、別にいいよ。それなら続けるから。五十五ッ!」
「ヤ、ヤメロ……我ノプライドガ……」
「そんな犬も食わないもんは捨てちまえッ!」
バスン!
「分カッタ……我ノ、負ケ……ダ」
パチーン!
フェンリルが負けを認めると、叩いた尻から突然乾いた音が響いた。
手の感触もさっきまでとは違っていて……。
一心不乱に狼の尻を叩いていた俺の目の前にはお尻がある。
それは今まで叩いていたんだから当然だ。
しかしそこにあったのは毛むくじゃらの狼の尻ではなく、つるんとした人間の尻だった。
パチーン!
おっと、手が滑ってしまった。
「ボク、もう参ったしたのに……」
「あ、あれっ!?」
いつの間にか俺の脇からはフェンリルがいなくなって、代わりとばかりに黒い髪をした全裸の男の子がそこにいた。
この状況を冷静に考えるなら……フェンリルが人になった!?
「何を呆けているんだ? 幻獣種は人になれるんだよ! 分かったらボクを離せよ!」
「え? あ、ああ。もう逃げるなよ?」
俺は念の為、釘をさしてから男の子を地面に降ろしてやる。
「いてて……見てよ、こんなにお尻が腫れちゃったじゃないか!」
「いや、それはお前が悪いんだろう」
「でもボクのテリトリーに踏み込んだお前たちも悪いだろ!」
「ぐ……まぁそれはそうだが……」
「じゃあ、責任とってよ!」
「せ、責任?」
「こんな辱めをうけたらボク……お嫁にいけないんだから! 責任、とってよ」
どうやら男の子だと思っていたフェンリルは——女の子だったらしい。
* * * * * *
結局、フェンリルは約束を守ってフィズとジャックを氷の監獄から解放させた。
「フィズ、平気か?」
寒さで凍えるフィズをそっと抱きしめる。
ああ、こんなに冷たくなってしまって。
「うん、大丈夫。こんなのなんてことないのよ!」
「マスター、私も無事です」
「そうか、フィズ……よかった」
「マスター、少し寒いですが私も無事です」
「それじゃあ馬車に入ってあったかいスープでも飲め」
「マスター、私も飲みたいです」
面白いので意図的に無視していたけど、さすがに可哀想になってきたので、俺は馬車から毛布を取り寄せてジャックにかけてやった。
「おおっ、これは暖かいですッ! 私なんかのために……こんな……ん? マスター、マスター、どこですかっ!?」
「……おいジャック、早く馬車に乗れよ!」
俺は馬車から顔を出すとジャックへと手招きをした。
ジャックはなんか一人で喋っていたようだったけど、なんだったんだろうな。
まぁいっか。
「で、この男の子があのフェンリルってわけね?」
「そうだ。フィズと同じ幻獣種らしいぞ」
俺のそんな言葉に、異議を唱える声が上がった。
「ボクは女だっ!」
「あ、あぁそうだった。フィズ、この子はボーイッシュな見た目だけど女の子だぞ」
ショートカットでボーイッシュな見た目だからパッと見は少年に見えるんだよな。
「おっと、雪が頭についてるぞ」
俺はそういってフェンリルの頭のてっぺんに積もる雪を払った。
「あれ……落ちないな……」
よく見ると、黒髪の根本が白髪になってしまっているようだった。
「母様から貰った黒い毛並みが自慢だったのに……」
フェンリルはがっくりと肩を落としている。
もしかしてあれか、尻叩きの恐怖で白髪になってしまったとかか?
「やっぱり責任とってよ!」
「無理だ。俺たちは旅の途中だからな。それに俺はこんな山の中で暮らすことはできない」
「じゃあ……ボクがついていく。それならいいでしょ?」
「ついてくったってなぁ」
「そういえばあなた、お名前は何というのですか?」
リリアが優しい声でフェンリルに尋ねるとフェンリルは寂しそうな顔をして、それからゆっくりと首を横に振った。
「そんなの……ないよ。ボクらは念話で会話をするから必要がないんだ。その概念は知っているけどね」
「そうでしたか。それじゃカケルさんが付けてあげたらどうですか?」
「で、でもだなぁ……」
「あら、女の子に責任を取ってといわれたら受け入れてあげるのが紳士じゃありません?」
リリアはウインクをしながらそんな事をいってくるけど、きっと少年のような見た目にほだされているのだろうな。
こいつは見た目より危ないんだけどな。
ま、戦闘力はなかなかあるし番犬くらいにはなる……か。
「お前、俺のいうことが聞けるか?」
「うん、ご飯をくれるなら」
「人はもう襲わないか?」
「うん、ご飯をくれるなら」
「本当についてくるのか?」
「うん。だから名前をくれる?」
名前、名前かぁ……。
フェンリルからとってフェン、違うな。
ならリルか?それは割と可愛いが……やっぱりちょっと安直すぎるな。
ここはやっぱり酒で統一するのがいいかもしれない。
そう思いながら改めてその姿を見ると、すぐに名前が思い浮かんだ。
「よし。じゃあお前の名前はルシアンだ」
「ボクは……ルシアン? ルシアンか……」
黒い髪の上に白の髪というホワイト・ルシアンにそっくりな見た目をした少女の顔には、喜びが溢れていた。
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